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【和歌山ファイティングバーズ】最大球速差50キロ!西垣彰太のこだわり

圧倒的

14試合で7勝4敗1セーブ。
101回2/3イニングを投げ、99奪三振。完投5回。7勝、そして投球回、奪三振数、完投数はリーグトップだ。
(成績は8月12日現在)

投球イニングは2位の西澤宙良(堺 69回2/3)を32回以上上回っている。奪三振数も2位の西澤にほぼ倍の数を付けてトップを走っている。

ほぼ毎試合100球以上を投げ涼しい顔でベンチに戻っていく。多い時には150球ほどを投げる。分業化が進む今の野球界では早々見られない光景。

それが和歌山のエース・西垣彰太だ。

こだわり

「投げる回数とかそのあたりはチームや監督にわがままを言っているところはあるんですけど」
と、前置きしながら、「どこも痛くないですし、怪我をしないようにテーピングを施したり、イニング間のストレッチは欠かしてないです。いい感じで投げられています」

投げすぎ、という感覚ではなく、ケアをしながらしっかり投げられているようだ。

そんな西垣のこだわりを聞いてみた。

「三振はシーズン前から取っていこうと決めていました。そこに関しては自信があったので、今の数字には納得しています」

なぜ三振がよく取れるのか。ストレートの最速は143キロ。特別速いというわけではないが西垣の武器は『緩急』だ。

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同じ腕の振りから放たれるチェンジアップは110キロ台。そしてカーブは90キロほど。そこに140キロ台のストレートがズドンと放たれる。球速の差は最大で50キロ程度になる。NPBの投手でも50キロ差の緩急を操る投手はそうそういない。容易には打てない。

「はやく奪三振数を3ケタに乗せたいですね。奪三振率も9に乗せたいです」

そしてもう一つのこだわりが長いイニングを投げることだ。

「途中で変わりたくないんですよ。交代するにしても、ランナーを残して次のピッチャーに託すんじゃなくて、自分の出したランナーはしっかり押さえて、回の頭から次のピッチャーを投げられるようにしたいなと思っています」

今時「先発完投」なんて言うこともなかなかない。NPBでも「あればラッキー」ぐらいのものだ。

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しかし、日程がこの後過密になる中で、1試合に投げられる投手を減らしていくことも重要だ。和歌山には奥西亮介や中林達哉、山川直人といったロングリリーバーがいるが、そういった選手の負担を減らすことができるのも、役割の一つになってくるだろう。

アクシデント

満を持して8月5日、黒田庄ふれあいスタジアムのマウンドに上がった西垣。

しかしこの日の最高気温は37度。朝から練習に励んでいた神戸三田ブレイバーズの投手陣がすでに1試合終わったような顔でへばるぐらいの暑さだった。

1回に失策が絡み2失点、4回にも聖にサードへの内野安打を打たれ失点。その後無失点に抑えるが8回、先頭打者に四球を与えたところで降板。足を引きずってマウンドを降りて行った。

「実は4回ぐらいから足をつってしまっていて……それでも5回に1点返してもらって1点差だったので行けるところまで行こうという話になってたんですが……神戸三田は7回から投げる中継ぎがいいので最後もしっかり抑えておきたかったです」

こだわっていた部分ができなかった、チームに勝ちを付けられなかった……というところで悔しそうな表情を浮かべていた。

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(試合後、神戸三田の來間孔志朗投手に「どうやったらあんなカーブ投げられるんですか?」と教えを乞う西垣)

手ごたえと残りシーズンへ

積み上げた数字は申し分ない。5月25日にはオリックス・バファローズ二軍相手に3回無失点とNPB相手にも結果を出した。

「やっぱりスイングの鋭さとかはこのリーグのものと違うなと思いましたし、ある程度打たれるのかなと思っていたのですが、案外大丈夫でしたね」と振り返った。

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「まずは10勝と100奪三振に早く到達したいです」

リーグは混戦模様。2018年以来の優勝へまだまだイニングと三振を積み重ね続ける。

※追記
8月16日の試合で奪三振数が104に到達しました。


(取材日:8月5日 8月8日 SAZZY)

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