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忘れない努力

縁あって住む場所も役割も変えて生きていると、この日本という国は、どこもかしこも良いもわるいも関心ごとだらけ。自分のことなんか放っとくしかないほど、駆けずり回りたくなる。「好きだなぁ、そういうの」という魅力や「なんだそりゃ、ふざけんな」というサイコなもので溢れかえっている。


ここ数ヶ月、東北(山形県)に滞在している。他県に比べて東日本大震災後の話題がより身近になる。災害後、あらゆる分野で定点観測をしている人たちがニュースで取り上げられ、日常の中へ日々飛び込んでくる。


そこにいなければ、関心を寄せていなければ、思い出すことはなくなる。


阪神淡路大震災(25年目)
東日本大震災(9年目)
九州北部豪雨(3年目)
熊本地震(4/14で4年目)
西日本豪雨災害(1年8ヶ月目)
東京大空襲(75年目)、第五福竜丸(66年目)
コロナウイルス(0年目)
......etc。


どこにいようが、何をしていようが、歴史に責任を持つこと。んーでもなぁ、今のことで精一杯の(そう思わせる教育の恩恵を受けた)人たちには響かないかなぁ。それでも......


「忘れるな、忘れない努力を続けなさい」


民俗学、文化人類学といった人類のroutesに興味を持つこと(いや、それはそもそもぼくらの血に溶け込んでいるもの)が、ぼくらが生き残る唯一の手がかり。


『東京大空襲から75年、知られざる「史上最悪の空爆」 生存者が語る』CNN2020/3/9
https://www.cnn.co.jp/world/35150514.html


以前、80になる父の運転を買って出ていたとき、東京の町を車で走りながら「ここはこうで、あそこはああだった」と、戦後間もない頃の話をよく聞いた。それでもまだまだ知らないニッポンの今と昔。


『大震災と子ども 心の傷癒やす支援を息長く』朝日新聞社説2020/3/30
https://www.asahi.com/articles/DA3S14421573.html

9年経ってようやくまとめられはじめた子どもたちのためのケア。活かされてほしい。


↓ 『被災地で起きたDVや「性被害」はなぜ伝えられなかったのか…阪神・淡路大震災25年、根深い理由』
https://maidonanews.jp/article/13028875?page=1

決してメディアが取り上げられない本当の話。東日本大震災、西日本豪雨災害の地でも耳にした。


↓『熊本地震の災害住宅完成』日経新聞2020/3/31
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57465180R30C20A3000000/

自治体は最善を尽くしてことに当たっている。住民の声を反映していないとしても、完成してしまえば、任務完了。そんな話も本当の話。


↓ 『第五福竜丸展示館 五輪パラ期間中、2カ月休館 関係者「残念」』静岡新聞2020/2/25
https://www.at-s.com/news/article/topics/shizuoka/740473.html

「臭いものに蓋」
いろはカルタの中でも、子ども心に耳障りのいい気になる言葉でした。それを許しちゃダメだってことを、遊びの中で知りました。


✳︎写真
『明日の神話』(1969年)岡本太郎
-渋谷駅のコンコースに設置された〈5m×30m〉の壁画
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水爆実験に巻き込まれた第五福竜丸が題材
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「原爆が爆発し世界は混乱するが、人間はその災いと運命を乗り越え、未来を切り開いて行く―といった気持ちを表現した」岡本太郎
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「焼かれる骸骨は口を大きく開けて笑っており、人間の誇りとしての怒りを爆発させている姿である」岡本敏子


岡本太郎さんを目の前にすると、ぼんやり留まっている自分にハッとすることがある。わざわざ訪ねることもあれば、ふらっと寄ってみることもある。心身ともにぐったりしていると、留まっていられないなんてこともある。

懐の深さに甘えることも、その厳しさに突き放されることも......きっとぼくが、何かを忘れそうになった時、岡本太郎さんはやってくる。