黒田・なるみ・ホランの「もんくもん」、関西のテレビ番組雑感
日テレ系の読売テレビで不定期に放送している「もんくもん」という番組がある。ちょっとした文句を投稿し、それについてスタジオで話すトークバラエティーだ。
「物言わぬは腹ふくるるわざなり」(徒然草)といわれるが、文句を腹にためておけば、どんどんたまっていく。どこかで発散させなければならない。発散したと思っても、また同じ文句を言っていては、腹にマイナスの思いが、これまたどんどんたまる。文句を昇華させなければならない。
司会陣がおもしろい。関西だけあって、文句を笑いに昇華させている。
メッセンジャーの黒田と元漫才師のなるみが司会で、進行をホラン千秋がしている。黒田とホランの文句の言い合いが楽しい。
黒田有は、漫才師メッセンジャーの一人。漫才もおもしろいが、相方のあいはらともども、単独でのテレビ出演が多い。
黒田は、これまたローカルテレビ局の関西テレビ、こっちでは「関テ~レ♪」と宣伝している局で、かつて「ナンボDEなんぼ」という番組をやっていた。ニュースの本番中にカツラを取ったという伝説の関テレアナウンサー(現在はフリー)山本浩之、通称「山ヒロ」とともに、戦隊ヒーローのようなかっこうで無駄遣いしている女性の家に行き、無駄遣いを説教する。最後には山ヒロの頭から「ツルピカビーム」を発射して女性をこらしめるという番組だった。関西ローカルだから、知っている無駄遣い女性が出たりもする。
笑いながら見ていたが、番組は突然の中止。2009年に、黒田が暴力事件を起こして逮捕されてしまったのだ。今ではネタにして、いろんなところで話している。
後輩のカジサックの影響なのか、今では自分でもYouTubeチャンネルを持っている。最初は延々とモノを煮るだけの番組だった。
黒田の番組は全て、黒田の話術で楽しくなる。
なるみは、元漫才師だが、関西以外の人は覚えているだろうか。しずかとトゥナイトというコンビを組んでいて、人気絶頂のころに、しずかがアメリカに留学してしまった。キャンディーズや山口百恵のような終わり方をしている。
ソロになったなるみは、関西では有名だ。551蓬莱のCMでおなじみ。豚まんの「ある時~、ない時~」というセリフは関西の常識。
ナイナイの岡村隆史と「過ぎるTV」(ABC系朝日放送)もやっている。いろんな番組に出ている。
全国区のニュース番組、Nスタ(TBS)のレギュラー、ホラン千秋は、ニュースとは全然違う顔で、関西の番組では(もんくもん)毒舌をはいている。東京のバラエティーの姿とも違う。いきいきとしているように見える。黒田とホランの文句の言い合いのタイミングがいい。絶妙のタイミングで言葉をかえす。
ホランの持っている、おもしろい面を、黒田がうまく引き出している。
黒田は完全にホランのおもちゃにされている。おもちゃにされているけど、実は前科一犯の人間なのだ。ホラン千秋のおもしろさは「もんくもん」を見なければわからない。
テレビの中だけでも、おもしろいことはたくさんある。
YouTubeだって、そう。
人生、楽しいことはたくさんある。
ニュースの顔となったホランを大阪に呼びにくくなったのか、不定期の「もんくもん」が、4月以来やっていないので、ちょっとさびしい。