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最新のコーヒートレンドと、業界予想まとめ
🍊1) 要約(忙しい人はココだけ※1分)
最近すっかりスペシャリティコーヒーにハマっておりまして。コーヒーグッズを一気買いして、毎日欠かさず飲む習慣となっております。
コーヒー市場は今、コールドブリュー(水出しコーヒー)の急成長や家庭用高級マシンの普及など、めまぐるしい進化を遂げています。健康志向ブームを背景に、植物性ミルクやカフェインレスコーヒーもぐんぐん伸びていて、「何を選べばいいの?」と迷う人も多いかもしれません。
そこで今回は、話題のトピックを総ざらいしてみました。たとえば「コールドブリューとニトロコーヒーが若者の心をつかんでいる」とか、「スペシャルティコーヒーで最高級の味わいを追求する動きがさらに加速している」など、大きな変化がいくつも起こっています。
また、最近はロブスタ種の再評価が始まっていて、「安い豆」のイメージが変わりつつあるんです。さらに、サブスクリプションサービスの広まりで、毎月定額で新鮮な豆を届けてもらうスタイルも急増中。こうした流れの背景には「サステナビリティ」に配慮する空気感もあり、フェアトレードや環境への取り組みがさらに注目されています。
今回はその中から注目度の高いトピックをいくつかピックアップして、各テーマのポイントをわかりやすくまとめました。
🍊(1) コールドブリュー&ニトロコーヒー人気の行方
コーヒーといえばホットが常識…と思いきや、近年は「コールドブリュー(水出しコーヒー)」の人気が急上昇しています。市場規模は2024年におよそ5億1920万ドルに達すると予測され、年平均成長率(CAGR)は8.4%と高い伸び。特にアメリカではコーヒー市場の2割がコールドブリューになるともいわれ、若年層や健康志向層が支えているんです。
💡「コールドブリュー」とは、お湯ではなく冷水で長時間かけてコーヒーを抽出する手法です。熱を加えないので、苦みが少なくスッキリした味わいになりやすく、カフェイン量のバランスが独特という特徴があります。
中には更に発展させて氷だしコーヒーなんてのも……。アゴがはずれる美味しさなんだとか。
そして、「ニトロコーヒー」も注目度が高まっています。
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これは窒素ガスを添加してつくられるコーヒーで、泡立ちがクリーミーかつ香りが豊か。ビールのギネスをイメージするとわかりやすいかもしれません。2024年にはコールドブリュー市場全体の約15%を占めるとも言われ、SNS映えするビジュアルと新食感が人気の秘密です。
これらが流行する背景には、「苦みが少ないから飲みやすい」「健康的で味のバリエーションが豊富」などの理由があります。カフェでもコールドブリューを常設メニューに加える店舗が増えており、大手チェーンのスターバックスやブルーボトルも積極展開中。氷を使わずにそのまま飲むスタイルも定番になりました。
今後のポイント
フレーバーの多様化(果物のフレーバーを組み合わせたアレンジ、抹茶やチョコレートとの融合など)
家庭用のコールドブリューメーカーや専用パックの拡充
ニトロコーヒーを自宅で楽しむためのミニボンベや簡易サーバーの登場
いずれにせよ、「冷たいコーヒー=夏限定」という常識が崩れ始めており、オールシーズンで人気が持続する可能性が高いです。SNS世代にとっては映える映像・写真が撮れるのも大きな魅力です。
🍊(2) 「家カフェ」のハイエンド化、家庭用高級マシンの波
コーヒーを家で淹れるシーンも、どんどん進化しています。家庭用コーヒーマシンの市場は2024年の市場規模が102億2000万ドル、2029年には123億1000万ドルに達する見込みとの予測があります。
とりわけヨーロッパではネスプレッソやラバッツァなどのブランドが牽引していて、高級エスプレッソマシンが前年比10%程度増という話も。
