どうなるの?日本の英語教育(1)
<非当事者からの たんなるボヤキかも>
新学習指導要領に変わる前後から、とりわけ小学校の英語(外国語)教育の今後のあり方について学校現場は大きく揺れ動いていることを感じます。ボクなんかは、「英語学習は中学校からでもいいじゃん」とか「今まで通り、5,6年生が週1回、アクティビティー中心に楽しむだけでも十分だよ」と心の中では思っていますが、未来志向で前進を目指している先生方の努力に水を差すような言動はしたくありません。
ただ、最近の外国語教育の動向を(傍観者的な立場から)見てみると、理想を目指している姿勢は素晴らしいけれど、専門的な立場の方々のリーダーシップの取り方が、なんか全体的に前のめりで、現場の一般的な先生と十分に共有できていないのでは・・・という印象です。
教育委員会からは「研修に励みなさい!」とか「小中の授業連携をしましょう!」とか号令はかかりますが、現場の先生には、プレッシャーそのものであり、モチベーションアップにはなっていません。現場の先生は、外国語学習に対しても、その他の教育改革についても、その大切さは頭ではなんとなく理解していても、矢継ぎ早に「ああしなさい」「そのやりかたはだめです」と言われると、気持ち(体も)追いつかないのです。その結果、せっかくの新しい試みに対しても、前向きになれないのです。
<こんなことがありました>
本市では、毎年、1月末に”教研式標準学力検査 (CRT-Ⅱ)目標基準準拠検査”が実施されます。
1,2年は、国語と算数
3年は、国語、算数、理科
4年以上は、国語、算数、理科、社会 ※5年生は知能検査も含む
5年生については、テスト・採点費用は、公費もち(すなわち強制)
それ以外は、自費(やるやらないは、学校裁量ですが、やらない学校はないのが現状)
昨年度(令和2年度)は、これに、5年生に英語が加わりました。
6年生の英語については、学校裁量に任されました、ボクの学校では、ボクと6年担任で、問題内容を確認して、「こんな問題を解くような英語学習はしていない。やることへのメリットは見いだせない」ということで、採択を見合わせました。ちなみに、6年生担任は、次年度(令和3年度)に市教育研究集会の外国語部会で実践発表をする(した)レベルの先生で、外国語学習についてはとても前向きで、中学校の先生とも連携をとりながら実践を積んできました。その先生が、上記の英語テストを見て、「これをもしやったらクラスの子たちは点をとれない」と悲鳴に近い声をあげたのです。
5年生の英語テストについても、同じ状況でしたが、これは公費扱いなので、受けさせざるを得ません。
テスト問題の一部には、英語のつづりを見て、答える問題や、英語のつづりを見て、正しいものを選ぶというタイプのものがありました。
5,6年生も、教科書やデジタル教科書を使って、ALTの先生のサポートも受けつつ、”聞く・話す”を中心に元気いっぱい楽しそうに授業をしていました。
でも、英単語を読む・書く(そしてそれを覚える)という活動には力を注いではいませんでした。それは、手を抜いたというより、そういうことが要求されていたということを認識していなかったということです。
仮にも”標準学力検査 ”です。 標準 なんです 問題作成・監修者は、〇〇大学の権威ある先生方で、新学習指導要領に基づいています・・・とテスト表面に明記されています。
子どもが使う言い訳で「聞いてなかった・・・」がありますが、まさにその状態です。・・・本校だけの問題なのかな?仕方ないから、テスト時に、〇番と〇番の問題は、削除して(これは学校裁量で可能)して実施しようと思っていたところ、テスト直前に、本市の外国語学習の主任的な立場の先生から、各学校に、〇番と〇番の問題は、本市の学習では扱わない(力点を置かない)ので、削除してもよい。(これまた学校裁量)とアナウンスされました。本校だけの問題ではなかったのです。
これって、本市だけの問題だったのしょうか?
令和3年4月、今年度がスタートしました。今年度から、中学校の教科書が新指導要領に合わせて、新しくなりました。
中学校で1年生の英語を教える先生から直接聞いた話です。(たまたま近くにいた先生から雑談で聞いた話であり、実際に確かめたわけではありませんが)
「新しい英語の教科書には、”小学校で習った単語”という表記がある。でも、実際には、少なくとも、自分の中学校に来た子たちは、それを読めて、書けるレベルにはなっていない。中一の最初の段階で、それらを書けて、読めるレベルまで(短期間に)引き上げるのは、かなりの負担だ」
「中学校の先生の中には、「えっ、小学校で教えてもらっているハズでしょ」、「〇〇小学校の子たちはできるけど、▲▲小学校の子はできない」とか生徒の前で言う先生もいる。これが、小学校の先生への不信感にもつながることが心配だ」
でも、しっかりフォローもしてくれた。
「今度の1年生は、全体的に、”話す””聞く”、とりわけ会話が以前よりすごくできるようになっている。3,4年生からアクティビティを通して英語に慣れ親しんできた成果はちゃんとでている」
こういったことは、ある一部の地域、学校だけのことなのでしょうか?
すでに、新指導要領のもと、新教科書を軸に、英語学習は進行しています。
「英語嫌い」「格差」が増えないように、ボクたち現場は、どうしたらよいのでしょうか?
実際に授業をする立場でもないボクが、あれこれ言っても、何も変わりません。それどころか、とにかくにやってみよう!というポジティブな動きに水を差すようなことにもなりかねません。
<だったらどうする ボクができることはなにか>
そこで、ボクはボクの立場から(前に)動いてみたいと思います。
・”話す・聞く”を中心したコミュニケーション力はこれまで同様、小学校の英語学習の柱にしつつも、”読む・書く”についても、楽しめる活動を通して無理なくきちんと身につけさせる。
・あくまでも楽しく!早期に「英語ぎらい」を生み出さないように
・「これだけは覚える」という枠や基準を明示する。覚えることはきちんと覚えること! 暗記はつまらないと大人が勝手に決めつけない。楽しく、意欲的に暗記する方法もある。
・「英語で伝えたい」という子どもたちの思いを引き出し、その実現をサポートしたい。
この4つの視点を基準に、ボクはボクなりに、行動をおこしました。
(長くなってしまったので、次回に続けます。)
ここまで、読んでくださった方に、心より感謝申し上げます。
2021年10月10日 カネッチ
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