読書要約
【童話で分かるプロジェクトマネジメント】
著者:飯田剛弘
ファロージャパン(株)シニアマーケティングマネージャー、、マーケティングポータルサイト「ビジネスファイターズ」運営
【要約】
プロジェクトマネジメントをやる方で「いきなりPMBOKでは難しい」と感じている方に子供のころから親しみのある童話を通じて、
プロジェクトマネジメントの基本の考え方を分かりやすく解説する本です。
これからプロジェクトマネジメントにかかわる「最初の一歩」として、チームで仕事をする人であれば本書は役に立つでしょう。
第一章 ~3匹の子ぶた~【プロジェクトを成功に導く「段取り」】
・「とにかく始めよう」は失敗につながる
計画を立てられないのは、失敗する計画を立てているのと同じ
段階的にステップを踏みながら詳しく明確にしていくことは、プロジェクトをうまく進めるうえで重要な作業になる
・ステークホルダーの期待を確認する
ステークホルダー分類マトリクスを用いて、ステークホルダーを分類して対応の仕方を変えていく
ステークホルダーに相談し、要求事項を聞き取り、取り纏めて、具体化・詳細化して、要求事項文書として記録に残す
・木の前に森を見る
プロジェクトの進路と目的地を見失わないために航海図が必要になる。多様な視点からプロジェクトの全貌を明らかにしていく。
検討する分野:統合、スコープ、時間、コスト、品質、人的資源、コミュニケーション、リスク、調達、ステークホルダー
・キックオフMTGでプロジェクトを始動する
プロジェクトにかかわる全員が方向性や、基本的な決まり事を共有し、共通認識を持つこと。
プロジェクト検証内容
・プロジェクトの目的や投資効果
・測定可能な目標及び成功基準
・プロジェクトの関係者からの要求事項
・この時点で明らかなリスクや制限条件、前提条件
・大まかなスケジュールと概算見積もり
・プロジェクト関係者、ステークホルダーの情報
・プロジェクトマネージャーの氏名、責任と権限
・プロジェクトを最終承認する責任者の氏名
・何のためにやるのかはっきりさせる
明確化させるための質問
・何のために、なぜ今、何をもって、プロジェクトはを行い、成功するのか
・最優先事項は何か(時間、コスト、品質など)
・手順や方法が明らかにされているか
・プロジェクトの進め方や概要を記録しようとしているのか
・やるべきことを洗い出す
スコープを細分化して、WBSを作成する。
作業を洗い出し、スケジュールやコストが見積れるレベルまで作業を細かく分解する。
・みんなの役割を分担する
WBSを作成後、今いるメンバーで全ての作業が実行できるかどうか確認をする。
その際に作業を複数人で行っても責任者は一人になるように役割分担表を作り、もし足りないようなら新メンバー候補者の部署に交渉に行く。
・各作業にかかる時間を予測する
作業量(1人で作業した場合終えるのに必要な時間)と所要時間(カレンダー的にいつ終わらせることができるか)を考える
所要時間を見積もるためには可変作業時間(人数や道具の違いで必要時間が変わるもの)と固定時間(人数や道具で作業時間が変わらないもの)を考慮する
・相手を待たせない仕事の流れや関係を見つける
前の作業に戻ったり、人を待たせないために守らなければならない順序や作業の進め方がある。
ネットワーク図を使い、計画した作業を予定通り実行できるかシミュレーションし作業の抜け漏れをなくす
プロジェクトの全体像が分かり、前後で何をしているのか把握することができる
・絶対に遅れてはいけない作業を把握する
終わるまでに最も時間がかかる経路をクリティカルパスという。所要時間の合計が最も長いもの。
クリティカルパス上にある作業が遅れるとプロジェクト全体の作業が遅れる
クリティカルパス上にあるタスクやアクテビティに遅れがないようにしっかりとモニターしなければならない
それ以外の経路にある作業者の余裕がどれくらいあるかを確認することによって、いざというときに余裕の作業担当者に依頼ができる。
・みんなでスケジュールを作る
ガントチャートを作り、作業の流れや、開始日・終了日、進捗状況などを把握する。
現実的なスケジュールを立てるためには、投入する資源(人的、金銭的、物的)によりスケジュールが決まる。
・個人にかかる負担をみんなで調整する
特定のメンバーに負担が掛かり、負荷率が100%を超えた状態が続くと、チームとして機能しなくなる。
