シナリオ「夫のメンタルが弱すぎる件」
心揺さぶるモノカキ屋、兼重日奈子です。
月刊『シナリオ教室9月号』に、「20枚シナリオ習作集」として、
「夫のメンタルが弱すぎる件」という作品を
掲載していただきました。
ありがとうございます!!
*「20枚シナリオ」というのは、シナリオセンター で、毎週出される課題です。毎週毎週、課題に沿って、20枚を書きあげることで、書く基礎力がついていきます。シナリオの筋トレとも言われます。
課題は「姑と嫁」。
人と人との関係性を書いていくシリーズで、「兄弟姉妹」や「親子」といった課題もあり、身内だからこその軋轢や葛藤を描いていきます。
*この画像、インパクト強すぎる件(笑)
ちなみに、本作「夫のメンタルが弱すぎる件」は、
完全フィクションです(笑)。
*ちなみに、我が夫は、メンタル鋼(はがね)です。
あらすじ
『結婚を継続する自信を喪失しました。
今後のことを、風に吹かれながら考えてみます』
とのLINEを残し、家から出て行ってしまった夫、能見康隆。
夫の身を案じ、能見家を訪れる、嫁のまどか。
迎え撃つは、康隆の母であり、姑の能見桜。
人から否定されたり、ガッカリされることを、何よりも恐れる、
メンタル極弱の夫をめぐる、嫁と姑の、おもしろせつない会話劇。
書いてみての気づき
とにかく、書いてて楽しかった!
一般的に「嫁姑問題」は、いがみ合ったり、お互いの悪いところを指摘し合ったり、と、あんまり「良好な関係」は描かれませんよね。
あくまで、個人的な考えですが、
そこは、セオリー通り書くのがよいのかな?と思いました。
だって、仲の良い嫁と姑の話なんて、誰も観たくないですもんね。
仲は良くないけど、「愛される嫁と姑」を書いてみたかった。
なんとなく、いがみ合ってると、どっちかが悪者になってしまいそうで、
そうではなくて、敵対するんだけど、どっちも共感できる、みたいな。
恐らく、「悪者はちゃんと悪者として書かなきゃダメ!」という方もいらっしゃるし、その方が面白くなる場合もあると思うんですが、
そういうのは、これまで、さんざん見てきたので、
新しいキャラクターがつくってみたいな……と。
ただ、場面が変わらず、シーンが一辺倒で、単調になってしまったことや、
もっと双方のキャラクターを、深堀りする必要があるな、と反省。
*誌上でご講評いただきました。ありがとうございました。
これは、もっともっと、面白くなったはず!と思うので、
今後に活かしていきます!
シナリオを書く喜び
シナリオを書き始めてよかったなー、と思うのは、
自由に「フィクション」を書ける、ということ。
これまで自分がいた「ビジネス」の世界は、もちろん「リアル」なので、
自分が実際に経験したこと、取材を重ねて得たことでなければ、
アウトプットすることはありませんでした。
「講師業」とかやってると、
やっぱり、あんまり、汚い言葉はつかえないし、
あまりにひどいエピソードは発表できませんでした。
(「兼重さん、キャラ変わったね」とか言われるのが怖くて、
「キレイなこと」しか発信できなくなったのも、苦しかったなぁ……
いや、そんなキレイな人間じゃないんで)
シナリオは、「いや、ありえんだろ!」というようなことも
好きなだけ書ける。
もう、ひどい人もどんどん出せる。
ひどいセリフもバンバン言わせられるし、
人間の汚いところや、陰の部分をいくらでも書ける、いや、むしろ、そこを書かないとダメですよね。
現実ではできないことを、シナリオの上でどんどん起こせる。
「ピー」とか「×××」とか、何でも言える(いや、言えん)。
今は、ただ、楽しんで書こう。
どうやら、楽しんで書いたものは、それが伝わるようなので!
さぁ、今日も書くぞ書くぞ。
少しだけ、頑張るのが疲れたあなたに。 「ねぎらいの物語」を贈ります。