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AppleCarPlayの時代が終わりつつある

 AppleCarPlayは画期的なソフトです。クルマとスマートフォンをつなげ、スマートフォン内のアプリを限られたものだけとはいえ運転中にも安全に使えるようにしたからです。

 起動するとクルマのセンターパネルの表示がiPhoneに似た画面に切り替わり、それぞれのアプリをタッチなり音声で起動させることができます。僕が良く使っているのは、音楽やポッドキャストを再生するSpotify、メッセージ用のLINEとショートメール、ナビゲーション、カレンダーなどです。

 LINEメッセージは読み上げることしかできませんが、ショートメールは読み上げてくれてから、僕がしゃべったメッセージをテキスト化して相手に返信してくれます。

 自宅や仕事場などで事前にスマートフォンのカレンダーアプリに予定を入れておけば、CarPlay上のカレンダーアプリに表示されたその日の予定をタップするだけでカーナビに連動して目的地設定が完了します。もう、いちいちクルマのカーナビのキーボード画面に1文字ずつ打ち込む必要はないのです。

 使っている人の多いSpotifyは、ご存知の通りスマートフォンでもPCでもテレビでも同じように聴くことができるので、車内でもシームレスに楽しむことができます。

BYD シールで起動したSpotify

 自分のクルマは6年前に買って古くなり掛けているのでCarPlayを起動させるにはスマートフォンをUSBコードでつながなければなりませんが、最近のクルマの多くはBluetooth接続されるので、スマートフォンを取り出す必要がありません。

 とても便利なソフトなので、僕は自分のクルマでも取材のための試乗車でもCarPlayを使っています。CarPlayのないクルマ移動なんて考えられません。

 なくてはならないCarPlayですが、先ほどまで試乗していた新型MINI COOPERによって、CarPlayの役割が終わりつつあることを痛感させられました。

 新型MINI COOPERにはSIMカードと独自のOSが備わっているので、スマートフォンを使わなくてもクルマだけでインターネットに接続することができます。

 そして、そのOSの中にはSpotifyを始めとするさまざまなアプリがインストールされています。Spotifyは、クルマ側にインストールされたアプリでも、CarPlayつまりスマートフォン経由でも使うことができます。2通りに使ってみましたが、明らかな違いがありました。

 クルマにインストールされたアプリでは、表示がセンターパネル一杯の高画質のものであるのに対して、CarPlayではその反対に矩形で囲われて小さくなり、明らかに画質も劣っていました。操作も簡単です。音質も気のせいかダイレクトの方が良かったように感じました。CarPlay経由で使う理由が思い付きませんでした。

 この10年近くCarPlayには散々と世話になってきたのにもかかわらず、その時代の終焉が遠いものではないことを見せ付けられました。技術の進化とは非情なものです。

 今まで、SIMカードを備えているクルマは他にもありましたが、新型MINI COOPER(BMW)のようなOSとアプリまではインストールされていなかったので、できることが限られていました。

 僕のクルマもSIMカードを備えていて、通信費を年間契約で支払っていますが、SpotifyはUSBコードでスマートフォンを接続し、CarPlayを起動しないと使えません。

 今回は時間が限られていたので、MINI COOPERにインストールされたアプリはSpotifyしか試すことができませんでしたが、車載SIMカードとクルマ側のOSとアプリで他にどんなことができるのか試してみるつもりです。クルマはスマートフォンの助けを借りることなく、独自にインターネットに接続し、これまでできなかったことを次々と可能にしていっています。

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