【デザインプロセス公開】会社のリブランディングを社内のデザイナーが行った話
こんにちは、UPPGOというスタートアップで働いているデザイナーの永尾です。かれこれ一年近くも前の話になってしまいますが、UPPGOは2022年4月にリブランディングを行いました。
今回のリブランディングはMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の刷新や新しいロゴのデザイン、コーポレートサイトのリニューアル、グッズの作成など様々な取り組みを行いましたが、ミッション・ビジョンの言語化だけ外部の方にサポートしてもらい、それ以外のデザインは全て私が一人で行いました。コーポレートサイトの開発に関しては社内唯一の凄腕エンジニアの方にお願いしたので、ほとんど内製で行ったリブランディングプロジェクトになっています。
このnoteではスタートアップで働くインハウスのデザイナーがどのようなプロセスで会社のリブランディングを行ったかお伝えできればと思います。
※旬を過ぎた話とはなりますが、いろいろやったのにデザイナーとして外部に発表しないのはもったいないな〜思い記事を書いてみました。
リブランディングの背景
元々UPPGOはデジタルマーケティングのプロフェッショナル集団として成果重視のパフォーマンスマーケティング事業を展開していましたが、新たに社会課題を解決するサービスを生み出すためのコミュニケーションデザイン事業が立ち上がり、それまでのマーケティングに特化していたMVVとの乖離が起きたため刷新することとなりました。
MVVの刷新
MVVの刷新するにあたってまずはボードメンバーと複数回ディスカッションを行いました。メンバーそれぞれが今後の事業を踏まえた上でミッションに入れたいキーワードを持ち寄り、アイデアを発散していく方法を取りましたが、なかなか一つの文章としてまとめることができずにいたので、外部の方に言語化のお手伝いをしてもらうことになりました。
ワークショップを開いてもらいメンバーがここに至る理由や会社が目指したい世界観等をそれぞれ出し合い発散し、出てきたワードをさらに深掘りして言葉と言葉を繋いでいきます。これを2回繰り返してミッションとビジョンをまとめていきました。
新MVV
【Mission】ITを通じて踏み出すキッカケを作る
【Vision】自分らしく生きる人を増やす
【Value】行動優先・チャレンジ精神・No.1
バリューに関しては据え置きましたが、もともとのバリューが長く分かりづらかったのでそれぞれの項目を象徴するワードを決めて運用することになりました。
ロゴデザイン
ロゴは以下のポイントに注意して複数案作成し議論と投票を得て決定しました。(ロゴタイプは基本的に変えずシンボルマークの追加がメイン)
1.ロゴにシンボルマークを追加
現行の矢印(ロゴとは別の装飾用の物)のイメージはブランド想起に繋がらないので廃止
シンボルマークはMVVと社名からヒントを得てデザイン
デジタル上での視認性や様々な媒体でも記憶に残りやすいようにできるだけシンプルにする
2.ベースのロゴタイプは踏襲し小文字に統一
現行のロゴタイプはシンプルで扱いやすく親しみやすさもあり、小さくしても視認性高いので踏襲
シンボルマークとのバランスを取るために小文字で統一
3.ブランドカラーは黒を踏襲
これから色々な新規サービス立ち上げや「自分らしさ」という観点から特定の色を付けるというよりは、いろいろなカラーに合わせやすいである無彩色が事業形態やビジョンにマッチする
上記のポイントを踏まえ、主に「キッカケ」「自分らしさ」というキーワードを軸に複数のシンボルマーク違いのロゴをデザインし同時に仮デザインのコーポレートサイトの画面にロゴを入れたモックを用意してリニューアル後のイメージが少しでもイメージしやすいようにしました。
そして、ボードメンバー議論した結果、「UPPGOのU」+「USERのU」+「SMILE(Uの形状)」+「上昇(直角三角形)」を組み合わせたコンセプトが審美性及び社名も踏まえた観点でUPPGOらしさ表現できているということでD案に決定しました。
会社サイトリニューアル
ロゴができると次はコーポレートサイトのリニューアルに取り掛かりました。コンテンツを決めるために簡易的なペルソナとジャーニーマップを作り必要なコンテンツをボードメンバーと議論しながら洗い出していきました。
ペルソナとジャーニーマップ
サイトマップとワイヤーフレーム
コンテンツが決まるとサイトマップとワイヤーフレームを作成しリニューアルサイトを徐々に具体化していきます。
ワイヤーフレームは後で私自身がデザインを行うので、あまりディティールは詰めすぎずにざっくりと主要なページとコンテンツが分かる程度の粒度で作成しました。
ビジュアルデザイン
以前のサイトはコンテンツ自体が少なく事業内容が分かりづらかったのとテキストオンリーで情緒的な表現がありませんでしたが、リニューアル後のデザインは全体を通してロゴの角度に合わせたグレーのグラデーションやロゴの角度で切り抜いたキービジュアルを使いプロフェッショナル感と洗練されたイメージを表現しました。
トップページでは「自分らしく生きる」というビジョンと内からキラキラ輝く若い女性をメインビジュアルにし、UPPGOの2大事業であるパフォーマンスマーケティング事業とコミュニケーション事業のシナジーをインフィニティーマークを使いインパクトのある形で伝えています。
リニューアルしたコーポレートサイトはこちら↓
MVV浸透のためのグッズを作成
最後にリブランディングの記念としてロゴ入りパーカーとMVVの浸透施策としてステッカーと社内に掲示するポスターを作成しました。パーカーは安っぽくならないように刺繍のワンポイントロゴでシンプルなデザインにしたのがこだわりポイント。
2ヶ月後にMVVの浸透度を調査してみた
リブランディングから約2ヶ月後に実際どれくらい社員にMVVが浸透したのかGoogleフォームを使って選択式のアンケート調査を行ってみました。
結果ミッション・ビジョンに関しては正答率が8割で、ある程度定着していました。しかし、バリューについては3つ全て正解できたのは5割程度と課題が浮き彫りに。
振り返り
今までコーポレートサイトのリニューアルやプロダクトのリブランディング は経験したことがありましたが、MVV策定からロゴ&コーポレートサイトのリニューアルなど丸ごとリブランディングしたのは今回が初めてでした。MVVの言語化には苦戦して外部の編集のプロにまとめてもらいましたが、それ意外はスムーズに進めることができました。
要因としてはプロセスに色々なブランディングの手法を取り入れることなく、デザイナーが考える会社にとってあるべき形(特にロゴ)をさっさと作って見てもらい議論しながら進めたことにあるかなと感じています。先に形を考えロジックを後から通していくという感じですかね。
今後
ブランディングは作って終わりではなく中長期的に磨いていかなければならないので、インナーアウター含めMVVの浸透をより一層深めていくのはもちろん、広報や営業と連携した取り組みや採用者向けのコンテンツの拡充など様々な施策を実行していく必要があると思っています。
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