💡エスプレッソマシンは、短時間で高圧力をかけて抽出するタイプのコーヒーメーカーです。「ネスプレッソ」はカプセルを使う方式で有名なブランドのひとつ。ボタンを押すだけで濃厚なエスプレッソが再現できます。
日本では「ドリップポッド」や「簡易抽出型マシン」が人気。手間なく本格的な味わいを楽しめるので、「自宅でもカフェのようなクオリティを追求したい!」という需要が高まっています。最近はアプリ連動で抽出プロセスを自動制御したり、AIが粉の粒度やお湯の温度を最適化するハイテクなモデルも登場中です。
実際、世界的にも「AIバリスタ」なるキーワードが注目されており、豆の種類に合わせて抽出条件を変えたり、ユーザーの好みを学習したりするマシンが研究・開発されています。こうした高級マシンは価格も高めですが、ラグジュアリー志向のコーヒーファンを中心に需要が伸びそうです。
今後のポイント
価格帯は高いが、クラウドファンディングやサブスク型で導入しやすくなる可能性
スマホアプリと連携して「今日の体調や天気に合わせた味」を自動選択するようなサービス
大手家電メーカーだけでなくIT企業とのコラボレーションなど
家でコーヒーを楽しむ文化がさらに高度化するかもしれません。カフェイン含有量や抽出プロセスを可視化する機能も登場するかも…と考えるとワクワクですねえ〜。
🍊(3) 植物性ミルク普及とコーヒーの新しい飲み方
「ソイラテ」「アーモンドミルクラテ」など、植物性ミルクを使ったコーヒーメニューは以前からありましたが、ここ数年でさらに一般化しつつあります。世界の植物性ミルク市場は2024年に189億9000万ドル規模、2028年には324億ドルに達する見込み。特にオーツミルクが人気で、市場シェアの45%を占めるのではとの予想も。
💡植物性ミルクとは、牛乳以外の原料から作った“ミルク代替飲料”の総称です。代表的なのは「豆乳(ソイ)」「アーモンドミルク」「オーツミルク(オーツ麦)」「ココナッツミルク」など。
植物性ミルクを選ぶ理由は、乳糖不耐症やアレルギーへの配慮、あるいはビーガン・ベジタリアン志向によるものが中心ですが、最近は「健康に良さそう」「ダイエットに向いていそう」というイメージから選択する人も増えています。イギリスではビーガン人口が急増しており、それに伴ってコーヒーチェーンでも植物性ミルクの追加料金を撤廃する動きが出始めました。
また、オーツミルクは泡立ちが良く、ラテアートとの相性も抜群。牛乳と比べて甘みが控えめなので、コーヒー豆の個性が活きやすいという評価もあります。「ミルク由来の動物性タンパクが苦手」な人だけでなく、「カロリーを抑えたい」「地球環境にやさしい農法を応援したい」という層にもマッチしており、拡大は今後も続くとみられています。
今後のポイント
さまざまな栄養強化型の植物性ミルク(ビタミンDやカルシウムを強化したものなど)の登場
カフェインレスと組み合わせた“ベビーカフェインレスラテ”などのニーズ
「牛乳VS植物性ミルク」の対立ではなく「自分に合った選択肢を選ぶ」というスタイルの広まり
🍊(4) カフェインレスが主役に躍り出る?健康志向の台頭
日本のカフェインレスコーヒー市場は2019年比で1.4倍に成長し、2023年時点で約46億円を突破。レギュラーコーヒータイプとインスタントタイプの両方で需要が高まっており、とくに妊娠・授乳期の女性や健康リスクを気にする中高年層が利用するケースが増えています。
💡「カフェインレス」は、完全にゼロではなくてもカフェイン含有量を大幅にカットしたコーヒーの総称です。欧米では「デカフェ(Decaf)」とも呼ばれ、味の再現性を高めるためさまざまな技術が使われています。
一昔前は「カフェインレス=味気ない」というイメージもありましたが、今では品質が格段に向上していて、通常のコーヒーと区別がつかないレベルのものも多いです。カフェチェーンでも「デカフェが選べる」店が増えており、夜でも安心してコーヒーを楽しみたい方や、睡眠の質を落としたくない方にとって頼もしい選択肢となりました!