負荷率が高いメンバーがいる場合はチーム内で助け合い、負荷率の低いメンバーに代わってもらうとか作業時間をずらすなどして個人の負担を減らし、チームとして乗り切る必要がある
・みんなでリスクに気を配る
計画と実態はよくずれが起き、期待と現状にもギャップがあります。このずれやギャップがリスクです。
リスクマネジメントは計画時だけでは不十分で定期的にリスクを確認し、対応や対策を検討する必要がある。
もし困った状態になってもすぐに対応できるように事前の対策を練ることは大事
リスク管理
①チーム全員でプロジェクトの目標や計画を確認し、リスクを洗い出す(プレーンストーミング、ノミナル・グループ、デルファイ法)
②リスクの発生確率と発生時の影響度で定性的にリスクを分析し対応する優先度を決める
③具体的な対応策を計画する(回避・転嫁・軽減・受容)
・優先順位を考えてスケジュールを短縮する
納期を守るためのスケジュールの短縮には常に手直しやコスト増加などのリスクが伴うため注意が必要。
短縮方法
①プロジェクトの成果物を減らす
②作業時間自体を短くする
並行して作業を進めるor資源(人やお金)を投資して所要時間を短くする
・助け合うとプロジェクトの失敗を減らせる
一人で完結しない仕事をうまく進めるコツは、常にチームを意識すること
それぞれの専門性や長所を活かしながら問題を解決していきましょう。
第二章 ~ウサギとカメ~【みんなが同じ方向を向ける「ゴールの設定術」】
・みんなが分かるようにゴールを設定する
SMARTの法則に従うことで、プロジェクトで達成したいことが分かりやすく表現でき、全員が共通意識を持てるようになる
目標を設定する際は5W1Hを意識するとより実践的になり、特に何を達成するのか、いつまでに行うのか意識して簡単な動詞で表現する。
・プロジェクトに必要な情報を見極める
自分が持っている情報が最新で正しいもの、使えるものなのか確認する。
どんな情報が入手できていないか、何が分かっていないか把握し、希望や思い込みを含む家庭と事実は違うことをきちんと認識すること。
完全な計画を立てることはできないが、計画を練ることで、プロジェクトの大枠を理解し、グレーゾーンを減らし、プロジェクトを成功に導くことができる
リスクを早い段階で見つけ、変化に素早く対応するためにすでに持っている情報や知識の評価分析を行う
・やらないことを決めると進む道が見えてくる
やらないことを「具体的に決める」ことが大事。
やらないことを決めることで優先してやることが明確になる。
やらないことが目標達成にどう影響してくるかは同時に考えなければならない。
・前提と制約条件はプロジェクトに大きく影響する
仮定こそが前提であり、個と仮定と異なる実際のことをリスクという。
プロジェクトの企画や計画を立てるうえで設定した前提条件こそが、プロジェクトに内在するリスクともいえる。
計画を立てる際には、前提条件の特定、文書化、妥協性を頻繁かつ繰り返し確認することが重要です。
そして制約条件(守らないといけなルール)の根拠を確認することも重要になってくる(〇〇はなぜ〇〇なのか)
・誰が、いつ、どのように情報をやり取りするのか決める
話し手と聞き手の立場や状況が違うからお互いが100%わかり合えることは難しい。
多くのプロジェクトメンバーと効率的にかつ確実にコミュニケーションが取れるように計画することが大事。
「だれが、いつ、どのような情報を必要としてるのか」を確認して、「だれが、いつ、どのようにその情報を伝えるのか」まで決定する。
・まず見るべきは相手ではなくゴール
実行されない原因は、人よりも目標設定を含めたプロジェクトの進め方やシステムにある
第三章 ~桃太郎~【チームで目的を達成する「仲間術」】
・やったことがない不安から連帯感が生まれる
まずはプロジェクトマネージャーがプロジェクト関係者一人一人に声をかけていく
メンバーの思いを聞きつつ、プロジェクトマネージャーが懸念や不安を素直に語ることが大事です。
「不安なのは一人だけじゃない」と共有することである種の連帯感が生まれます。信頼関係構築のためにも本音で語ることは大事です。
そして自分一人でやろうとしないこと、プロジェクトマネージャーが協力を求めることが成功につながっていく。
・強い思いが「やる気」を生み出しプロジェクトの成功に導く
自分で決めて実行し、達成感を得られる環境、また成長や貢献できたと感じられる環境を作ることは重要です。
またプロジェクトメンバーが何に期待するのか、内面を意識した傾聴し、メンバーの価値観を見つけていく。
