赤白黄色すいすいすいすいスイカズラ
つぼみに赤い色をまとい、開くと真っ白なスイカズラの花。しばらくすると鮮やかな黄色になる。
こんな変化を道ばたで見せてくれるスイカズラが、今年は少ないように思っていたが、いざさがしてみると、いろんな場所で生きていた。
スイカズラは、スイカズラ科で常緑のつる性植物で、花は5~7月ごろに咲き、甘い香りがする。
スイカズラという名は、「吸い葛」から名付けられたともいわれる。すいすいすいすいと蜜を吸うからだ。と、ここまで書いて、思い出しても、スイカズラの蜜を吸った記憶がない。ツツジの花の蜜はよく吸ったけど、スイカズラはないなあ。ツツジに比べて花が小さいので、めんどくさかったのかな。
童心に返って、ちょっと吸ってみよう。花びらをひっこ抜き、すいすい蜜を吸ってみた。花の芳醇な香りとは違って、あっさりとした単純な味がした。(あくまでも個人の感想です)
スイカズラは、白い花(白金=銀に例えられる)と黄色い花(金に例えられる)から、「金銀花」とも呼ばれる。白い花が黄色に変化する。
金銀花は漢方で、つぼみから風邪薬が作られる。また、スイカズラは冬でも青い葉があるので「忍冬」とも呼ばれ、葉や茎も漢方として解熱、解毒に使われる。
スイカズラの花は白と黄色で、赤い色はあんまり言われないけど、けっこう赤い色も目立っている木も多い。あんまり赤が目立たない木もあるので、赤はあまりいわれないのだろうか。でも私は、咲き始めのスイカズラの、赤い色が目についてしまう。
「赤」というのは、もともとは「明るい」「(夜が)明ける」からできた言葉のようだ。闇夜を照らす希望の光が「赤」なので、赤い色が目立って見える。
日本語の色を表す形容詞は、「赤い」「白い」「黒い」「青い」の四つしかない。この四色が日本語の色の基本色だと考えられる。
前述の「赤い」は明るさを表す。「赤い」の反対は、暗くなる「黒い」。赤と白、白と黒、ではなく、赤と黒が本来の対義語だった。白と青は、色を表し、鮮やかな色が「白」、淡い色が「青」といわれていたようだ。つまり、淡い色は昔はみんな「青」だった。
色については、こんな記事も書いている、
スイカズラは、明るい赤から色鮮やかな白に変化する。そして黄色になる。
日本語の「色」の形容詞は「赤い」「白い」「黒い」「青い」だといったが、実はあと二つ、「茶色い」と「黄色い」がある。
「茶色い」はお茶からできた色の「茶」に「色」という言葉をくっつけてできた語(名詞)が、さらに形容詞になった派生語なので、本来的な言葉ではない。「黄」は、木(木材)の色からできたともいわれるが、はっきりしたことはわからない。「黄」も「色」をつけた名詞が形容詞「黄色い」になる。そんな形容詞になる言葉は黄と茶だけ。「緑い」や「紫い」「オレンジい」はない。その重要な色の黄色が、スイカズラにはある。
スイカズラの赤白黄色、三色の色は、日本語の色の基本を表現している。
へえ、そうだったんだ。
道ばたの草からも学ぶことはたくさんある。