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レンタカーのヤリスには、“いま最もクルマに求められている機能とは何か?”が表れていました

 ここ数日間、レンタカーのトヨタ・ヤリスに乗っています。

 悪い癖で、ああでもないこうでもないといつものようにヤリスの品定めを始めてしまいました。

 自分のクルマでは自分のスマートフォンを接続する設定を済ませていますが、レンタカーではまずはそこから始めなければなりません。このプロセスは昔はありませんでしたが、クルマを運転する時に今いちばん大切なことではないでしょうか?

 少し前までは、接続すること自体が不可能なレンタカーが大多数でした。次に有線で接続できるようになり、Bluetoothで無線接続できることは大進歩なのです。

 スマートフォンを接続しておかないと、掛かってきた電話や送られてきたショートメールなどを受信したり、返信したりするのにスマートフォンを手に取らなければなりません。違反であると同時に、危ないです。

 クルマとつなげておけばハンズフリーで通話できますし、ショートメールならば内容をクルマが読み上げてくれて、それに対して自分がしゃべってテキスト化されたものを返信することができるのです。

 とても便利な機能をほとんどのクルマが装備しているはずなのですが、意外なことにスマートフォン本体を手に持ちながら通話したり、画面をタッチしている人を街で見掛けることが少なくありません。

 古目のクルマだと接続できなかったりしますが、絶対に接続可能な最新型のクルマに乗っているドライバーでもそれをやっている人をよく見掛けるので、いつも不思議に思っています。

 レンタカーのヤリスは簡単でした。センターモニターパネルの“設定”ページでBluetooth接続すれば完了です。自分のスマートフォンの画面も見ながら、ペアリングを済ませば登録されるので、次に走り出す時には何もしなくても自動的に接続されます。

 接続が完了したと同時に、「AppleCarPlayに接続しますか?」と訊ねられる画面に切り替わり、「する」をタッチすると同時に見慣れたCarPlayの画面が現れました。

 これでスマートフォンを介してインターネットに接続されたので、自分のクルマと同じようにCarPlayを使うことができるようになりました。CarPlayも、昔はなかった今いちばん大切な機能です。僕はふだんはSpotifyアプリで好みの音楽やポッドキャストなどを聞いています。

 カーナビの目的地設定を音声操作で行う時にGoogleMapsの機能を活用することによって、まず百発百中で設定できます。これのやり方があるので、いずれ詳しく説明いたします。

 自分のスマートフォンをヤリスに接続し終わって、あらためて車内を見回すと記憶の中のアクアと異なっているところが何か所か出てきました。

 まずは、メーター。スピードメーターもタコメーターも、今どき珍しいリアルなプラスチックの針が動くタイプです。水温計も燃料計も針タイプです。グレードによって異なっています。真ん中のデジタル表示されるところを切り替えて他の情報を表示し、設定変更を行います。

 その中の運転支援機能の働き具合を表示するページがありますが、車線を表す斜めの直線が2本映されているだけです。ACC(アダプティブコントロール)やLKAS(レーンキーピングアシスト)などは装備されていません。前後方向の接近し過ぎ警告や車線を踏み外れそうになるとステアリングホイールを振動させるタイプです。

 ヤリスはコンパクトカーなので、レンタカーの利用者は長距離はあまり走らないだろうという前提のようです。運転支援機能は、運転の安全とドライバーの負担軽減と省エネを確実にもたらしてくれるものですが、その効果は長距離走行ほど著しいので、これは割り切りなのでしょうね。

 メーターも割り切りなのでしょう。自分の記憶を確かめるためにもトヨタのホームページを確認してみましたが、ヤリスのメーターはフルカラーのマルチファンクションタイプです。

 他にも、シフトレバーやエアコンの調節ダイヤルなどは古いタイプです。それはこのヤリスに限ったことではなく、今まで乗ったことのあるレンタカーの多くに当てはまっていました。

 多少の機能が制限され、意匠もシンプルなものに限られるのが日本の大手レンタカーの現状です。

 ということは、スマートフォンがBluetooth接続できて、CarPlayが使えるようになったということは、走行を除いてそれが今クルマに最も必要とされ、強く求められている機能だということではないでしょうか。レンタカーのヤリスはそれを雄弁に物語っています。そうでなかったら、間違いなく省かれているはずです。

 走りっぷりでレンタカー故に特に劣っているところは見当たりませんでした。

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