梨食べたい人の将棋解説3局目その4

初めましての方は初めまして。
そうでない方はいつもありがとうございます。
『梨食べたい』です。
今回は自戦記解説3局目の続きとなります。
前回までの記事はこちらです。


再掲第9図:☖2二角

突き捨てに応じない

第9図以下の指し手
☗2四歩☖4四歩☗2三歩成☖4五歩☗2二と☖4六歩
☗同角☖5六金☗5七角☖同金☗同銀
(第10図)


第10図:121手目☗5七同銀

 元々☖2二角と引いたのは跳ねた桂馬を捕らえるためのスペースを空けるためです。第9図で突いた☗2四歩は放置すると「と金」に成りますが、取られるのは歩だけです。それなら☖4四歩~☖4五歩として桂馬を取りながら金にも当てる方が価値が高いと判断しました。

 実際にそのように進み、その後は角と金桂の交換となりました。先手としては交換せずに金を逃がしても☖4四角とされて失敗となります。

 ただ☖4四歩の瞬間に☗5五金なら先手指しやすいままでした。この瞬間だけは後手の角が使えないのが痛いです。

 本譜は突き捨てからの「成り込み」が余計となってしまい、後手優勢になりました。


チャンスを逃すもまだまだ優勢(勝勢)

第10図以下の指し手
☖5三金寄☗1一と☖6五桂☗8五香☖8四桂☗6五桂
☖同銀☗7七桂☖7六銀☗7三歩☖同金☗8四香
☖同飛☗6五桂打☖6四香☗7三桂成☖同玉☗6五歩
(第11図)


第11図:139手目☗6五歩

 第10図では☖5六歩が勝りました。☗同銀なら☖4六角の王手が激痛です。☗5七金と防いでも☖3七角成が飛車銀両取りとなります。本譜は自陣に手を入れたために相手の攻めを加速する結果になりました。

 それでもまだ優勢です。これからの展開を思うと、まだまだかわいいものです。


攻めの解体をする

第11図以下の指し手
☖5六歩☗6四歩☖5七歩成☗6三歩成☖同金☗4六角
☖6四桂☗5七飛☖6八銀☗同金☖同歩成☗同玉
☖6七金☗同飛☖同銀成☗同玉
(第12図)


第12図:155手目☗6七同玉

 香車を取られてもまだ大丈夫なので☖5六歩と攻め合いました。銀で取り返すと☖7七銀成~☖6八角で崩壊します。先手としても取り合いは仕方ないところでしょう。

 それでも☗4六角などの攻防に働かせる一手を放ったりして粘りを見せています。段々と飛車角が活用され始めたので、駒損でも取り切ることで自陣への脅威を退けるようにしました。


 その4はここまでになります。次回その5(最終回にして最大の波乱)となります。


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