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人から借りた本

夫のちんぽが入らない、読みました。

こんな私に、何故この本を勧めてくれたのか。読み進めるに従ってよく分かりました。親との拗らせ、地域との拗らせ、そして自分自身の拗らせに振り回される筆者に「普通」だったらどれだけ幸せか、と日々思う自分が重なりました。

これが私小説だという衝撃。節ごとに実年齢が書かれていて、それを30の今の自分に重ね、まだまだこの先何があるか分からんぞという絶望。職場や家事育児のストレスだけじゃ無く、家族の心身の健康も大きな障壁になるのかという気づきと不安(余談ですが椎名林檎の意識という曲の中の一説《子供を持てば軈(やが)て苦痛も失せるのか》が、いーーや本当そう!と何度も唸る私です)。安易な共感や周囲との価値観を擦り合わせることをせずとも、その夫婦間で寄り添う道を選ぶことが出来ればそれで良いんだという希望。

流行り物への読まず嫌いと、題名の大きすぎるインパクトとで距離をとっていた作品でした。今回貸していただいた際も少し懐疑的と言いますか、正直えーどうなの?って思っていました。が、エッセイと小説の中間のように読みやすく、キャラも秀逸でとても魅力的な作品でした。

他人の人生録なので、また読みたいとも思いませんが、息子にも読んでほしい一冊にはなりました。

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