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せっかくのEVなのに、コンサバでもったいない 試乗ノート#13 レクサス RZ450e “Version L”
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○ 舗装の良い平滑な路面では、クルマが重いことを活用して、フラットで安定感がある。
X 硬すぎる乗り心地。重たいバッテリーを積んでいるEVの半ば宿命でもあるのだが、段差や路面の凹凸を乗り越える際のショックがサスペンションで吸収され切れず、そのまま伝わってくる。首都高速上の舗装の切り替え金具や、トヨタ東京本社への車道からの入り口の段差を極低速で乗り越える際にも、ビシッと頭の天辺まで突き抜けるような鋭いショックに見舞われる。
X 速度を上げると、車内がうるさくなる。タイヤと路面の擦過音と風切り音が盛大に車内に入り込んでくる。トンネルは最悪で、他のクルマが上げる各種騒音も壁に反響し、それらも入ってきてとても騒々しい。
・走行モードは、ノーマル、スポーツ、ECO、RANGE、カスタムと5つあり、それぞれパワートレイン、ステアリング、エアコンなどの制御が変わるが、走行感覚の違いは大きくはなかった。
X 前後輪への駆動力を配分するという「DIRECT-4」の走行状況による違いは感じ取れなかった。それだけ自然だとも言える。
X 最小回転半径が5.6メートルと大きく、狭い場所では切り返しの多用が求められた。
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X 同じレクサスのLSやトヨタ MIRAIに搭載されている運転支援システム「Advanced Drive」がRZ450eにも搭載されていて、さっそく試してみたが、使いやすい先進的なレーンチェンジアシストシステムと同じものではなかった。
X そのRZ450eのレーンチェンジシステムは作動条件が厳しく、それに合致した狭い範囲でしか作動しなかった。条件などの詳細を試乗後に確かめることができた。表示などのインターフェイスもわかりにくく、他社のシステムより使いにくい。羹に懲りて膾を吹いているのではないか。
X PDA(プロアクティブドライビングアシスト)では、前者との車間距離が縮まるとドライバーが何もしなくても減速が強められていたのは、これもまた優れた運転支援機能のひとつだが、効きが弱い。システムは同一ではないかもしれないが、メルセデスベンツEQS450SUVやBMW iX、アウディ eトロンGTなどのアダプティブ回生ブレーキ機能では、もっと強く効いて好ましかった。
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○ センスの良くまとまっているインテリア。エクステリア色のライトブルーメタリックと合わせて、インテリアの革や樹脂などのパーツのほとんどがさまざまな色調のブルーとオフホワイトの2色だけでまとめられている。シフトダイヤル周辺のパネルの木目柄も茶色系ではなく、ネイビーの木目と徹底している。シートやドア内張に用いられている革も、東レのウルトラスエードを使ってパーフォレーション(孔)の有無を使い分け、アクセントとして縁取りにネイビーの表革を配したり、バランスもセンスも抜群。色数を抑え、素材に適した大きさで、ふさわしい場所に用いるという、簡単な大原則が守られていないクルマがほとんどなのだ。特に日本車。だが、これは例外中の例外。
○ ステアリングホイールの左右スポーク上の十字キーで多くの操作が可能となった。今までのボタンの数が減り、集約された。ただし、購入直後に意識的に使って使い慣れておかないと、直感的でないので憶えられず、せっかくの便利な機能を使わなくなるだろう。
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X センターモニター画面とメーターパネルの表示を見較べると、クオリティの違いが一目瞭然。メーターパネルは画素数が粗く、ひと昔前の感じがする。センターモニター画面が鮮やかなので、余計にそれを感じる。
X 運転支援機能の作動状況の表示が3つにも重複してしまっている。ひとつはメーターダイヤル右隣の小さなアイコンが緑に点灯すると実効していることを示している。もうひとつは、メーター下半分の各種表示を十字キーで切り替えると、大きく作動状況が表示される。さらに、ヘッドアップディスプレイに簡易的に表示されるから3つ。
X ドライバーインターフェイスに於いては増築に増築を重ね迷路化してしまった温泉旅館のようだ。
X EVであり、多機能であり、新しい価値と世界観を持っているのに、それらを商品としてうまく表現し切れていない。エンジン車時代の感覚と価値観に囚われ過ぎてしまっているのか?
X エクステリアデザインから始まり、走りや細部にいたるまで、“どこかで見た感じ”が付きまとっている。良くも悪くも予想通りで、既視感に捉われる。せっかくのEVなのだから、“今まで見たこともなかった”という驚きも感じさせてもらいたかった
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