柴崎友香と滝口悠生が八戸で語った「街」と「小説」(No. 857)
考える人 メールマガジン
2020年3月19日号(No. 857)
アイオワでの体験を、八戸で語り合う。
柴崎友香×滝口悠生「作家が街に滞在するということ」
「本のまち」を標榜する青森県八戸市にある話題の書店「八戸ブックセンター」で行われた、柴崎友香さん×滝口悠生さんのトークイベントの模様を3日連続掲載!
柴崎さんと滝口さんがそれぞれ2016年と2018年に参加した、アイオワ大学が主催するIWP(International Writing Program)をテーマに、展示を通じて八戸での作家のレジデンスプログラムの可能性を探るという興味深い試みです。
人気連載「カラスの悪だくみ」が単行本に!
松原始さん『カラスは飼えるか』サイン本プレゼント!
「考える人」で連載していた松原始さん「カラスの悪だくみ」が、『カラスは飼えるか』と改題して、3月23日に発売されることになりました!
鷹の速さやフクロウの平たい顔の秘密、恐竜との関係や天候不順にどう対応しているかなど、身近な鳥の秘密に迫りつつ、案外とヘタレで弱気なのに悪賢いと思われがちなカラスのことを、あますところなく「カラス先生」が伝えます。カラスって、やっぱりおもしろい! カラス好き、鳥好きに贈る、愉快な一冊。〈巻末にカラス情報付き〉。
刊行を記念して、松原始さんのサイン入り『カラスは飼えるか』を抽選で3名様にプレゼント。締め切りは4/10(金)23:59!
アクセスランキング
■第1位 千葉雅也×保坂和志「響きあう小説」
第1回 小説を書くのに、説明は要らない
哲学者・千葉雅也の初の小説『デッドライン』を、作家・保坂和志はどう読んだのか。小説を書くということ、言葉を扱うことの危うさ、そして言葉と身体について切り結ぶ対談が大好評です!
■第2位 村井理子「村井さんちの生活」
突然の入院騒ぎ その1―Confidence is silent.―
2年前、心臓の手術を受けた経緯を淡々とかつユーモラスに綴った村井理子さんのエッセイ。この回に登場する〈奥ゆかしい尿量も納得の紳士〉ことカズオさんと久々の再会との村井さんのツイートによってランク急浮上!
■第3位 ブレイディみかこ×金原瑞人「他人の靴」で常識を飛び越えろ!
第2回 「他人の靴」を履くために
大ベストセラー『ぼくイエ』著者のブレイディみかこさんが、テレビ番組「世界一受けたい授業」や朝日新聞「フロントランナー」に相次いで紹介された影響で、こちらの記事も読まれました。多様性のある世界を理解するにはまず「他人の靴を履く」ことから!?
最新記事一覧
■大高郁子「考える猫のその日暮らし」(3/16)
再会
大高郁子さんと愛猫スミチの日々を綴る4コママンガ。大高さんが一カ月ぶりの帰宅、「ただいまー!」と声をかけたときのスミチの反応は?
■「安田菜津紀の写真日記」(3/18)
自分の「加害性」と向き合うとき
東日本大震災の取材を続けているフォトジャーナリストの安田菜津紀さん。取材者として《自分の「加害性」と向き合う》ことが大切とは、どういうことでしょうか。
■吉川トリコ「おんなのじかん」(3/18)
13.不謹慎なんて言わないで
笑いって生活に必要ですが、はたしてどこまで「笑って」いいものか? 老いは? 障害は? 不妊は? 人の死は?
■若菜晃子「おかしなまち、おかしなたび 続・地元菓子」(3/19)
素焼きの型で作る、華やかな花もち
その土地で長く愛されている「地元菓子」を探す旅、今回の舞台は島根県・松江。なんと松江のひなまつりは4月3日で、ひな菓子に「花もち」というものがあるそう。しかも素焼きの型も売られていて、さまざまな形があるのだとか。
編集長のお気に入り
◎FINAL SPANK HAPPY「mint exorcist」
昨年10月に出たアルバムなので、今さらなのですが、菊池成孔さんのポップ・ミュージックグループ・プロジェクト「SPANK HAPPY」を再始動させたFINAL SPANK HAPPYのアルバムを聞きました。
SPANK HAPPYの第1期は1992年にハラミドリのボーカル、キーボード河野伸で結成されたもの。これにはそこまではまらなかったのですが、1999年、岩澤瞳をボーカルにし、デュエットチームとして活動再開した第2期には、その輝きと危うさに、かなり影響を受けました。早い段階で特集が組まれた雑誌「クイックジャパン」を読み返し、菊池さんの不安神経症、フロイド主義者の側面が色濃く出たシングル「普通の恋/フロイドと夜桜」(菊池成孔feat.岩澤瞳名義、2004年)を何度も聞きました。
菊池さんの著作もいろいろ読みましたが、振り返ってみると、『スペインの宇宙食』が刊行されたのが2003年、『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール』が刊行されたのが2004年で、私が大好きだったピチカート・ファイブが2001年に解散し、ぽっかり空いた穴を、菊池さんの仕事に埋めてもらっていたのがよくわかります。小西さんと菊池さんはお互いに比較されるのをあまり喜んでいないようですが、渋谷系っぽいということより、享楽主義とその裏にある不安、死への欲動とその病み方が、かなり近いように感じました。
そこから久々の「SPANK HAPPY」の復活(2018)、菊池さんがプロデュースしていた小田朋美さんとのデュエットチームが第3期となる(正式には、BOSS THE NKとODという設定)と聞き、楽しみだと思いつつ、なかなか手を伸ばさなかったのは、第2期の印象があまりに強かったのと、49歳になった自分がまだ「SPANK HAPPY」のような音楽を好きになれるかどうか不安だったからでしょうか。
結果的には、自分はこのアルバムが大好きでした。エレガンスで壊れやすそうなポップ・ミュージックの世界は今でもなんとも新しく、しかも同時に懐かしく感じます。「宇宙人」と「外国人」の両義を満たせた「エイリアンセックスフレンド」から「tO→Kio」(トーキオ)の流れは、まさに30代の自分を勇気づけてくれた「SPANK HAPPY」の音楽そのものです。
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