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10年10万kmストーリー 第53回 日産スカイラインTI-E・X(1984年型) 37年58万4000km

 そのスカイラインは、先に待ち合わせ場所に来てくれていた。
 スカイラインと言っても、人気のハコスカやケンメリではない。アメリカの俳優ポール・ニューマンがCMキャラクターを務めていたことから“ニューマン・スカイライン”と呼ばれる、1980年代のR30型である。グレードだって、トップモデルのGTやRSではなく、TI-E・X。

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 それでも、このスカイランTI-E・Xは1984年に新車で購入されて以来、37年58万4000kmあまりも乗り続けられているのである。
 どんなクルマで、どのように乗り続けられてきたのか?
 オーナーさんへのご挨拶もそこそこに、僕は停められた白いスカイラインTIに眼をクギ付けにしながら、前から後ろへ、後ろから前へと行ったり来たりしてしまった。
 白いボディのあちこちに錆が浮き出ているのは、事前のメールのやり取りで教わっていた通りだ。フェンダーの端、ドアの縁などが特に目立っている。
「ここも錆びているんですよ」

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