2. 詩人と本気で恋をした
ブレイディみかこ×ヤマザキマリ「パンク母ちゃん」第2回
60万部を超えるヒットとなった『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の文庫化を記念して、ブレイディみかこさんとヤマザキマリさんの対談の第2回をお届けします。
第1回(「1. パンクな母ちゃんとクレバーな息子たち」)では、「長い海外生活」「外国人男性との間に生まれたひとり息子」「パンクにはまった青春時代」など、次々とふたりの共通点が明らかになりました。
続く第2回では、そんなパンクな母ちゃんたちが、まだ何者でもなかった頃の話――極貧の海外生活、異国で恋をした相手の”職業”、凄絶な出産体験……。ボロボロになってもタダでは転ばない、タフなふたりの処世術とは!?(編集・構成:「考える人」編集部)
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詩人はダメ、絶対
ブレイディ イタリアで出産した時は不安でした?
ヤマザキ それは、それは。父親となる当時の彼氏とフィレンツェで17歳で出会ってから11年同棲していたんですが、経済生産性は皆無だし、生き延びるために商売を始めても借金がかさむだけで。そんなときに妊娠が発覚しました。正直、精神的にも経済的にも学業的にもとにかく厳しい時期だったので、産もうかどうかかなり迷ったのですよ。11年も一緒に暮らしていた人との子どもの妊娠が何で今なのかな? 何か意味があるのかな? と考え込んだ。彼氏も喜ぶより考え込んでいました。でも、私の運命というのは、私の意志以外のところで動いている、私の人生はずっとそれで進んできたので、もしかしたらこの妊娠もそういうことなのかもと。散々悩んで出産を決めました。
ブレイディ その人は何の仕事をしていたんですか?
ヤマザキ 詩人ですよ、詩人。
ブレイディ うわー! 何でそんなまた苦労しそうな相手を。詩人はダメ、絶対ダメ。
ヤマザキ 詩人は世界で最もヤバい職業。そもそも職業と言えるのだろうか。
ブレイディ 実は、私も詩人に引っかかったことがある(笑)
ヤマザキ まじですか⁉
ブレイディ 今は、なんであんなのに引っかかったのかと思うんだけど。
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