はじめまして松下慶太先生
2020年春、社会学部メディア専攻に新しく松下慶太先生が着任した。6月4日、文章応用実習の実習生たちが、松下先生にZoomで取材し、話を聞いた。2つの班が書いた記事を紹介する。
直感を信じて行動する
今年の4月から関西大学社会学部メディア専攻に着任した松下慶太教授。ワーケーションなど働き方や働く場所をテーマに研究活動を展開し、「インターネット・コミュニケーション論」などの授業を担当している。
神戸市長田区出身。1995年の阪神淡路大震災を経験し、「生きているときになんでもやっておこう」と考えるようになった。京都大学在学中には、このまま就職活動に突入していいのかという葛藤から、1年間休学して南米を旅した。
南米では携帯電話があまり普及していないエクアドルと日本とのギャップの大きさを感じたり、観光地で働く人びとに興味を抱いた。この旅が若者とメディアの関係や働き方など、ワーケーションについて関心を持つきっかけとなった。
その後は大学院に進み、「イメージがつかないから行ってみよう」と博士課程のときにフィンランドへ。そこではインターネットと教育の関係を研究した。帰国後、目白大学や実践女子大学で講師を務め、今年から関西大学に着任した。
新型コロナウイルスの影響で、春学期はオンライン授業となった。ほとんどの学生と一度も直接会っていないため、まだ関大生のイメージは掴みきれていないという。「何かを目指してっていうのはもちろん大事だけど、たまには自分の直感を信じて行動する大切さを学んでほしい」と語る松下教授。担当する授業でも、学生がその場で感じたことを大切にしていく方針だ。(取材・執筆:フレンズ班)
好奇心の旅は続く
インターネット・コミュニケーションやワークショップデザインなどを研究している松下慶太教授。1977年に神戸で生まれ、京都大学文学部を卒業。今年度から関西大学社会学部に着任した。
最近は、休暇などで滞在している観光地や帰省先で働くワーケーションについて研究しているが、出発点となったのは、大学4回生の時に休学して行った南米への放浪の旅。アウトローな京都大学の校風と、もともとの「中二病気質」が相まって、就職活動をすることに疑問を感じたことがきっかけだった。エクアドルのバナナ農園で働く人たちと交流を深めることで日本とのギャップを感じ、働き方について興味を持ったという。
その後、博士課程を経てフィンランドのタンペレ大学の研究員となった。アメリカに行く人が多かったなか、あえてフィンランドを選んだという。理由は、日本と似ているとは聞くがあまり知らない国であることと、ゲームなどのカルチャーに惹かれたこと。行き先を決めるに当たって、「自分のなかでイメージがつかないからこそ、逆に飛び込んでみようというのは毎回思っています」と語る。
思い切りの良い性格の根底には、1995年の阪神淡路大震災がある。多数の人が亡くなったこの震災の経験から、「やりたいことはできる時にやらないとずっとできない」と自分の直感を大切にするようになった。
関西大学でどのような授業をしたいか尋ねると、「皆さんがやらかす場をうまく作っていきたいですね」と話してくれた。8月には2回目となるゼミ主体のオンラインワークショップを開催する。新型コロナウイルスの流行下でも新たな取り組みを続けている。(取材・執筆:ロンバケ班)