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10年10万kmストーリー 第78回 スバル・アルシオーネSVX バージョンL(1992年型) 29年15万2000km
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大きな公園の駐車場に駐められていたスバル・アルシオーネSVX(以下、SVX)は遠くからでもすぐにそれとわかった。周囲のミニバンやSUVなどとは較べものにならないほどの強い存在感を放っていたからだ。
最近は、あまり実車を見ることがなくなってしまったけれども、そのSVXは記憶と少し違っているように見えた。近寄ってみると、フロント部分が前下がりになっている。あと、たしかトランクフードが黒だったはずだし、そこにはスポイラーが付いていたような気もする。
でも、なんてキレイなクルマなのだろう。惚れ惚れしてしまう。すべてのピラーを隠すようにキャビン全面がガラスで覆われている。キャビンの形も面妖だ。ガラスとボディ各部の造形も独特で、見れば見るほど引き込まれていく。どこから見るかによっても、印象が変わってくる。残念ながら、こうした凝ったクルマは現在ではなかなか見当たらない。さすがはジョルジェット・ジウジアーロだ。
少し離れたところから眺めながら、そんなことを考えていたら、オーナーさんが戻ってきた。小学生ぐらいの男の子と一緒にSVXのトランクを開けて、男の子の被っていた自転車用ヘルメットやキックボードなどを仕舞っている。お父さんなのだ。家族の休日を邪魔しては申し訳ないので、手短かに話し掛けた。
「ええ、9年前にボディを全塗装した際に、黒がオリジナルのトランクフードをボディと同じシルバーに塗り替えました。その時に、スポイラーも外しました」
やっぱり、そうだった!
「濃淡のシルバー2トーンでしたが、下の部分の濃いシルバーを止めて、一色にしたのです。その方が、この造形の魅力が生きると思いましたから」
奥さんともう一人の息子も戻って来たので、連絡先を交換し、快く再会を約束してくれた。
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