「お醤油、貸して~!」ってことが、あったよね。
先日美容院で、カットしてもらっていた時のことです。
美容院のお隣の若い奥さんが、何やら女の子の水着らしきものを持って入って来て、カットをしてくれている美容院の先生に言いました。
「もう~、まだ洗濯機の修理屋さんが来なくてさ!そして昨日ね、この水着を洗うの忘れちゃって。あの子だったら『水着がないから、スイミング行かない!』って言いかねないじゃない?!悪いんだけど、脱水機、貸してくれない?」
(えっ?!脱水機を借りる・・・んだ。)
「いいわよ!今入ってる洗濯物は、出して使って。」
「これ~もう終わってるんでしょう?干してあげるわ!」
「ううん、いいの!それは後でするから、それより早く脱水してあげて!そして、うちのお店の裏で干すと、今の時間だったらすぐ乾くわよ!!そこに、干したらいいわ。」
「ありがとう~!あの子のことだから『水着がないから、遊びに行く!』って、すっ飛んで行っちゃうじゃない。助かるわ~!!じゃあ、裏に干させてね。」
「どうぞ~どうぞ~!!たぶん、一時間もしないうちに乾くわよ。」
「うん、ありがとう~!よろしくね。」
すごい!!脱水機を借りて、お店の裏に水着を干して、行っちゃった・・・
そういえば、私が小学生の時、お向かいの家のおばさんが「お醤油、貸して~!」って、何度かうちに来たことあったけなぁ・・・
まぁ~、お醤油を貸したことはあるけど、脱水機とは・・・
しかし、なぜあの時代は、お醤油を貸したり、借りたりしたんだろう?
そもそも、お醤油を貸したり、借りたりっていうのも面白いなぁ・・
近くにお店はあっただろうに、その時はお店が閉まっていたのかな~?
考えてみれば、お醤油を借りるのも、脱水機を借りるのも似たようなもんだよなぁ・・・
なんて、引き続き、髪を切ってくれている、美容院の先生を眺めつつ・・
頭の中では「お向かいのおばさん、元気かな?もういい年だろうな・・お醤油貸してって言いながら、『これ食べて~!』って持ってきてくれた、一品のおかずが美味しかったっけな。結局、お醤油は貸したというより、一緒に使ってた感覚だよな・・etc」なんて、いろいろなことが浮かんできました。
そんなことを考えていたら、髪はさっぱりと夏に向けてショートになりました。
いつもより気を使って、カットしてくれた美容院の先生の優しさを感じながら・・・
町という「共同体」の、生きて呼吸するその息遣いが、「ス~ハ~、ス~ハ~」と、温かく感じられましたとさ(笑)