コロナと人類と感染症の歴史について考える
新型コロナに対して緊急事態宣言が発令された。
新型コロナで多くの人が亡くなっている。
人類は、感染症と戦ってきた。
1918-19年は、スペイン風邪で、世界の25〜30%が感染し、4000万人が亡くなった。
2002-03年のSARS(重症急性呼吸器症候群)で774人死亡。
2009年の新型インフルエンザはWHOからパンデミック宣言が出され18,000人以上が死亡。
2014年に西アフリカで流行したエボラ出血熱で11,000人が死亡。(2020.3.13「産経新聞」)
今回のコロナでは、世界で200万人以上の人が亡くなっている(2021.1現在)。
古くは14世紀に感染症としてペストが大流行した。別名、黒死病といわれるように、皮膚が紫黒色になって亡くなる。当時の世界人口4億5000万人の22%、1億人が死亡したと推計される。ボッカチオの「デカメロン」はペストを題材にした作品だ。
ペスト菌は絶滅したわけではなく、2004-2015年で世界で56,734名が感染、4,651名が亡くなっている。今は生活環境が改善され、治療薬としてペニシリンがある。それでもペスト菌は存在を主張している。他の感染症も残っている。絶滅したのは天然痘だけだといわれる。
最近また流行の兆しがある梅毒は15世紀末にヨーロッパで流行した。
コロンブスがアメリカから持ち帰ったともいわれる。新型コロナと同じで、それまではなかった病気だ。それがあっという間に世界中に広がった。
日本でも、1512年(室町時代)に記録があり、多くの人が死んでいる。鎖国をしていたはずの江戸時代、江戸庶民の感染率は50%ともいわれる。性交渉によって感染するものだが、すさまじい早さで世界に広がった。
梅毒は、日本では性感染症として、報告の義務がある。報告数は、1964年(S.39)に約11,000人。それから減少しているが、2013年(H.25)に1,228例、2014年に1,661例、2015年に2,690例の報告。2017年(H.29)には5,826人。増加傾向にある。
前述のように、梅毒は性感染症だ。誰とでもセックスする人はクラスターになる。性を売買することが認められていた時代でも、それだけでは爆発的に感染は広がらない。一般人が外で感染を広げているのだ。性感染症であることは江戸の時代でもわかっていたはずなのに、流行は収まらない。感染に対して注意しない人間が多数いるからだ。
コロナに関しても、手洗い、ソーシャルディスタンス、マスクを守れば、感染を減らすことはできるはずだ。それなのに減らない。日本人は、マスクもよくする民族だと思われているのに、それでも減らない。
マスクをせずに大声で話している人がいるのだ。そしてそれは、若者だけではない。年寄りも大声で話している。年齢性別関係なしで、感染を考えない者が一定数いる。その人らがクラスターとなる。
けれど、そんな人ばかりではない。手洗いを励行し、3密を回避し、マスクを着用している人がほとんどだ。年寄りだろうが若者だろうが、守っている者が大多数だ。
それでも感染者が減らないのは、感染予防の意識が全くない人がいるからだ。全体の20%くらいだろうか。いくら言っても理解できない人だ。
言っても無駄だと嫌にならず、自分だけは今までちゃんとしてきたことは続けていこう。
マスク、手洗い、ソーシャルディスタンス。
100年前のスペイン風邪のときから、物に触れる「接触感染」とせきやくしゃみの「飛沫感染」が主な感染経路だと知られていた。そこに注意すればいいのだ。
当時の日本の内務省は、「病人やせきをする人に近寄らない」「人ごみを避ける」「手ぬぐいなどで鼻や口を覆う」という対策を述べていた。まさに現在と同じ。
ソーシャルディスタンスを保つ、マスクをする、手洗いをする、だ。
ちゃんとしている人が大多数なのだから、これからも、感染防止に努めよう。皆が守れば、感染を防ぐ一助になると信じて生きていこう。