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運転免許更新の方法は効率化されたが、講習の内容はもっとやりようがあるのでは?

 運転免許更新の講習を神田免許更新センターで受けてきました。
 今年2月から事前予約制となっていて、Web経由で空いている日時を選べたので効率的です。一部の都道府県では、交通違反を犯していない優良ドライバーはオンラインで講習を受けられるようになったそうですから、そこでもデジタル化が進んでいます。
 手数料の3300円も現金だけでなく、クレジットカードや各種プリペイドカードでも支払い可能になっていました。世間から遅れた“お役所仕事”と幻滅させられることがなかったのは良かったです。

 約1時間の講習では、あらかじめ渡されていた「交通教本」と「安全運転のしおり」という2冊の冊子を使って、交通事故発生件数や死亡事故の推移とその原因、対策などが説明されました。他にも、高齢者の運転や免許証の返納制度などにも言及していました。
 内容として目新しく感じることはなく、頷きながら聞くばかりです。少しだけASV(先進安全自動車)に触れて、ACC(アダプティブクルーズコントロール)やLKAS(レーンキープアシスト)などの運転支援機能にもサラッと言及していたのも今日的で良いと思いました。
 ただ、「これらを上手く使うことで事故を起こさず、疲労も軽減でき、省エネでもある」とメリットをもっと強調すれば、装備されているけど使ったことがない人も使うようになるのではないでしょうか。
 あまりにアッサリし過ぎていたので、まだ使ったことのない人たちの興味や関心などを喚起するところにまでは及んでいないようでした。
 知っていることや聞いたことのあることを淡々と説明するだけなので、受講生の気持ちを刺激して、「それって何?」とか「おやっ?」と積極的に聞き入ろうという気持ちになれないのではないかと思ったりもしました。

 時間をかけて説明していたのは、あおり運転についてです。あおり運転については、廊下にイラスト付きのポスターも張ってあり、ほぼ同じ内容を文章で書き起こした張り紙が講習室の正面にも張ってありました。
 女性の講師が、あおり運転行為が厳罰化されたことなどを説明しながら、「なぜ、あおり運転(のような愚かな行為)をするのでしょうかね?」と訝しんでいました。あおり運転の原因が皆目見当もつかないといった感じでした。
 その講師が本当に把握していないのか、公式見解しか口にできないのかわかりません。でも、あおり運転の原因はいくつか考えられるでしょう。みなさんも、日頃から感じられていると思います。
 その中でも少なくないのは、高速道路など複数車線があるところの追越し車線から走行車線に戻らないクルマです。なんらかの意図や悪意があって戻らないのではなく、自分以外のクルマの存在への意識が薄く、漫然と走っているからだと思います。
 追越しが終わったら走行車線に戻る。その際に、早目にウインカーを出して追越し、同じように早目にウインカーを出して戻る。その間にミラーで後続車をつねに確認しながら余裕をもって行えば、この状況ではあおり運転の対象とされてしまうことはないと僕は国内外での運転経験を踏まえて考えています。残念なことに、諸外国に較べて日本はとても多いです。ウインカー活用の重要性について、以前にnoteに投稿した文章を以下に張っておきますね。

 あおり運転の実例や厳罰化などがイラスト化してまで詳述されているのに対して、その原因が講習やポスター、冊子などでは一切触れられていなかったのが不思議でした。もちろん、さまざまな理由があり、客観的な統計も揃っていないのかもしれません。
 決してあおり運転を擁護するわけではありません。しかし、前述した“防護対策”を一例として触れてみても決して無駄にはならず、受講者も講習の効果を実感できるのではないでしょうか?
 受講者はさまざまなタイプのドライバーなので講習の内容の的を絞りにくいという前提はありますが、「タメになった」「認識が改まった」「最新事情を知れて良かった」という感想を持ってもらえる方法は必ず存在しているでしょう。

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