取材相手とは、どこで、どう知り合うのですか? 10年10万kmストーリー
noteで連載している「10年10万kmストーリー」は、1台に10年もしくは10万km以上乗り続けている人を訪ねてインタビューを重ねるルポルタージュです。
いまは無くなってしまった「NAVI」誌の1990年3月号から始まりました。同誌が休刊されてからはnoteで有料配信を始め、その後に同じ記事を「モーターマガジン」誌に寄稿するようになりました。
「取材相手は、いつもどうやって見付けているのですか?」
33年間続けているので、よく質問されます。さまざまな形で知り合って、内容を説明し、応諾してもらって、日にちを決めて改めて伺います。ここ最近の記事を例に挙げてみると、紹介型が最も多くて全体の3分の1ぐらいでしょうか。
最新回のアルファロメオ アルファGTVは、以前に取材させてもらった人の息子さんが紹介してくれました。
フィアット パンダやポルシェ 911カレラ2なども紹介型です。BMW 745iのオーナーさんは、その息子さんが連絡をくれ、取材にも立ち会ってくれました。
紹介型には、ピンポン型というバリエーションがあります。
「仕事場の近くに、毎週水曜日になると昔のルーチェが必ず停まっているから、きっと近くに仕事などで通っている人でしょう」
「○○の辺りのお宅に、いつもきれいなデイムラーのダブルシックスが停まっていて、この間、偶然にオーナーさんと立ち話できて、カネコさんのことを話しておきましたから」
だいたいの場所は教えてもらいましたが、電話番号やメールアドレスどころか名前もわかりません。場所を探し当て、クルマが停まっていれば、インターフォンを押して、自己紹介から始まります。ピンポン型は飛び込み営業であり、探偵にもなるのです。
自薦型には、SNS経由型と直談判型があります。最近のシエンタやTTクーペが前者、デルタインテグラーレが初めて会った息子さんからその場で持ち掛けられました。
以前に別のクルマで取材させてもらった人が、今度は違うクルマで10年なり10万km以上乗り続けているというので、再び記事にさせてもらった2回目型が118dです。
キャッチ型にも2パターンあって、以前から僕がミツオカに乗っている人の心情を知りたくて、偶然にツイッターで見たガリューのオーナーさんにメッセージを送って、実現できました。
街頭キャッチ型だったのは、プレリュードやアルシオーネです。
昔からの知人型もあります。昨年に上梓した「クラシックカー屋一代記」の新聞広告を見て、25年ぶりぐらいに電話をくれて、訪ねて行って旧交を温め、ガレージに停まっていた300Dターボが長く乗り続けられていると聞いて、改めて取材に出直しました。
どこで、どう知り合ったか人それぞれで面白いので、すでにそこから取材が始まっています。