なぜペット保険市場が伸びているのかを調べてみた
こんにちは、お金が入るでかねいりです。
少し前の日経新聞の記事に「ペット保険市場 1000億円」というものがありました。中身をみるとペット保険市場が伸びているというものでした。
そこで今回は、なぜペット保険市場が今、伸びているのかについて調べてみて考えたことをお伝えします。
■ペット保険市場について
ペット保険は、ペットの病気やけがの治療費などを補償する保険のことを言います。
ペット保険の市場は、さきほどの日経新聞に出ていたように約1000億円。この5年で約2倍の増加。右肩上がりに伸びています。
市場が伸びている要因はどこにあるのか?
そこでまず、ペットの飼育頭数はどうなっているのかを調べてみました。
犬の新規飼育頭数は右肩上がりになっていることがわかります。
毎年、全国の犬猫飼育実態の調査を実施している一般社団法人ペットフード協会によると、
とその要因を分析しています。
また、犬・猫の飼育頭数の推移を調べていく中で、次のようなことを調べてみました。
国内における犬・猫の飼育頭数は、ほぼ横ばいなのですが、15歳未満の人口は減少傾向。今や日本では、子どもの数よりもペットの数のほうが多いということがわかりました。
このことから子どもに使うお金がペットに使われるようになった可能性が考えられ、その延長でペットの保険にも目を向けるようになったということが考えられます。
■大手保険メーカーの動き
今度は、販売する側である保険メーカーの動きを調べてみました。
調べていくと、大手保険メーカー各社は、ペット保険に対しての動きを活発化させていることがわかりました。
オリックス生命は、ペットメディカルサポートのペット保険の通信販売を開始。第一生命HDは2023年3月、ペット保険大手のアイペットHDを完全子会社化し、東京海上日動火災保険も2023年3月、最大手のアニコムHDと資本業務提携しました。現在、ペット保険は約20社が扱っています。
前述のように、子どもの数よりもペットの数が多いことから、大手保険メーカーも力を入れていると考えられますが、一方で、ペット保険は、人に対する保険に比べ、支払額が低く、保険メーカーとしては収益性は高くありません。
そうした中、なぜ大手保険メーカーは、ペット保険に力を入れているのでしょうか?
■なぜ大手保険メーカーはペット保険に注力するのか?
保険メーカーの置かれている状況について調べてみました。
グラフを見て頂いてわかるように、市場規模は横ばい。
2012年から日本は人口減少が始まっており、今後の市場の拡大は見込みづらい状態。
一方で、個人の将来的な資産形成に目を向けると、少子高齢化により、国が現在提供している年金制度や医療保険制度では、安心できる状態ではありません。
そうした背景から、貯蓄や資産形成・運用を真剣に考える層が増加。コロナ禍で倒産や失業者が増えたという背景もあり、その意識がさらに高まりました。
そのニーズをとらえようと保険メーカー各社は、病気や亡くなったときに支払われる保険商品以外に、資産運用型の商品のラインナップを増やしました。
しかし、商品ラインナップは増やしている一方、業界のもうひとつの悩みが、若い夫婦・家族との接点がなかなかつくれないことでした。一昔前であれば、会社に保険レディが出入りをして保険を勧める光景が見られましたが、今はコンプライアンスやセキュリティの観点から、そうしたことができなくなりました。
この打開策として、大手保険メーカーが注目したのが、ペット保険だったのです。
ペットを飼う若い夫婦や家族の層に対して、ペット保険を通してアプローチをかけ、その後に、資産運用系の商品を展開していこうという狙いだったのです。
ペット保険で儲けるのではなく、マーケティングの入口としての商品としての立ち位置で使用していることがわかりました。
今後のペット保険の市場の動きや、それに伴う大手保険メーカーの動きに注目していきたいと思います。
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