メンバーのやるべきことがプロジェクトの達成にどう関係するのか、個人がどのように成長するのか話し合うことも重要です。
・「きびだんご」でチームのやる気スイッチを入れる
外部からの働き掛けによる動機付け(外発的動機付け)をうまく活用する(報酬や評価、強制や懲罰)
外発的動機付けはすぐに効果が表れるが、効果は一時的です。時間がたつにつれ効果は薄れていきます。
再動機付けするには多くの刺激やコストが必要なになり、刺激の与え方やタイミングなどが重要になる。
・権限を持たないリーダーが影響力を発揮し、チームから協力を引き出す。
人を動かすために意識すべき6つの法則
①味方になると考える :相手のことを悪く思わず仲間になると考える
②目標を名確認する :相手からどんな協力を得たいかという目標に注力する
③相手の世界を理解する:相手の考え方や味方、価値観を理解する
④カレンシーを見つける:相手にとって価値のあるものを考え、日ごろから相手に渡す(期限や、報告など)
⑤関係に配慮する :相手に合わせてたコミュニケーションを意識する
⑥目的を見失わない :最終的のプロジェクトの成功を忘れない
継続的な協力を得るためには目標達成時のお祝い、感謝の気持ち、フィードバックを返すなど、密なコミュニケーションが大事です。
・メンバーの得意分野や適性、希望に合った役割を与え合う
役割分担は作業を分割するのではなく、担当者みんなができることをやって持ち合って助け合って完遂するイメージです。
責任者や権限をはっきりさせて、役割分担することで当事者意識を持ち作業することができる。
その際に説明責任者はその作業を通して得られることを示してあげるとよい。
・コミュニケーションの時間を作り、共通意識を持つ
定例会で意識したいポイント
①原則全員参加
②会議の目的、アジェンダ、期待する成果を会議前に明確にする
③終了時間厳守、早く終われば即終了することを明確にする
④お互いに報告し合い、やる気のリズムを作る
⑤前回の会議で話した進捗と課題を報告する
⑥「自分ごと化」を意識して助言し助け合うこと。
⑦だれがいつまでに何をやるのか明確にする
⑧議事録をすぐに共有する
・やるべきことに含めてはいけないNGワード
必要な作業の洗い出しをする際に具体て粋な行動の計画を立てて、あいまいな表現を避ける。
行動があいまいな表現(確認する、話し合う、定着化する、評価する)
行動ではなく頭で考える表現(検討する、考える、意識する、頑張る)
程度があいまいな表現(具体的に、しっかり、なるべく、できるだけ)
・現場の状況を吸い上げ、情報共有する計画を立てる
プロジェクト関係者が増えるほどコミュニケーションは難しくなる。そのために誰がコミュニケーションにおいて何を求めているのか、何を必要としているのかを理解し、そのニーズを満たすことは大事です。
「誰が」「誰に対して」「どのような情報を」「どのような手段や方法」で伝えあうかを事前に決めておく
ミスコミュニケーションは送り手の伝えたつもり、受け手の分かったつもりが原因のことが多いです。
送り手は相手に端的にわかりやすく、「なぜ何の目的で」を伝えてあげることが大事です。
受け手は理解しようと努めること、理解したことを確認することも大事です。
・積極的に聴き、意見の対立を解消する
コンフリクト(意見の対立)はプロジェクトに対してプラスにもマイナスにもなるため、きちんと向き合うべき。
最も望ましいのは「対立・対峙」ですが、他にも「強制」「鎮静」「妥協」「撤退」がある。
第四章 ~ヘンゼルとグレーテル~【段取りよくプランニングし、困ったときに対応できる「リスク管理術」】
・同じ方向を向いていないと失敗に向かう
リスクを生み出す要因の一つがステークホルダーです。プロジェクトのあらゆる点で共通認識を持つようにしましょう。
重要なステークホルダーと共通の目標を持っていないと、プロジェクトが成立しなくなり失敗に終わる
・事前に対策を練る
ブレーンストーミングやステークホルダーへの相談、チェックリストの活用など様々な方法でリスクを洗い出し、リスク登録簿と呼ばれるものを作成する
その後リスクに対して対応計画を立てるかどうかの判断のためにマトリクスを用いてリスク対応の緊急性を検討します。
そしてリスクに備えて、あらかじめ緊急対応時計画であるコンティンジェンシー・プラン(不測の事態が発生した対応について事前にまとめた計画書)を作成する。
