FRBのB/S縮小が来るぞー!7月に向け米株にさらなる黄信号
ドル円のトレーダーのみならず、株式まで含めた投資界隈に次の重大なイベントが迫っている。
FRBのバランスシート(B/S)縮小。量的引締め(QT:Quantitative Tightening)として話題だ。
今回は、マネー量、金利、株式マーケットに大きな影響を及ぼす、FRBのB/S縮小をおさらいする。
950億ドル/月の縮小へ
すでに、FRBはB/S縮小の見通しを公表しており、4/7のFOMC議事録で枠組みが語られている[1]。
具体的には、週央に開催される5月4日のFOMCから徐々に着手し、7月27日のFOMCまでに最高速に達する予定だ。
また、最高速では、米国債を600億ドル/月、住宅抵当証券(MBS)を350億/月ドルで減額し、合計で950億ドル/月でB/S縮小が行われる見通しとなっている。
注:添付の資料[2]で広瀬氏が分かりやすく解説してくれている。
B/S縮小で米金利は1段上へ
一般に、FRBのB/S縮小は、金利に対しては全体的な押し上げとして作用する[3]。
つまり、FRBのFFRの引上げに加えて、もう一つの金利上昇圧力が生じることになる。
米金利の上昇は、株式市場に対しては下落圧力で、ドル円為替には円安の圧力となる。
そのため、いずれでも影響を受けるのか/受けないのか、影響を受けるならどの程度のインパクトなのか注視が必要だろう。
B/S縮小で超長期金利は顕著に上昇
そのインパクトの大きさを推し測るために、前回のFRBのB/S縮小を振り返ろう[3]。
前回は年間で3,000億ドルのB/S縮小が行われ、その余波で20-30年の金利が0.6-0.8%上昇したという。
7月に向けて米株は要注意
一方で株価は、前回FRBがB/S縮小を進めた期間に-10.2%、-19.8%の下落を経験した。
岡崎氏は、「2018年10月から500億ドルペースになったら一気にパンクした」と指摘[3]。
今回もB/S縮小ペースが最高になったタイミングで、“何か”が起こるリスクも十分にある。
7月のFRBのB/S縮小最高速到達に向けて慎重に立ち回る必要があると言えるだろう。
Notes&References
[1] FRB, Minutes of the Federal Open Market Committee, https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20220316.htm (1st May 2022)
[2] 広瀬 隆雄, , FOMC議事録で、かなり大胆な今後の方針がハッキリしたhttps://media.rakuten-sec.net/articles/-/36758 (1st May 2022)
[3] 岡崎良介(なるほど!投資ゼミナール), 【FRB:金融政策のリスク】政策金利は怖くない/バランスシート縮小は怖すぎる(岡崎良介さん) [マーケットディーパー], https://www.youtube.com/watch?v=014FVY2HKz8 (1st May 2022)
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