最近買った漫画
noteで知ってすっかりファンになってしまった。黒谷知也さんだ。
『三護さんのガレージセール』
おそらく本好きの買い物好きの三護さんが、在宅勤務でありながら人とコミュニケーションをとる方法として、ガレージセールをするという設定。この設定だけでうっとりワクワクできる。ガレージセールを通して触れ合う近隣の方たちとのやりとりも、どこかほのぼのとして、静かな日常のドラマがあるのもなんとも私好みだ。
1話1話はあっさりとした話だが、推理小説好きの方との出会いや、草野球の試合にピンチヒッターで三護さんが駆り出されてしまう話や、シャークロック・ホームズ(という架空の推理小説)のファンの女の子とのシャークロック談義に花が咲く話や、雨の日に傘をあげた男性との不思議なご縁話や、思わず梅の収穫に参加する事になって梅ジュースを作る話など、どれも捨てがたく良い。売って儲けようとか、物が片付いてスッキリとかいうのが目的ではなく、コミュニケーションが目的だという三護さんの、その志どおり、ちゃんと様々なコミュニケーションを見せてくれてなんとも楽しい。
三護さんのガレージセール (バンブーコミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/4801964222/ref=cm_sw_r_cp_api_i_0bh3BbT5YX2PX
中でも、ガレージセールに並んだ商品の文房具をじっと見つめる女の子の話がなんとも父親思いで健気でグッときた(多分親子ものに弱い)。
不思議系の話もいくつかあって、そういうのもまた良いのだ(私好み)。いたずらする少年の話、最後の2編。すごく好きだ。ネタバレになるからこれ以上書けないけど。
あっさりとした絵柄もとても好ましく、何度も何度も読んでしまう。
一冊だけをAmazonに注文するのはもったいないかと思って、同じ作者の2014年の本も注文した。評判も良さそうだし。
幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい (IKKI COMIX)
https://www.amazon.co.jp/dp/409188668X/ref=cm_sw_r_cp_api_i_Tah3BbMZ9BGSE
『幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい』
こちらはより、内省的で心のうちに踏み込んだ短編集になっているように感じる。三護さんの方がライトな感覚で読める。こちらはより文芸性が高い感じがした。内容も少し暗く、それもまた私好みだが、絵柄もだいぶ三護さんとは違っている。でも私は好き。三護さんの絵の方が多分万人受けは良いだろうけど、こっちの絵も私は好きで、目が離せないのだ。どの話もとても短く、でもどれも心に残る話で、私は特に『メモリーズ』という母と娘の少しぎこちない交流の話と『少女とカメラ』という話が印象に残った。表題作の短編もなにかのどに引っかかった魚の小骨のような感じで、村上春樹さんの『ノルウェイの森』を初めて読んだ時の感じを思い出した(それは30年近く前のことで、多分私はまだ10代だった)。
中にあった『書店員 波山個間子』という短編は、その後独立して別のシリーズ本になっているようなので、来月までにはまた買いたいと思う。お給料が出たらね(私が自由に使える額はそんなにないのだ)。
とにかく本好きさんにはオススメの漫画で、紙媒体で買えてよかった!三護さんの方はカラーだったし!!
この秋は他にも小説など何冊か買ったので、読み終えたらまた推薦図書を書こうと思う。
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