コンティンジェンシー・プランにはどのタイミングでや状況でリスク対策をするのかトリガーテンポイントが定義されています・
トリガーポイントは具体的で白黒はっきりしていて二択になっていることが重要です。
作成後も常にこのリスクがいつ起こるのか、発生率は上がったのか、どのくらい悪化したのかをモニターする必要がある。
・やったことを確認する
リスクを再評価し、起きた場合の管理内容や結果から教訓を得たことを記録に残すことが大事です。
リスクは前提が変わった時に新たなリスクが生まれるもので、それに伴い対応策の変更等を常に自問し、継続してリスクを再評価する必要がある。
・変更は失敗の元
プロジェクトマネージャーとして、リスクだけでなく変更にも管理すべき。
変更が起きる場合には多方面に影響を及ぼす場合があるので、プロジェクトの関係者や上司の承認を得てから変更を行うべき。
変更の内容と理由を知らせ、影響の範囲や短期的なのか長期的なのか判断し、チームで対応することが大事です。
・予定通りいかないのが大前提
プロジェクトは進むにつれて最初立てた計画からずれが生じ、予定通りいかなくなります。
その原因は間違った家庭をしたり、知っていることと知らないことを混同するためです。
一度行った作業でも変更が行われていれば、「前回上手くいったから今回もうまくいく」と思い込むと間違った対応をしてしまう。
そうならないために、前提条件の分析、チェックリストの確認など影響の可能性のあるリスクを洗い出すことが大事です。
・「ということは?」で前進する
右も左もわからなくなった場合には、「ということは?」で問い続け、あいまいなことを具体化することでよくなることが多い。
そうすることで初めて具体的な対策や行動に移すことができる。
それに加えて「だから?」「どうやって?」も混ぜながら、未来志向でかつ建設的にトラブルを解決することが大事です。
・問題歓迎の文化を作る
担当者が問題を見つけると問題を見つけた担当者が自分の問題と抱え込んで解決使用することが多い。
それは他のメンバーやリーダーが自分には関係ないと思ってしまい、問題発見者に丸投げすることが多いからです。
そうならないためにチームに報告、問題を一丸となって解決するようにルールやプロセス、体制を作ることが大事です。
・リスクは悪いことだけではない
リスク対策を検討する場合には脅威なら軽減を、チャンスなら活用する方法を考えなければならない。
第五章 ~アリとキリギリス~【進捗を加速させる「情報共有術」】
・相手の基準を意識することが意思疎通の第一歩
プロジェクトを成功させるためにはメンバーだけではなく、顧客や経営層を含めた幅広い関係者と意思疎通を図ることが重要です。
相手とは価値観や考え方が違うため、相手の基準と自分の基準の違いを考えることが第一歩目になる。
意思疎通をうまく図るためには自分の基準を伝え、相手の基準で話を聞いたり考えたりすることが大事です。
・現状を見える可し、進捗を把握する
情報共有をしながらプロジェクトの実績や現状が計画通りに進んでいるのか進捗を管理する必要があります。
その際に使用しやすいのが、ガントチャートによるスケジュール対比です。
またマイルストーンチャートも有効で、マイルストーンを設置し、日付ごとに達成できているか進捗を管理する。
・シミュレーションで問題を浮き彫りにする
進捗会議でチームのスケジュールや見積もりの前提、資源の節約などシミュレーションをすることで新たな矛盾や課題が見えてくる。
それにより、問題や課題が明確になり、具体的な解決策や対策を検討できる。
「いつまでに」「誰が」「何をする」の行動計画を立てることによってプロジェクトの成功率が上がる
・聞くことで本当の進捗が見えてくる
担当者から進捗50%と報告があっても、具体的に何を行ったのか進捗会議で確認することが大事です。
どのように取り組んだか見えてきて、隠れた問題を発見できるだけではなく、今後問題になりそうなことを見つけて早めに対応することが可能になる。
ただし、問いただすというよりは寄り添って話を聞くスタンスが重要です。
参画したばかりのメンバーなら、一緒に何ができていないのかなぜできないのかを見つけていき、初動の手助けをしてあげる。
・すぐに手を打つべきなのかみんなでチェックする
問題を今すぐに手を打つべきか見極める判断基準を事前に設けることが重要になります。
その見極める有効な手段の一つがチェックリストの活用です。
