少数株主としての戦い(きっかけ)①
「少数株主」と聞いて、皆様は何を思い描くでしょうか。上場企業の株を購入したことがある方は、まさにそれだと思っているかもしれません。私も、数年前株を初めて購入した際、「テラ株式会社」を株価100円程度で安価だったという単純な理由で購入し150円で売却したことを記憶しています。その後すぐに、20倍の2,000円近くまで上昇し、早く売却してしまったことをひどく後悔しました。(笑)
その時、私は一時的に少数株主となったわけですが、今回初めて投稿させていただくのは、この上場企業の株主ではなく、中小・零細企業の株主について、そこから得られた経験を紹介していこうと思います。
中小・零細企業の株主になる機会は多くはないかもしれません。しかし、日本の企業の99%以上は中小・零細企業であり、会社設立、事業承継、相続でその株を取得する機会がほとんどではないかと思います。特に、相続により親族が所有する会社の株を取得する方が多いと推察され、私の母も、祖母から中小・零細企業の株を相続しました。
私の祖父母は、戦争が終了した後、会社を立ち上げ、肥料や米を中心にビジネスを展開していました。母は一人娘で、主婦となったため会社には特段携わらず、少数の株式を所持するだけであり、祖母が他界した後に相続で株を取得しました。(その当時はあまり深く考えずにいたようです)
祖母がまだ健在の時に、母が後を継げないこと、業績が上がらず今後の見通しが立たないことから、会社を清算して、株主(=従業員)に財産を分配してほしいと母へ依頼し、その際に、信頼できる方を監査役へ就任させて、祖母は一線から退きます。当時の会社は親族を中心に10名にも満たない、超零細企業でした。また、従業員に株を持たせており、同時に株主でもありました。
その後、祖母の指示通り監査役を中心に、会社の清算準備を進め、事務所+その土地が2か所を所持しており、一度に土地を売却して資金を捻出するよりも、時間をかけて段階的に処分したほうが、税金の関係上良いだろうとの監査役の助言に従い、手続きを進めました。その中で、従業員(親族)へ退職金を支払う形で解雇し、数年後に清算を完了させる予定の上、つなぎの間、従業員であった男(仮にXと呼ぶ)が代表取締役に就任してその処理を行うとしておりました。しかし、この男Xこそが、この後、大問題を引き起こす原因を作ってしまったのです。
その後何度か、母親が「X」に対して、清算手続きはどうなってるかについて何度も確認したのですが、「年金がもらえるまで続けさせてほしい」、「子供のために続けさせてほしい」、「株を譲ってほしい」などとその都度異なる理由を挙げて、うまくすり抜けてきました。当時母親は株や会社法について知識が乏しく、うまくだまされてきました。余談ですが、今まで詐欺師的な方々と接してきましたが、特徴は下記のとおりです。(あくまでも私見)皆様も騙されないように気を付けてください。ちなみに、「X」特徴は下記3そのままでした。(笑)
自慢を永遠に話す。
自慢や功績を長々と文章にして、人に送りつける
口がうまくその場は丸め込むが、その場しのぎの為、過去の主張と一貫性がない。
母親も病気などで入退院を繰り返しており、なかなか会社の清算に関しては注力できずにおり、時間だけが経過していきました。そのような中、数年前に母親宛に「株式譲渡承認書」なるものが届き、なんじゃこりゃと思い、直接「X」へ直接電話してその内容を確認したところ、「とりあえず押印して、書類を送ってくれ」「株価がなくなるかもしれないので、早く送ってくれ」、「株主総会はやってない」、そしてひと悶着あり、最後に「会社は俺ものだ」と捨て台詞を吐き、電話を切ったようです。そして困った母親は、息子の私に助けを求めてきてたことが、今回の少数株主としての戦いが始まることとなるわけです。祖母は、途中他界し、すべての株を母親が相続しておりましたが、持ち分数さえ不明で、どう対応すべきか全く初めてのことでしたので、戸惑いつつも、私自身少数株主ではないのですが、母親の代理として、この問題の解決にあたり、多くのことを学びました。
本件は弁護士へも依頼し、裁判へも発展しましたが、その過程で少数株主として戦う術を学びましたので、得られた知識を皆様に共有し、似たような問題で困られてる方のお役に立てれればと考えています。少数株主は、それだけで不利な状況にあります。しかし、戦略次第でその立場を逆転することさえ可能であると思っておりますので、経験をお伝えしたいなと。本件は中小零細企業(非公開会社)の株主を前提として、次から具体的な話を進めていければと思っております。
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