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「NISSAN LOVE STORY」は期待外れでした

 話題の動画、「日産90周年記念ムービー NISSAN LOVE STORY」を観てみました。

 日産の過去のクルマを登場させながら、それぞれの時代を再現しようとした動画ですが、音楽は流れていても俳優たちのセリフは聞こえません。

 本格的なモータリゼーションが始まる前の頃の昭和から始まり、現代までを時系列で振り返っています。セドリック、ブルーバード、サニークーペ、チェリー、箱スカ、ケンメリ、ローレル、Z、シルビア、Be-1、ジューク、ラシーンなどが登場し、最後はアリアです。

 バブル時代のディスコとアッシー君が運転するシルビアといった具合に、時代の特徴的なディテイルをテレビドラマのワンシーンのように仕立て、その中にクルマを織り込んでいます。

 チェリーやラシーンなど、当時よりもいま見る方が魅力的に見えました。Be-1も良かった。どれも早過ぎたんですね。

 クルマを見ているだけならば楽しめる4分間なのですが、ドラマが単調です。同じ俳優が各時代を演じているのか、俳優は同じだけれども役は違う設定なのか、曖昧に見えました。

 どのドラマも、若い男女の恋愛を描いています。若くなくてもいいでしょうし、愛とは“人を思う気持ち”のことだと解釈して、もっと広い範囲を示すものと考えれば、若い男女間のものだけには限らないはずです。家族愛、師弟愛、友愛などいくらでもあります。愛国心とか、愛社精神などもあるかもしれません。

 さまざまなタイプの“愛”が繰り出されるかと思って観ていましたが、最後まで変わりませんでした。クルマはさまざまな人と人とを結びつけるものなのに、若い男女による恋愛シーンばかりが続いて日産90周年を記念するムービーという触れ込みの割には、僕の期待していたものとは違っていました。違ったトーンの続編があるのかもしれませんが。

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