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三菱アウトランダーに搭載されたヤマハのカーオーディオ

 マイナーチェンジが施された三菱アウトランダーPHEVの注目ポイントはいくつかありますが、その一つがヤマハ製カーオーディオスピーカーの採用です。

 僕はヤマハファンの一人です。ヤマハ製のホームオーディオ用プリメインアンプを長年愛用し、SR400というバイクにも乗って、さらに昔はパラマウントというヤマハ製のスキーで滑っていました。

 意外だったのは、ヤマハがカーオーディオを造るのは今回が初めてだということです。20年ぐらい前から、ホームオーディオメーカーと自動車メーカー双方の思惑が一致して、カーオーディオを造り始めるオーディオメーカーが増え、自動車メーカーも競うようにして名のあるメーカーのカーオーディオを採用し始めました。

 中には、有名オーディオブランドを名乗りながらも中身は日本の既存のカーオーディオメーカーが製造しているものなどが現れて過熱していましたが、今では聞きません。それどころか、カーオディオ事業から撤退してしまったメーカーもあったりして、一時の熱気は冷めているようです。

 三菱自動車も三菱グループ内の三菱電機が製造していた「ダイヤトーン」ブランドのカーオーディオがほぼ必ず装着されていました。しかし、ダイヤトーンがカーオーディオ事業から撤退した後はアメリカの「ロックフォード」製のものを装着していました。

 それを今回のアウトランダーPHEVのマイナーチェンジでは、ヤマハ製が搭載されることになりました。

「Ultimate」と「Premium」の2種類が用意されていて、違いは「Ultimate」にはパワーアンプが備わっていて、スピーカーが12個。それに対して「Premium」にはパワーアンプはなく、スピーカーは8個。12個と8個の違いは、センタースピーカーと2個のミッドレンジスピーカー、サブウーファーなどの存在です。

「Ultimate」は高音域と低音域に分割するのに加えて中音域スピーカーを設け、サブウーファーで低音域も補強しています。それらを駆動するために左右チャンネル用のパワーアンプを追加しています。

 自分のスマートフォンをアウトランダーPHEVに接続して、CarPlay経由でSpotifyからいつも良く聴いているプレイリストを再生しながら走り始めました。

 マイナーチェンジが施されたアウトランダーPHEVはバッテリー出力が増強され、自動車専用道を60km/h前後で走っても、ほとんどバッテリーだけで走行します。エンジンが掛からず、そのぶん静かなので音楽が良く聞こえてきます。ボリュームを上げなくても、同乗者と会話しながら曲のディテイルを認めることができました。

 珍しい機能ではありませんが、車外のノイズに合わせて音量を自動的に調整する機能や音楽のジャンルに合わせて周波数特性を変えていく機能なども備わっています。

 長くはない試乗時間だったので、カーオーディオ試聴だけに十分な時間を割くことができませんでしたが、特に「Ultimate」の再生音は心地良いものでした。

 コントロールユニット自体はヤマハ製ではなく、「Ultimate」と「Premium」共通のものが使われています。

 アウトランダーPHEVには4グレードあって、最上位グレードには「Ultimate」が標準装備され、他の3グレードには「Premium」が標準装備されます。中位2グレードならば、19万8000円(消費税込)を支払えば「Ultimate」を装着することが可能。残念ながら、最下位グレードでは「Ultimate」を注文することはできません。

 購入を検討する場合は、両方のカーオーディオを運転しながら試聴してみることをお勧めいたします。各種の設定なども要チェックです。

 クルマの電動化は、車内での音楽鑑賞の楽しみを間違いなく拡げてくれます。オーディオ機器に凝るのも良いですが、Spotifyのようなアプリを活用してソースを充実させれば、さらに楽しみを拡げています。

 僕はSpotifyの有料会員になって10年以上経ちますが、あまり好んで聴いてこなかったジャンルや聴いたことのないミュージシャン、曲などをAIがリコメンドしてくれる点を重宝しながら、車内や自宅テレビで、そしてPCやスマートフォンなどで音楽を楽しんでいます。

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金子浩久書店
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