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ライドシェアを日本で絶対に広めたほうが良い理由 ~渋沢栄一の合本主義~

こんにちは、お金が入るでかねいりです。

先日、ニュースを見ていたら、日本版ライドシェアが進んでいないということが話題に上がっていました。

そこで今日は、日本版ライドシェアがなぜ進んでいないのかについて調べて考えたことをお伝えできればと思います。

■ライドシェアとは?

ライドシェアとは、一般のドライバーが自家用車で乗客を有償で運ぶサービス

ライドシェアのパイオニアであるウーバーは、70か国100都市以上で展開をしています。

2024年8月6日に発表されたウーバーの2024年4-6月期決算では、売上高が前年同期比16%増と市場予想を上回りました。この発表を受けて、ウーバーの株価は米株式市場午前の取引で8%超の上昇となりました。

部門別では、ライドシェア事業の売上高が、中南米とアジア太平洋地域を中心に予想以上に伸び、前年同期比25%増の61億ドルと成長を大きく牽引。ダラ・コスロシャヒCEOは「ウーバーの成長エンジンは引き続き好調で、6四半期連続で乗車数の増加率が20%を超え、収益性も過去最高を記録した」と述べています。

しかし、日本では、有償で人やモノを運ぶためには、国の認証(資格)が必要なため、一般の人はドライバーになることができません。

■日本版ライドシェアとは?

そうした中、全国各地で、地域住民や来訪者がタクシーや公共機関を使えない「交通空白」の解消に向けて早急に対応していくことを目的に、一部規制を緩和して、日本版ライドシェアが2024年4月にスタートしました。概要は以下の通りです。

【実施区域】
・東京都(東京23区、武蔵野市、三鷹市)
・神奈川県(横浜市、川崎市など)
・愛知県(名古屋市、瀬戸市など)
・京都府(京都市、宇治市など)
※2024年4月現在

【実施時間】
地域ごとに定められた曜日や時間帯に限ってサービスの実施を認める。
例えば、23区の場合、
・平日の朝7時~10時まで
・金曜と土曜の16時~19時まで
・土曜の深夜0時~朝4時まで
・日曜の朝10時~13時まで

【運営管理】
海外でのライドシェアと異なり、国土交通省から営業を許可されたタクシー事業者が運行管理。

見て頂いてわかる通り、日本版ライドシェアは、規制がまだまだ強いことが特徴です。

なぜ規制が強いのでしょうか?

それは、タクシー業界の反発が強いためです。ライドシェアを解禁してしまうと、タクシー業界の仕事が奪われてしまう可能性があります。そうしたことから、タクシー業界からは「タクシーは需要不足ではない。だからこれ以上ドライバーを増やしても供給過剰になるだけ。」ということを強く主張し、ライドシェアに猛反対をしています。

タクシー業界の主張を無下にできない政府は、ライドシェアを拡大するかどうかの論点を「タクシーの需要が不足しているのかどうか」に置き、議論を進めている状況です。

■アメリカでウーバーに乗ってみた

実は最近、機会があり、アメリカでウーバーのライドシェアに乗る体験をしてきました。実際に乗ってみて感じたことは、その快適さでした。

・クルマのタイプを選べる
・運転手を選べる
・運転手と話をしたいかどうかを選べる
・クルマが今どこまできているのか地図でわかる、当然、到着時間もわかる
・お金の支払いはアプリで完結でわずらわしさなし

運転手の方はとても気遣いのできる方で、運転も丁寧で不便や不満を感じることは一切ありませんでした。

仕事柄、日本でタクシーを使うことが多いのですが、最近、運転手のレベルが下がってきていると感じます。一番は道を知らないこと。乗ってから住所を確認して、ナビに住所を入れる。その間、料金メーターはまわっている。また、顧客対応についても会話が成立しないことが多く、接客業という意識の希薄さを感じざるを得ません。さらには、料金を支払い終える前にドアを開けてしまうケースも多く、夏の暑い日や冬の寒い日にそうされると非常に不快な気持ちになります。

日本のタクシードライバーは決してプロとは思えない品質だと考えます。

■日本版ライドシェアの本来の論点とは?

そうしたことから、私はライドシェアの論点は、「タクシーの需要の問題」ではなく、「タクシーの品質の問題」なのではないかと考えます。

タクシー業界のサービスが高まっていない、高まる仕組みがないことが問題であり、さらに言えば、そこを問題として捉えていないタクシー組合が問題ではないでしょうか。

私のように現在のタクシー業界の品質に満足していない消費者も多いと考えます。しかし、規制で守られているため、品質を上げるための良い意味での圧力がかかりません。規制のない本来のビジネスの世界であれば、淘汰されていてもおかしくないレベルだと考えます。

アメリカでウーバーを体験し、感じたことは、品質を高めるための仕組みがしっかりとあるということ。
ウーバーの運転手になるためには、厳しい審査があります。
また、運転手は毎回毎回、ユーザーから評価を受けます。
評価が悪くなれば、ユーザーから選ばれなくなる可能性が高まります。

健全な競争がサービスの品質を上げ、それがユーザーから選ばれる理由になっていくそのサイクルが世の中を良くしていく。ウーバーはまさにこの考え方に沿って展開をしていると感じました。

このウーバーの考え方は、渋沢栄一が生涯目指していた「論語とそろばん」であり、「合本主義」と同じと考えます。

渋沢栄一が大事にしていたことが「公益」。渋沢栄一は「独占」を嫌いました。岩崎弥太郎に一緒に日本を牛耳ろうと持ち掛けられ、それをキッパリ断ったという話は有名ですが、渋沢栄一は自分たちだけ良くなるのではなく、かかわる人がみんな良くなることを考えていました。そして、それが永く続くこと。このことを一番に考えていました。

そのための手段として最適だと考えたのがビジネスであり、競争でした。そして「競争こそ公益。進歩・成長こそ公益。」という言葉を遺しました。渋沢栄一がもし生きていたら、タクシー業界や政治家が論じている「需要」の問題をぶった切り、ライドシェアをどんどん推し進めるのではないでしょうか。

改めて渋沢栄一の偉大さを実感するとともに、日本の政治家の皆さんに「論語とそろばん」を今一度、勉強して国会に臨んで頂きたいと切に願っております。

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