10年10万kmストーリー 第72回 MINI COOPER S (2018年型) 4年10万2000km 事故とワンコが絆を深めてくれた
拙著『ニッポン・ミニ・ストーリー』という本を読んでくれた人からメッセージをもらった。
BMW製のMINIが登場するのに合わせて、BLMCのミニがいかに1950年代終盤からの日本の自動車産業やモータースポーツ、カルチャーなどに深い影響を及ぼしていたかを探った本だった。
当時の関係者を取材し、ミニがいかに“存在としての新しさ”に満ちていて、みんなそれぞれどうやって吸収していったかを聞くのは、とても面白かった。まだ、クルマ造りに“手本”や“正解”がなく、前例などに囚われることなく手探りで進められていたから、その試行錯誤ぶりが活き活きとしていたのだろう。
その読者は、MINI COOPER Sの2018型に乗っているという。早いペースで走行距離が伸びているのは、通勤距離が長いのと休日も必ずクルマで外出するためだとあった。
メッセージを読み進んでいくと、途中に驚かされることが書いてあった。
「1か月前に、事故に遭ってしまったのです」
身体は大丈夫だったのだろうか?
続きを読むと、少し安心できた。通勤路の国道で、15トントラックの故障車が落とした直後のユニバーサルジョイントに乗り上げてしまったというのだ。
保険会社や購入したディーラーなどからは、乗り換えることを勧められた。
「毎日2時間以上を過ごした相方に“廃車”の烙印を押すことができませんでした」
相当に悩んだことがメッセージの文面から伝わってきた。その想いを聞くために、修理完了を待って会いに行ってきたのである。
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