子宮頸がん予防ワクチンの今後の対応について、命について
newsじゃなくoldsになるけど、2022年5月17日の神戸市の記者発表で、上記「子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の今後の対応について」が発表された。
なんともわかりにくい表現だ。神戸市は、わかりやすい日本語のページももうけているのに、「積極的な接種の推奨の差し控えを終了する」とはどういう表現だろう。これからは対象者(小学6年~高校1年相当)に積極的に接種を推奨しますよ。ただし接種は個人の責任で行ってください。ということだろう。
子宮頸がん予防ワクチンは、2006年にアメリカで発売された。日本では、副反応があることからなかなか承認されなかった。副反応がひどいことは初めからわかっていた。ワクチンを希望する声が大きくなり、副反応を起こす人の数、子宮頸がんで亡くなる人の数を比較したのか、諸外国に遅れ、やっと命を救う方をとった。
やっと日本でも認められたが、その後、副反応で体の動けなくなった女子生徒のニュースが連日流された。ワクチンは恐いものだという刷り込みがされる。子宮頸がんで苦しんでいる多くの人たちはニュースにならない。ドラマにはなるが長続きはしない。副反応であろうが子宮頸がんであろうが、本人はずっと苦しむけれど、ニュースはその時その時で何を流すかを決める。newだけを求める。
日本でのワクチン定期接種は数ヶ月で終ってしまった。
ワクチンが全て副反応を起こすのではない。ワクチンが子宮頸がんで亡くなる人を救っているのも事実だ。100%どちらかではない。
今のコロナワクチンも100%効果があるわけではない。そもそも「ゼロコロナ」ということが無理な話だ。人類が感染症をゼロにしたのは天然痘だけだといわれる。
天然痘は、1796年、ジェンナーが種痘を考え出し、それから、ワクチンという言葉が使われるようになった。天然痘ワクチンの普及によって、1980年にWHOが天然痘ウイルスの絶滅宣言をした。その後、自然の天然痘ウイルスは発見されていないが、研究施設には天然痘ウイルスが残っている。これが化学兵器として使われる未来もありえる。恐ろしい話だ。
コロナウイルスであるサーズやマーズは、発見された時、人類滅亡かと週刊誌が騒いだ。かかれば死ぬと思われ、新型コロナウイルスどころではなかった。
サーズ(SARS: severe acute respiratory syndrome=重症急性呼吸器症候群)は2003年に中国で発症したと報告された。感染力が高く、死者数が多かった。肺炎を起こすコロナウイルスの一種だ。絶滅したと思われたが、今でもウイルスは残っている。
マーズ(MERS:Middle East Respiratory Syndrome=中東呼吸器症候群)は、名前の通り中東で2012年、報告されたが、サーズに続き、人類滅亡だと週刊誌が騒いだ。これも死亡率の高いコロナウイルスの一種で、絶滅せずにウイルスは残っている。
ウイルスは簡単に絶滅はしない。ゼロにはならないのだ。
日本国憲法があるから戦争をしないと言っていても、日本が外国から攻撃されないとは言えない。100%なんてありえない。K国やR国、あるいはC国から日本が攻撃されるというのも同じ。国際関係のバランスから、攻撃されない可能性も高い。
戦力保持の問題も、他国から攻撃されなくても、政府や軍隊が暴走する危険性もある。
一人の患者の命から、戦争による国民全体の命まで、ニュースになろうがなるまいが、それぞれ大切な命。一方的な意見ではなく、いろんなリスクを考えながら、それでもどうすべきかを議論しなければならない。
テレビを見ていたら、ワクチン会社のCMが流れていた。商売の片棒をかつぐわけではないが、もっと早く啓蒙すれば救われた命もあったはず。