さらに、スポーツ選手や筋トレ愛好家が「運動後はカフェインレスでミネラル補給を邪魔しない」など、目的別に使い分ける例も出ています。「朝は普通のコーヒー、夜はデカフェ」みたいな“デュアルスタイル”が広がるかもしれません。
とはいえ、やはりまだまだ普通のコーヒーと比べて違和感を禁じ得ませんが……。Philocoffeaさんの【025 Mexico Chiapas Decaf】がメチャクチャ美味しかったので自信を持ってご紹介しておきます。
フレーバーが完全に『焼き芋🍠』で驚愕しました。焼き芋好きは、ぜひお試しあれ。
今後のポイント
カフェイン除去技術の進歩で、より風味豊かなデカフェが増える
販売チャネルの拡充(コンビニでも当たり前にデカフェが買える時代に)
妊産婦向けをうたった“マタニティコーヒー”商品が増える可能性
🍊(5) スペシャルティコーヒーと精製技術のイノベーション
「スペシャルティコーヒー」市場も上昇曲線を描いています。2030年までに818億ドル規模へ成長するとの予測もあり、特に単一農園産(シングルオリジン)を好むコアなファンが支えているのが特徴。日本国内でもスペシャルティ専門店が前年比15%増加し、高いものでは1杯500円以上の高単価商品が売れています。
💡「スペシャルティコーヒー」とは、品質評価の基準を満たし、トレーサビリティ(生産地や農法が明確)を確保した高品質コーヒーの総称です。香味の豊かさや、欠点豆の少なさなどが評価され、国際品評会でもスコアがつけられます。
さらに話題なのが、「カルチャリングプロセス」や「アナエロビックプロセス(嫌気性発酵)」などの新しい精製方法です。
通常のナチュラル精製やウォッシュド精製とは違い、微生物の働きをコントロールして独特のフレーバーを生み出す技術。これらの豆は通常より20~30%高値で取引され、1kgあたり50ドルを超えることも。国際大会でも「この新精製が驚きの味わい」と高評価を得る事例が増えています。実際、かなり独特な香りを醸し出すのですが、これがたまらない人はやみつきになる一方、嫌いな人は嫌い。好みがハッキリ分かれます。(ちなみに僕はまだちょっと苦手。好みは徐々に変わると思う。)
今後のポイント
生産地や農家とのダイレクトトレードがより進み、“限定ロット”“マイクロロット”への注目度がアップ
カップの値段はさらに上昇する可能性があるが、「唯一無二の体験」にお金を払う顧客層が形成されつつある
日本国内でも“精製ラボ”のような専門施設ができるかも?
香りと味にこだわる人にとっては、ますます楽しみの幅が広がりそうです。「ナチュラル感」「フルーティーな酸味」「チョコレート感」など、風味プロファイルを競い合う時代が本格化しています。
🍊(6) ロブスタ豆を“プレミアム”で楽しむ時代
ロブスタ種といえば、安価で苦みの強いイメージがありますが、ここへきて「ロブスタの再評価」が進行中です。ベトナムなどで大量生産されるロブスタはアラビカ種より耐病性が高く、価格も安価です。しかし最近、一部のブランドやバリスタが「ロブスタをあえてプレミアムに仕上げる」動きを見せています。
とはいえ、ベトナムの2024/25年度生産予測は前年度比25%減少との見方もあり、供給が不安定になる可能性があります。その一方でロブスタへの需要自体は世界的に高まっており、「アラビカ&ロブスタのブレンド」で味わいのバリエーションを増やそうとする動きが加速。大手ブランドのプレミアムブレンドでもロブスタが含まれるケースが増え、前年比15%増という報告もあります。
💡ロブスタ種はカフェイン含有量がアラビカ種より高く、苦みが強いのが特徴です。一般的に安価な即席コーヒーなどに使われるケースが多かったですが、新しい焙煎技術や精製方法で「個性的なフレーバーを引き出せる」と注目され始めています。
今後のポイント
「ロブスタ=安い」というイメージを覆すマーケティング戦略
アジア各国のロースターが中心となり、ユニークな“ロブスタ体験”を提供する可能性
気候変動の影響でアラビカ種が育ちにくくなる地域が出てくる中、ロブスタ需要がさらに拡大するシナリオ
ロブスタを再評価してみると、思わぬ味わいの発見があるかもしれません。ラテやスイーツとの相性も意外と良く、カフェインが強めなので目覚ましにピッタリ、という声も聞かれます。
🍊(7) サブスク拡大:毎月コーヒーが届く便利さと可能性
コーヒーのサブスクリプションサービスも急速に拡大しています。2024年時点で8億ドル規模、2033年には22億ドルを超える成長の見通し。日本国内でも大手チェーンやスペシャルティ専門店が定期便サービスを開始していて、利用者は平均3000円/月ほど支払うケースが多いようです。
