ここは、1960年代後半の「ドライブイン麻布」のことなのか?
予約録画した番組でないと、ほとんどテレビを観なくなってしまいました。その利点はたくさんありますが、確かめたい内容があった場合には巻き戻せるのが助かります。
先週のテレビ東京「アド街ック天国」で、ホンの数秒間だけ映し出された映像がまさにそれで、すぐに巻き戻しました。画面には、次のようなテロップが付けられていました。
「港区 レストランアザブ 1967年撮影」
これはもしかして、ここ数年、僕も写真を探し続けている「ドライブイン麻布」のことではないか?
1960年代後半に、麻布台に「ドライブイン麻布」という大人っぽい店があったそうです。飯倉片町の交差点から東京タワーの方に向かい、右側にある老舗イタリアレストラン「キャンティ」とロシア大使館の間のどこかです。今はマンションが並んでいます。昔からの呼び方だと“狸穴”、今なら麻布台ヒルズにあるBMWのブランドストア「FREUDE by BMW」の斜め向かいですね。
16歳で取った軽自動車免許でホンダN360に乗って背伸びしながら通っていた、ポルシェ911のオーナーを「10年10万kmストーリー」で取材した際に、教えてもらって知ったのです。
終夜営業で、店の前に広い駐車場が用意されているから自然と珍しいクルマが集まってくるスポットになっていました。東京には、どの時代でも必ずそうしたクルマ好きが集まる場所が現れ、移り変わっていきますね。今なら、代官山の蔦屋書店や絵画館前の銀杏並木通りでしょう。
「中2階に本物のヨットが飾られていて、驚きました。お洒落な人とカッコいいクルマが集まってくるので、それを見るのが楽しみでした」
そのオーナーさんは本やインターネットなどでドライブイン麻布の写真を探し続けているのですが、なかなか見つからないそうなのです。
さっそく、テレビ画面の写メを送ったところ、すぐに返信が来ました。
「僕が通い始めたのは1968年からです。大きなガラスで覆われたファサードだったので、写真の感じとは違います。クルマの駐め方も違います。でも、道路の向こうに旧郵政省の建物が見えますから、場所は間違いありません。レストランからドライブインに建て替えられたのではないでしょうか? 貴重な写真ですね」
手前に写っているシルバーのクルマはプリマス・バラクーダ。
写真を番組に提供している「Koyapop」さんのブログを見てみると、レストランアザブで撮影されたのはこの写真だけではなく、他に何点もありました。
さまざまな時代と場所で撮られたクルマの写真が集められたサイトですが、今でも様子の変わっていない東京プリンスホテルの駐車場や明治記念館など、僕が見てもわかるものもあって、思わず見入ってしまいます。
昔の東京の路上やクルマに興味にある人は必見でしょう。どうして今まで気が付かなかったのかわかりませんが、膨大な数の写真がアップされています。