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電動化時代の新しい価値と魅力を体現している。試乗ノート#27 三菱アウトランダー PHEV P Executive Package
・2.4リッターガソリン4気筒エンジン+ツインモーターによる4WD。コンセントからも充電できるPHEV(プラグインハイブリッド)。
・バッテリー容量10%アップとヤマハ製カーオーディオ搭載を中心としたビッグマイナーチェンジ。トータルシステム出力約20%アップ。
・エンジンと2基のモーターは旧型と変わらず。
・EVモードでの走行距離が100km超へ。
・8割の満充電までの時間を38分から32分へ短縮。
・旧型よりも0-100km/h加速が「2秒速くなっている」(開発者氏)。
・価格は約40万円アップ。
・試乗車は最上位グレードの「P Executive Package」7人乗り仕様。668万5800円(消費税込)
○ 走り始めて、なかなかエンジンを始動しようとせずモーターだけで走り続ける。静か、滑らか。小田原厚木道路に乗っても、掛かる気配すら感じさせななかった。箱根ターンパイクの登り勾配でアクセルペダルを強めに踏み込んで、ようやく始動した。
・「ターマック」モードを選ぶと、エンジンはつねに回転している。
○ バッテリー容量を増やしたことによって、ほとんどエンジンが掛からない。まるでEV(電気自動車)に乗っているかのよう。
X 荒れた舗装の路面が続くところや舗装の切り替えなどを通過した時のショックなどを吸収し切れないことが少なくなかった。輸出先のオーストラリアから「良くない路面での乗り心地を良くして欲しい」というリクエストが来ていた(開発者氏)というから、課題は完全には解決し切れていないようだ。
X 7人乗り仕様の3列目座席はエマージェンシー用と割り切るべきものだろう。足元の空間は狭く、座面も背面も薄い。2列目シートを前方にスライドすれば3列目の足元空間はその分だけ広がるが、その分だけ2列目のそれは狭まってしまう。
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○ 「P Executive Package」に標準装備されるヤマハ製オーディオの上位グレード「Ultimate」の音楽再生能力が高い。「P」や「G」グレードでも、オプション(価格19万8000円)として注文可能。
X メーターやセンターモニターパネルなどには多彩な表示がなされるのだが、多くの内容が文字や文章で表現される。読まなければならないので煩わしい。アイコンやピクトグラムなどに置き換えられる。ドライバーに寄り添って、インターフェイスを改める必要がある。
○ バッテリー容量をアップしてほとんどモーターだけで走ることになって車内は格別に静かになった。そのメリットを最大限に活かすことができることのひとつが「運転中に音楽を良い音で楽しむ」こと。ヤマハ製カーオーディオ採用の効能は大きい。
○ 内燃機関であるエンジンがほとんど掛からず、結果的に運転中の良い音の音楽再生が主な商品価値となっている。変わりゆくクルマの新しい価値と魅力を体現しているという意味から、とても象徴的な存在。
X それなのに内装デザインやドライバーインターフェイスなどが新しい価値と魅力を体現し切れていないのがもったいない。
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