住宅と期待インフレ率に、インフレ退治の青信号
アメリカの株式市場が揺れている。
S&P500は年初来18.66%安をつけ、ザラ場で-20%以上の下落も記録。ベアマーケット入りだとする声が一気に増した。
その遠因が米インフレ。FRBはインフレ対策による利上げ、金融引き締めを進めており、退治できるまでは手を緩めそうにない。
そのインフレについても、少し動きがあるようなのでチェックしておきたい。
住宅に光明、過熱にはブレーキか
インフレへの影響の大きい住宅だが、足踏みを見せている。
5/19に発表されたアメリカの中古住宅販売件数 (4月)は予想178.0万件に対して、172.4万件。前回の179.3万件からも、明らかに下落した。[1]
加えて、住宅ローン金利も5.25%となっており、5/12の5.30%から微減となり[2]、頭打ちと見れなくもない。
いずれにせよ、住宅価格の上昇の足を止めることになるかもしれない動きであり、インフレ退治に向けては好材料だ。
目標ゾーンへ向かう期待インフレ率
さらにマーケット参加者がどのような見方を持っているのか見てみよう。
その端的な例は、期待インフレ率だ。
最新の期待インフレ率は、5年2.88% 10年2.55%と、2.5%に近付きつつあり[3]、こちらもインフレが勢いを弱めることを示唆する好材料だ。
賃金は……勝って兜の緒を締めよ
一方で賃金は油断できそうにない。住宅や期待インフレ率の好材料に油断せず、兜の緒をしめておきたいところだ。
端的にはベビーシッターの給料で、なんと時給3800円!だという。
アメリカで賃金の全体的な上昇が続けば、賃金インフレを引き起こしかねず、こちらも動向をおいかける必要がありそうだ。
Notes&References
[1] みんかぶ(FX/為替), アメリカの中古住宅販売件数 (4月), https://fx.minkabu.jp/indicators/US-HS
[2] FRED, https://fred.stlouisfed.org/series/MORTGAGE30US
[3] ONAND(BEI), https://www.oanda.jp/lab-education/oanda_lab/oanda_rab/breakeven_inflation_rate/
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