#46 GATA-Plus+67「学習デザインと教師の役割」に参加して
新潟大学附属新潟小学校では、校内研究をzoomで公開し、県内外問わずいろいろな先生と語り合う「ガタケン」という取り組みをされています。
先日10月10日GATA-Plus+67「学習デザインと教師の役割」にZoomで参加してきました。
前回もとても楽しかったので、今回も自分の感じたことを紹介したいと思います。
↓ 前回の感想はこちらです。
GATA-Plus+67(2024.10.10)
まず、今年度の附属新潟小学校の校内研究テーマは
「『独創力』を発揮する子ども」というものです。
はじめにこの「独創力」についての定義が紹介されました。
この言葉だけでもいろいろなことが考えられそうな、とても興味深いテーマだなと思いました。
このテーマに近づくために、どのようなアプローチができるか、附属新潟小に参加したつもりになって考えていくと、自分の思考の整理にもなり面白かったです。(頭の中で勝手に参加しています。附属新潟小の先生方すみません)
先生方がテーマや授業実践について提案したり、話あったりされているのを聞きながら、自分が気になってメモした言葉は次の9つです。
①子どもの素朴概念
②子どもの文脈
③日常
④材
⑤学習材
⑥試行錯誤
⑦没頭
⑧夢中
⑨独創力
普段、私が大切にしているキーワードも多かったです。
これらの言葉は全て関連しているのと思っているので、自分の考えも交えながら整理してみようと思います。(以下①~⑨のキーワードに関連しそうなものを太字にしています↓)
・まず、話を聴きながら感じたのが附属新潟小学校の先生方が今回注目されているのは「日常の中にある学び」なのかなと思いました。
・研究主任の先生も話されていましたが、従来の学校で教えてきた学びは「教科の都合、大人の都合で切り取られた学び」であり、そうではない日常の生活の中にある「教科書に載っていないけど面白い学び」にもっと注目していこうとされているのだと思いました。
・私たち大人は、つい固定観念や社会常識で、ものごとを「決まった見方」でとらえてしまいがちですが、子どもの素朴なものの見方の方が、実は本質的な学びに迫っているということが多いのだと思います。
・つまり「大人の決まりきった見方」「教師の決められた指導」を一度取っ払って、子どもが見ている視点や、感じ方に乗っかってみようということなのだと思いました。
・そのために、「子どもに提示する学習材のとらえ方を変えていく必要がある」という趣旨のお話をされていました。
・教師が「材」の一部だけを切り取り、あれこれ手を加えて「学習材」にしすぎてしまうと、教師の「意図」が強くなってしまいます。
・もっとありのままの「材」の状態で子どもに提示すること、もっと子どもの生活の文脈に乗っかっている「材」を扱っていくことを意識されていると感じました。
・附属新潟小の先生が紹介していた日常にある材(子どもの文脈に乗っている材)にとして今回は「お金」(算数)や「通学路」(社会科)や「生活音」(音楽)などを紹介してくださいました。
・おそらく子どもが自分の文脈、自分の感覚で材と関わる時は没頭感や夢中な状態が生まれやすいのだと思います。
・また、いかに子どもにとって自然な学習環境を設定していくかも重要だという話もされていました。
おそらくこのような内容だったと思います。(違っていたらすみません…)
この話を聴いて、自分の中で「これから考えていきたいこと」「研究していきたいこと」がいくつか出てきました。(ここからは私の中で思ったことのメモになります。以下太字は私がこれから授業で意識していきたいことです。)
・「材そのものを提示するか」、「教師がその材に対してどこまで意図を込めて提示するか」この二つのバランス感が大切なような気がしました。
・また子どもにとって「自然な学習状況」を設定するだけでなく、「子どものもつ背景」を受け止め、「子どもの自然な姿」をいかに引き出すかということも大切な教師の役割だなと感じました。
・できるだけありのままの状態の「材」を授業で扱っていくために
例えば「その辺に落ちている葉っぱ」を見て「子どもがつぶやいたこと」からでも、「学び」をつくりだしたり、価値づけたりする力を磨いていきたいと思いました。
・他にも「独創力」を育てるために、自分そして子どもたちに必要なこととして
○日常にある、何気ないものの中にある「面白い学び」を見つける力
○気づいたことを一般化し、他の事象にも生かせるような決まりを見つけていく力(別のものの考え方にスライドしていく応用力)
○異なる種類の事象や考え方を組み合わせることで、新しい価値観や決まりをつくりだす力
この辺りを普段から意識していくことで「独創力」に近づけるような気がしました。
・また「独創力」をもった子どもとは、どんな子どもなのだろうということも考えてみました。
・今回、日常生活の中にある「材」として、「お金」「通学路」「生活音」などが紹介されましたが、
こういった「材」に対して「決まり」を見出したり、
「自分たちの文脈の中にあるもの」を組み合わせたりする子なのかなと思いました。
・(今この文章を書きながら適当に考えていますが…)例えば私の目の前にある「鉛筆」と先程紹介された「生活音」という「材」を組み合わせ、「字を書くと、その筆跡によってメロディーを自動生成するAI鉛筆」みたいなものであれば今の技術でも作れそうな気がしました。
・「そのAI鉛筆使って、いろんな詩人の詩や俳句などを書いてみることで、メロディーにどんな違いが出てくるかを調べたい」みたいなことを考える子が出てきたりしたら面白いかななど考えてみました。(かなり私の空想も入って話がずれている気もしますが…)
・こういう子どもが、附属新潟小学校の目指している「『独創力』を発揮する子どもの姿」なのかは分かりませんが、世の中にある決まりきった見方を壊して「新しい楽しみ方」を自分でつくっていける子を育てていくことは大切だなと感じました。
自分のとらえ方があっているか、あっていないかは別として、今回この附属新潟小学校のGATA-Plus+67に参加して自分の中で「いろいろなことを考えるきっかけ」をいただけたような気がします。
研究会などで「面白い言葉」と出会った時は頭の中で、自分の理論を作ってみます。
このつくった理論を、自分の実践のいろんなパターンで試していくと、「しっくりくるもの」や、「ちょっと違うもの」などが出てきます。
それをまた修正したり、場合分けをしたりしながら理論を整理していくのが面白いです。
いつも答えが、はっきり分かるわけではないですが「こういう法則があるんじゃないか」「こう考えると新しい授業ができるんじゃないか」と考える続ける過程が楽しいと思っています。
今回もいろんな刺激をいただけた学習会でした。
いつも楽しい学びを提案していただきありがたいです。
また参加してみようと思います。