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【強打者候補の今】和歌山ファイティングバーズ渡邉開登、神戸三田神吉亮太

和歌山ファイティングバーズ 渡邉開登

叫んだ一打

和歌山ファイティングバーズ・3年目の渡邉開登。チームのムードメーカーとして、そして今季はチームの主軸として7月25日現在、打点と安打はチーム3位。深谷力、生島大輔といった選手たちとともにチームの首位躍進に一役買っている。

(ムードメーカー担当(?)松本聡(左)と渡邉開登(右)

昨年は打率1割台と苦しんだが、今季の好調の要因は意外なものだった。
「川原監督から『フルスイングを控えろ』と言われまして……」

1年目から豪快なスイングが持ち味だった。空振りが画になる選手でもあったが、「確実」を取っていった。

開幕を7番で迎えたが調子がよく、5月24日の試合ではライトフェンス直撃の大飛球を放った。広くフェンスの高い田辺でなければおそらく入っていたであろう当たり。塁上で悔しがっていた。

打順もクリーンナップを任されるようになってきた。5月24日の2試合目ではついに4番に指名された(降雨のためノーゲーム)。

(5月24日2試合目、4番に入った渡邉)

課題だった守備も安定し、レフトからの好返球も見せるようになってきた。
そんな渡邉が光ったのが6月24日の堺戦だった。

8回まで堺の先発・糟谷颯が完封ペースで投球を続けていた。0-2で迎えた9回裏、先頭の松本聡、続く深谷が四球を選ぶと、4番の西河洋樹が犠打。しかしそれが野選となって、無死満塁。投手が吉田亘輝に代わった後も、長尾勇輝の犠飛で同点。さらに生島のヒットで攻め立て1死満塁。そこに渡邉の打席が回ってきた。

「満塁だったので直球が来るだろうと読んでいた」と、バットを振りぬくと、打球はライト前に。

渡邉が叫んで一塁に到達するが早いか、石原司や丹羽竜次が水を持って渡邉にかけ始めた。

(水を浴びる渡邉。なお、スポーツドリンクが入っていたらしく、相当べたついたらしい。かけているのは石原)

ダブルヘッダーの2試合目、10時前から行われた試合から実に6時間以上が過ぎていた。その試合を締めくくるにふさわしい一打だった。

「打った瞬間叫びました。まだまだいきますよ!」

着実に首位を走る和歌山において、メンタル面でも実力面でも必要な選手に。ここから暑い夏に入るチームを盛り上げていく。

(取材日:6月24日、7月3日)

神戸三田ブレイバーズ 神吉亮太

なりたい姿

「いやぁ、今も色々変えながら試行錯誤してやってます」

すっかり神戸三田ブレイバーズの4番打者として定着した神吉亮太。
打撃での貫禄、風格はリーグ屈指。

しかしここまでに至るまで、まだ実感はないという。

(聖火ランナーをイメージしてます。と言って走る神吉)

「去年まではインパルス(二軍)にいましたし、一軍の試合に出るのも初めてだったので……調子もそこまでいいとは思ったことがないです」

それ以上にシーズン前から橋本監督が「神吉のパワーがすごい」と太鼓判を押していた。

4番を打ち続け、リーグ代表選抜にも選ばれた。その次の試合ではホームランも放ったが、本人の理想としている打撃は、少し違うらしい。

(代表メンバーの中で練習をする神吉)

「井端(弘和)さんみたいになりたいんですよ。右方向に打球をしっかり打てる選手になりたいんです」

井端といえば言わずと知れた右打ちの名手だ。
神吉のバッティングの結果自体は特に右打ちに偏ったものではないが、広角にしっかり打てていることがわかる。

しかし、勝負所でライト前に狙って打球を打つシーンは確かによく目にする。

7月11日の堺戦、3点を追いかける9回、無死満塁からしっかり右方向に打ち返し、2点差に迫るタイムリーを放った。もはや名人芸だ。

(右方向に打球を飛ばす神吉)

そんな神吉もこれまで2度リーグ選抜に選ばれているが、「やはりレベルが違う」と思ってはいるようだ。今後もおそらく選抜に選ばれていくであろう神吉に見てほしいところを聞いてみた。

「フルスイングですね。そのうえで右方向の打球をスタンドに叩き込みたいです」

神吉のパワーとテクニックでさらに順位を押し上げることができるか。勝負の夏が始まる。

(取材日:5月25日、7月9日、7月11日)

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