エントロピーとSDGs
エントロピー(Entropy)とは“乱雑さの度合い”。“エントロピーの法則”(熱力学の法則)は、「宇宙における全エネルギーの総和は一定で(第一法則)、全エントロピーは絶えず増大する(第二法則)」と定義。エントロピーが低い(乱雑さが少ない)場合には、エネルギーはいろいろな形に変換でき、利用することができる。しかし、エネルギーを利用するとエントロピー(乱雑さ)は増し、エントロピーが増大していくと、ついには他のエネルギーに変換できなくなってしまう(使えないエネルギー)。第二法則によると、全エントロピーは絶えず増大する一方で、その逆はないことから、使えなくなったエネルギーは永遠に使えず、使えるエネルギーは減少する一方だ。
20世紀の機械論的世界観は、今や誰もが当たり前として受入れている価値観だが、私たちが進歩として考えてきた科学やテクノロジーの発展の元になっている反面、人間は自然をコントロールし、支配するという考え方も生み、環境破壊を推し進める要因ともなってしまった。
エントロピーの法則は、今の社会に重要な示唆を与えてくれている。石油などの資源をエネルギー源とした場合、それを一旦使うと、エントロピーが増大し、それはすぐに再利用不可能な形になってしまう。利用可能なエネルギーが有限である以上、それを使っているといつしか枯渇する。再びエネルギーが増えることはない。人類は、あらゆる面でエントロピーを加速度的に増大させており、これは、人類の終焉を早めている。私たちは、これまでの機械論的世界観を改め、新たな価値観を構築していかなければならない。
一方、非平衡熱力学(Non-equilibrium thermodynamics)が密かに立証されつつあり、自然界では、一定の条件を満たすと、崩壊したものから秩序が生まれるという、新たな原理が明らかになっている。つまり、“崩壊”とは逆の“秩序生成、自己組織化”とも言うべき理論だ。この“自己組織化”は、何とエントロピーを減少させることが可能というのだ。第二法則の全く逆方向のことが、実は自然界の中で起っており、私たちの生命や、地球を再生させる(Regenerative)原動力となっていた。今回のSSPCでは、このことを取上げ、SDGsへの取り組みの加速に寄与させていきたいと考えている。
エントロピーとSDGs~第11回SDGs超実践者委員会〔SSPC〕月例会&ミートアップ(2020年10月23日)※オンラインも同時開催
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