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そろそろ機能だけを追い掛けなくても良くなるかもしれない マツダCX-80

 マツダの新型SUV「CX-80」は強い個性こそ希薄なものの、クセがなく素直な走りっぷりから、きっと多くの人たちに受け入れられることでしょう。

 CX-80のフロントグリルの向かって右側に、何やら小さなクロムメッキパーツが三つ並んでいます。いったい何でしょうか?

 担当者氏に質問すると、それは「グリルインシグニア」という装飾パーツなのだそうです。直接的に何かの働きを行うものではありません。

「ジャケットのポケットに挿すチーフやラペルピン、首から下げるブレスレットなどのような装飾品的な意味合いを持たせています」

 強いて言えば、CX-80は弟分のCX-60とフロントグリルのデザインがほとんど同じために、それと区別する役割はあるそうです。

 面白いと思いました。CX-60と区別しなくても、こうしたアクセントはクルマのキャラクターになるのだから、かっこいいものだったら付けて良いでしょう。

 クルマは、「形態は機能を体現しなければならない」という考え方に支配され過ぎです。まだまだ、モダニズムの影響が強く及んでいる商品なのです。

 これから、電動化や自動化、コネクティビティなどが進行していくことによって、クルマはもっとタイトに開発され、個々の個性は薄くなっていきます。たとえ装飾であったにしても、打ち出せる個性があるならば今のうちに打ち出した方が良いと思います。

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金子浩久書店
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