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#37...企業の脱炭素化への道:ゼロからの挑戦(1/52)

なぜ脱炭素化が企業にとって避けられないのか

気候変動がもたらす影響は、私たちのビジネス環境を根本的に揺さぶっています。ますます厳しくなる規制や、顧客の環境意識の高まり。こうした状況で、企業にとっての「脱炭素化」はもはや選択肢ではなく、生き残りのための必須条件となりつつあります。しかし、多くの企業が「何から始めればいいのか?」という問いに直面し、動き出せずにいるのも現実です。特に中小企業や、まだ脱炭素に関しての計画が進んでいない企業にとって、その第一歩は非常にハードルが高く感じられることでしょう。

私たちの企業もその一つです。業績を伸ばすことやコスト削減に注力してきたため、環境対策には遅れを取ってしまっていました。しかし、このままでは次世代に負の遺産を残してしまうかもしれませんし、ビジネスの継続性すら危ぶまれる可能性があります。ゼロからの挑戦ですが、今こそ脱炭素化に取り組む時です。

なぜ「今」動けないのか?

脱炭素化に向けた課題は山積みです。最初に直面するのが、どこから手を付ければ良いのかという問題。環境対策について漠然とした目標は持っているものの、具体的に何を、どのように実行すれば良いのかが見えない企業は多いでしょう。特にCO2排出量の正確な把握は、その道のりの中でも初期の大きな障壁です。製造プロセスやオフィスでの消費エネルギーなど、どこでどれだけ排出しているのかが分からないと、改善のしようもありません。

さらに、コスト面の問題も大きなストッパーとなっています。再生可能エネルギーの導入や設備の更新、環境に優しい素材を使うなど、どれも一見してコストがかかりそうなイメージが先行します。予算の限られた企業にとっては、今すぐ実行するには無理があるのではないか、と感じるのも無理はありません。

また、企業の成長や利益追求を重視する経営層にとって、脱炭素化が「コスト以上の価値をもたらす」という確信を持つのは難しいものです。社内で脱炭素の必要性を訴えても、経営層や従業員の理解を得られない、というケースもよく耳にします。

これらの課題に直面していると、「環境のために何かしなければ」とは思っていても、結局具体的なアクションを取れないまま、時間が過ぎてしまうのです。

第一歩を踏み出すために

では、実際にどのように動き出せば良いのでしょうか。まずは、企業の排出量を「見える化」することがスタートラインです。脱炭素化の取り組みが進まない理由の一つは、自社がどれだけCO2を排出しているのか把握できていないからです。意外と手軽にできる方法もあります。例えば、エネルギー使用量や原材料のサプライチェーンでのCO2排出量をざっくり計算してみるだけでも、目に見える数値として実感が湧きます。

その上で、社内の意識改革も必要です。脱炭素化は全社的な取り組みであるべきですが、最初からすべての部署が積極的に動くことは難しいでしょう。まずは小さな一歩から始めることが大切です。例えば、オフィスの照明や空調の省エネ対策、ペーパーレス化など、すぐに実行可能な範囲でスタートすることで、徐々に意識を高めていくことができます。

次に、社外の協力を得ることも考えましょう。エネルギー消費の見直しや排出量削減に特化したコンサルタントを活用するのも一つの方法です。外部の専門家を頼ることで、自社では気づかないポイントや効率化の余地を発見できることがあります。特に、まだ自社内に専門知識がない場合、プロフェッショナルの知見は大いに役立ちます。

ゼロからでも一歩ずつ進む

脱炭素化の道は決して簡単ではありませんが、何よりも大切なのは「今、動き出すこと」です。ゼロからの挑戦であっても、まずは自社の現状を見つめ、できることから一つずつ取り組んでいくことが、カーボンニュートラルへの道を開く鍵となります。少しずつでも改善が見えることで、社内の意識や行動も徐々に変わっていくでしょう。

次回の記事では、具体的な排出量の算出方法や、脱炭素化のためのデータ活用についてさらに深堀りしていきます。今後の取り組みを進める上で、どのように数字を扱い、どう改善していけるのか、そのヒントをお伝えします。

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