最初の計画であるベースラインと実情を比べどのくらい差異があるの確認する。
対応すべき問題にあ具体的なアクションプランを決め、どのレベルに達したら終わりにするのかも同時に決めていく。
第六章 ~長靴を履いた猫~【メンバーと仲良くなる「信頼構築術」】
・第一印象を良くしてより良い関係を作る
メラビアンの法則:資格情報55%、聴覚情報38%、言語情報7%
自分から話しかけることで第一印象を良くし、今後の関係を円滑にする。
・自己開示でコミュニケーションをスムーズにする
ジョハリの窓:自分が知っているか、他人が知っているかという観点で分類したマトリクス図
フィードバックして解放の窓を広げる
どの窓から見るかで世界が異なって見えることを示している
表裏をなくし、さらけ出すことで相手の心のガードを下げることができる。
聞き手が何を知っていて、何を知らないか把握して話すことでコミュニケーションを円滑に進めることができる
・初対面の人とはお互いの共通点を見つける
共通の話題や共通点が見つかると親近感が沸く。自分に似ている人に好意を持ち始める。
話し方や呼吸を合わせる(ペーシング)、動作や姿勢、表情を合わせる(ミラーリング)、相槌や相手の言葉を繰り返す(バックトラッキング)
チームで仕事をスムーズに行うためにはラポールを気付くことが大事です。
・「ありえるかもしれない」と思うと相手の話を聞けるようになる
相手の話を聞く際は、自分の勝手な思い込みに左右されずに、相手基準で話を聞こうとすることが大事です。
相手の話を「ありえない」「無理」と根拠なく否定すると、そういった言葉や考えが自分の可能性を摘み、相手の話を理解しなくなる。
素直に相手の話を聞こうとすることで、多くの人と柔軟につながり、よりよい関係を構築することができる。
・ギブを何回もする方が人間関係はうまくいく
人間関係は与え続けることでうまくいきます。
ただ与えることは大事ですが、見返りを求めないことが大前提です。
何かをやってあげると決めたのは自分自身で、支援や新設もすべては自分意思でやりたくてやったことです。
見返りを求めてしまうと相手の人格を疑い、人間関係が悪化し本末転倒の未来になってしまいます。
・会えば会うほど好意を持つ
単純接触効果:同じ対象に繰り返し接すると、その対象に対して好感度が高まります。
メンバーがお互いの性格や考え方、などを分かり合い、距離感が縮まることでお互いに助け合いながら進めていくことができる。
お互いの知る機会を増やし、何でも話せる場を作ることはとても大事です。
・約束を果たし相手を喜ばせる
他の人から期待をされていることが明らかであればそれは約束されているのと同じことです。
その期待に応え、約束を守り、責任を果たすことで信頼関係を築けます。
担当者は約束した期限通りにやるべきことを実行する必要があります。
約束を繰り返すことでプロジェクトは成功に向かい、さらには自分の成長にもつながります。
第七章 ~シンデレラ~【ネガティブな状況とうまくかかわって協力を得る「付き合い術」】
・厄介な人を把握してどう付き合うか考える
プロジェクトの立ち上げ時期から、ステークホルダーを洗い出し、どう関わっていくか検討する。
特に非協力的な人、プロジェクトに否定的な人は要注意です。
・理不尽な状況を自分の都合のいいように解釈する
物事がうまくいっている原因、うまくいっていない原因をどうとらえるかによってその後のやる気は変わってくる。
ワイナーのモデル:成功や失敗の原因を「内向か外交か」「自分でコントロールできるか否か」で考え、四つに分類する。
あえて勘違いをしてうまくいかない原因を努力不足とすることで、次回への期待につながり、やる気を出せる。
何か失敗した際もその原因をとらえ方次第でもう少し頑張ろうという気持ちになる。
・めんどくさい人からの不愉快発言をかわす
ステークホルダーのニーズを満たすためには、ステークホルダーの一人一人がプロジェクトの目的に共感し、成功のためにかかわてくれることが大事です。
ただ、プロジェクトに否定的なステークホルダーには抵抗を最低限に抑える対応が重要です。
双方向のコミュニケーションが成り立たない場合にはコンフリクトの解消や積極的軽重が意味をなさない場合もある。
・契約に従い行動していることを確認する
契約内容は納品者だけではなく、購入者も合意した内容を基に実行する必要がある
契約完了監査として計画から完了までの作業や進め方をレビューを行い、それを今後の教訓として文書化することも大切です。