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やっぱり、なんとなく、徳冨蘆花。

秋のせいか、それとも歳のせいか、わかりません。

「感受性」という言葉の枠には納まることができない、細胞までも震えてしまうような、そんな不思議な出来事が最近よくあります。

なんとなく「今日は、蘆花かな・・」と思ってnoteを開けると、Sさんの「珊瑚を踏む」というマガジンに心惹かれます。(その時、たまたま裏で流れていた音楽はこれ

そもそも、さんごのみやこさんの「さよならの都」の世界も、心のどこかにしまってあったので、それが「ふわっ」と解き放たれてしまいました。


困りました・・・浮遊してしまうのです。

目を瞑ると輪郭が曖昧になって、原型がなくなるような・・・

ただあるのは安心感と、心地良さだけなのです。


だからあわてて、徳冨蘆花の「自然と人生」を手にしました。

ページを開くと、そこは春でした。


春の海  


不動堂に腰かけて海を眺む。

春の海溶々として漾々たり。

或所は大なる蝸牛の這ひたる跡の様に滑りて白く光り、或所は億萬の鱗族ざわめく様に青く顫へり。

磯近き水は透明にして明礬色を帯び、圓き石個々紫の蔭を持して水中に横はり、茶褐色の藻は梳りたる髪の如く磯岩を纏ふ。

波と云ふ程の波はなくて、唯搖々たる海のスウエルは、衣の皺をも熨す様に、一つづつずうと押寄せ来りて磯に砕け、岩の凹窪に入りてはたぷりと響き、小石に散りてはざあと囁めく。

見突きの舟あり。時々棹を舟の上に落す音かたりと響きぬ。鮹鰕など突く男あり。ざぶざぶ浅水を渉りて、足元より鱗々の銀を踏み出す。



今日は、このまま・・・

滑らかに漂う、温かい海の温度を感じながら・・・

夢を見ます・・・




拙い文章を読んで頂いて、ありがとうございました。 できればいつか、各国・各地域の地理を中心とした歴史をわかりやすく「絵本」に表現したい!と思ってます。皆さんのご支援は、絵本のステキな1ページとなるでしょう。ありがとうございます♡