私も実際、毎月400~500gぐらいの豆を定期便で4000円程度で購入したりしています。まずは色んなお店の豆を探し歩いて飲みまくって好きなお店探し。好きなお店が見つかったら、定期便で定期的に飲んでみる、っていう流れがオススメです。
ぜひお気に入りのお店を探して頂ければと思います。探す過程も楽しいですからね。今はこちらのLITHT UO COFFEEさんのお豆を定期便で買わせて頂いてます。ここのお豆もとっても気に入ってます。
特にコロナ以降、外出が難しい中でも「おいしいコーヒーを家で楽しみたい」というニーズが高まり、サブスク人気を後押ししました。また、豆の鮮度をキープしやすいというメリットも大きいです。サステナビリティ面でも、生産者と直接契約しているサービスは農園への還元率をアピールするなど、顧客にとって応援しがいがある形態です。
今後のポイント
パーソナライズされたサブスク(AIが好みを学習して豆を提案など)
サブスク会員限定のイベントやレシピ動画配信
定期便だからこそ、「ロブスタ×アラビカの特別ブレンド」や「新精製法の限定豆」など希少アイテムの提案が可能
「毎月届くワクワク感」でリピーターを増やすのがサブスク成功のカギと言われていますね。
🍊(8) カフェ市場の回復&新規参入ラッシュ!地方の動向も
グローバルなカフェ市場規模は2024年で2251億4520万ドルという巨大な数字に達しているという報告もあり、日本国内でも新規開業数も増加傾向。(但し閉店数も同数程度ありほぼ横ばいに近い)カフェはコロナ禍では打撃を受けましたが、最近はテイクアウトやオンライン販売を組み合わせる業態が急増し、地方都市でも個性的な店が増えています。
💡「地方創生型カフェ」として、地元の食材やクラフトビールとコラボしたり、農家と連携してコーヒー以外のメニューも地産地消で提供する事例が増えています。コミュニティの拠点としても注目され、SNS映えする内装で観光客を呼び込むお店も。
大手チェーンも地方への進出を強化しており、M&Aで小規模店を取り込む動きも。平均取引額は1店舗あたり2000万円程度との報告があり、カフェ業界の再編が進む可能性があります。「カフェ難民」という言葉はあるものの、地域によってはむしろ空前のカフェブームが起きているようです。
こちらの雑誌に、最近トレンドのお店の情報などがうまくまとまっていました。
今後のポイント
ネット通販やモバイルオーダーの導入が当たり前になる
店舗デザインや体験を差別化することで、生き残りを図る時代
地方の方が競合が少なく、逆に注目店になりやすいというメリットもある
🍊(9) サステナビリティ強化:フェアトレードや認証の拡大
コーヒー生産には大きな環境負荷がかかる場合があり、また不当な労働問題も世界的に指摘されています。しかし、昨今は「持続可能性」への関心が高まり、フェアトレード認証やレインフォレスト・アライアンス認証などを取得する生産者が増加。消費者側も、サステナブルな農法で作られた豆を買うことで応援しようとする動きが広がっています。
💡「フェアトレード認証」は、生産者に正当な賃金を支払い、環境への配慮を行う企業・団体に与えられるマークのことです。一方「レインフォレスト・アライアンス」は森林保護や生態系の維持を目指す国際NGOの基準をクリアした農園が認証を得ます。
日本でも大手チェーンが「フェアトレード豆のみを使った期間限定メニュー」を打ち出すなど、社会貢献をアピールするキャンペーンが増えました。国際的には、サステナブルコーヒーの市場規模が2032年までに1488億1000万ドルに成長する見込み。
若い世代ほど環境に配慮した商品を選ぶ傾向が強く、今後は“おいしさ”だけでなく“エシカル消費”の観点から選ぶ人が増えそうです。
消費者は「エシカル消費」を重視する傾向が強まり、特にミレニアル世代やZ世代が持続可能性を重視した製品を選ぶ傾向があります。
今後のポイント
生産段階だけでなく、焙煎・流通・包装などサプライチェーン全体で環境負荷を下げる取り組みが必須
SNSで「この豆はこんなストーリーがあるんです」と情報を可視化するブランドが拡大
使い終わったコーヒーカスのリサイクル(堆肥化やバイオ燃料化など)も注目
🍊4) 10年後の未来を妄想してみる
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