僕の起業体験②「空海はWEBマーケティングの大先輩」
書家 龍和 -Ryowa- 毛筆理念™さんのTwitterによれば、弘法大師空海さんは「優れた営業マン」であり、唐で恵果和尚から密教を伝授される際、自分から売り込まず、相手からオファーが来るように仕向けたという。帰国後も嵯峨天皇に同じことをしたそうだ。
空海は優れた営業マン?!
— 書家 龍和 -Ryowa- 毛筆理念™ (@ryowa8) September 9, 2020
恵果和尚から密教を学ぼうと唐に渡るが、いきなり自分を売りこまなかった。しばらく唐の都で自分の名声を高め、向こうから会いたい、全部教えたい、と言ってくれるように仕向けた。
日本に帰ってから嵯峨天皇相手にも同じようなことをやっている。
相当あざとゐ。(笑)
これは、営業というよりは、マーケティングの典型的な手法と言えるだろう。ドラッカーさんに言わせれば、売れないものを無理やり売るのが営業(セールス)であり、相手から買いたいと仕向けるのがマーケティングなのだ。
空海さんが取ったこの戦略は、WEBマーケティングではさらに顕著になってくる。自分から売ってはいけない。獲物の通り道を見つけて、あちこちに蜘蛛の巣を張り、ひたすら獲物が来るのを待つ。世界の蜘蛛の巣・・・WWW(World Wide Web)とは言い得て妙なるネーミングだ。
僕の場合もそうだった。
1999年に起業した際、研究者のゴーストライターみたいな仕事をしていた僕は、漠然とWEBで何かやらかしたいという野望があっただけで、具体的にどんなビジネスをするか、まったく見えていなかった。
ノープランで起業してしまったのだ。
根拠のない自信はあった。勝ち目は感じていた。創業時、ほぼほぼ仕事ゼロの期間、僕は毎日、ひたすらネットで書き込みをしていた。自社サイト、掲示板、チャット・・・それは僕にとっては蜘蛛の巣だったのだろう。
ホームページや掲示板では、僕はいつもみんなに問いかけをしていた。そして、みんながそれに答えてくれた。自分から答えは書かなかった。ネットでの接客もファシリテーションも、その時、自然に学んだ。
自分から売り込まず、ネットからの反応、問い合わせに誠心誠意、徹底的に答えた。こんなことがしたい!という書き込みがあったら、その場ですぐにやってみた。ホームページも掲示板もリアルタイムに作り変えていった。相手の要望に100%答えて、自分が変化していくという体質が、その期間にできあがっていった。
そんな中で最高のビジネスパートナー、生涯の顧客とも出会い、提供すべきサービスがだんだん明確になっていった。
これが創業期から、僕の体にしみ込んだマーケティング魂だと思っている。