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混沌とした東名に対して、まだ少しの秩序がある新東名
昨年、最も印象深かった運転体験は、ボルボEX30で京都から東京まで一人で新東名と東名を走ったことでした。
その後、フォルクスワーゲンのパサートPHEVでも新東名を走ったし、自分のクルマでも新東名と東名を走って名古屋を往復しました。新東名を走る機会の多かった1年間でした。東京に住んでいるので、現在の起点が御殿場にある新東名だけを走ることはできません。その前に必ず御殿場まで東名も走っているのです。
自然と両者を比較してしまっています。もうまったく別の種類の高速道路になってしまいましたね。もちろん、新東名の方が新しいが故に車線も多く、見通しも良く、最高速度も高いという東名にはない構造的な美点があります。
しかし、決定的に違うのは走っているクルマの運転です。新東名は東名に較べて空いていて、それ故に追い越し車線で追い越しを終えたクルマがちゃんと走行車線に戻る割合が高いように感じます。
東名は反対で、追い越しが終わっても追越車線に居残って走り続けるクルマが多い。無理もないところもあって、東名は慢性的に混んでいるので、追い越しが終わったクルマが走行車線に戻ろうにも混んでいて戻りにくい。走行車線と追越車線の速度差が感じられにくいので、両方の車線でダラダラと走り続けても、両方の車線の違いがわかりにくくもなっています。
新東名は東名よりも空いているので、走行車線から追越車線に出て追い越しを完了し、再び走行車線に戻るという一連の走り方にメリハリが出て、ドライバーにもそれが感じやすいからでしょう。
混沌とした東名に対して、まだ秩序があるのが新東名です。きちんとウインカーを出して意思表示して車線変更するドライバーも多い。東名は混んでいるのでメチャクチャです。ウインカーを十分に点滅させて車線変更すれば、必然的に煽り/煽られ運転も減るでしょう。
東名は混んでいるところに古い道路設計からの加減速が多く、それを避けようというクルマがルールとは関係なく自分流に先を急ぐのでカオスそのものです。カオスの中ではADAS(運転支援)機能のメリットも半減してしまいますが、新東名ではずっと使って効果絶大でした。
しかし、新東名も万全というわけではありません。一番右側の追越車線を使ってトラック同士が追い越しを行うので車線が塞がれてしまい、その時間も短くなく、後ろを走っているクルマのペースを一気に下げてしまって流れを滞らせてしまうのです。
新東名と東名は接続されていますが、内容はもはや別の高速道路だと認識して運転するようになってしまいました。
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