2023 J2 第20節「ベガルタ仙台vsジュビロ磐田」超主観的振り返り
2023年6月11日。J2リーグ第20節、ジュビロ磐田はアウェイでベガルタ仙台と戦いました。
DAZNでこの仙台戦を見て印象に残ったのは、戦況に応じて仙台の伊藤彰監督と渋谷洋樹ヘッドコーチが話し合う姿。
それは、昨年ヤマハスタジアムのベンチで見ていた光景でした。
私が思い出したのは、昨年彰さんがシーズン途中に解任され、後任監督となった渋谷さんがJ1残留をかけて必死に戦う姿とその苦悩でした。
今年ベガルタ仙台に舞台を移し、彰さんと渋谷さんが再びタッグを組んで戦っている姿。
私は、ほっとしました。
彰さんと渋谷さんを応援したい。
今やジュビロ磐田にとって敵将の二人ですから、このような感情はどうかと思われるかもしれません。
でも昨年のジュビロは厳しいことが続きました。
けが人続出、夏の補強の不調(小野社長もジュビロの力不足と認めてます)、ラッソの二重契約問題、そしてJ2降格。
そんな辛い状況でも彰さんと渋谷さんは選手達と共に必死に戦っていました。それは試合中、そして、毎試合後のインタビューなどから十分伝わってました。
しかし残念ながら結果は伴いませんでした。彰さんと渋谷さんは失意の内にジュビロ磐田を去られたと思います。
短い間でしたが、厳しい状況のジュビロで戦ってくれた二人が、チームは違えど再び同じ目標をもって戦っている姿が嬉しかったです。
選手入場が終わり、コイントスでコートチェンジ。
キックオフ直前。驚くべき光景が。
山田大記が、仙台ベンチ前で彰さん、そして渋谷さんと笑顔でハグしている姿が映ったのです。
キックオフ直前のこのタイミングで唐突に飛び込んできたその画に、私は涙が止まりませんでした。
2022年、彰さんがジュビロに来てくれた事を誰よりも喜んで、そして期待していた選手が山田大記でした。しかし、この年の山田大記は負傷を繰り返してしまいました。
彰さんの下で試合出場できたのは、第3節アウェイ京都戦11分、第4節ホームG大阪戦33分のみでした。
負傷で長期離脱中の8月14日に彰さんは解任されました。
解任の同日、山田大記は自らのツイッターで惜別のコメントを残しました。
彰さん解任劇から約10か月。
彰さんを慕っていた山田大記が久しぶりにピッチで再会した姿に、私は感極まってしまいました。
もしも、昨年山田大記の負傷が無くジュビロがJ1で戦えていたら、今見えていた景色も変わっていたかもしれません。
仙台戦のスタメンは、全て昨年彰さんの下で戦った選手達でした。
昨年ルーキーだった藤原健介は彰さんの下ではリーグ戦メンバーには選ばれませんでした。
しかし今回、遠藤保仁、鹿沼直生、針谷岳晃といった先輩とのスタメン争いに勝ち、彰さんの前で成長した姿を見せました。
開始早々2分の鈴木雄斗の先制ゴールを演出したのは、藤原健介の高速FKでした。
また、昨年彰さんの下でキャプテンマークを巻いて戦った上原力也は、綺麗な軌道を描くクロスでゴールを決めました。
昨年も数々のピンチを救ったリカルドグラッサは、かつてのボスの前で強力な守備を発揮し、仙台の攻撃の芽を摘みました。
そして、ルーキー後藤啓介。
昨年の天皇杯ラウンド16(4回戦)東京ヴェルディ戦で、当時高校2年生だった後藤をピッチに送り出した彰さん。
その後藤啓介が今やジュビロの若きストライカーとしてジュビロを牽引していることを見せてくれました。
個人的に注目していたドゥドゥは、ゴールを決めることはできませんでしたが、積極的にゴール前に運びシュートを放つなどフル出場でその存在感を示し、ジュビロの主力左SHとして活躍している姿を見せました。
ベテランからルーキーまでが混成されたメンバー。
今回ベンチ入りできなかった鹿沼直生や吉長真優など昨年彰さんの下で成長した選手達も控えています。
かつての指揮官の前で、勝利という形でそのチームとしての成長を見せることができ、感無量の思いで歓喜の選手と現地に集ったジュビロサポーターの様子をDAZN越しに観ていました。
試合終了後、現地参戦のジュビロサポーター方々が撮影した写真が次々とSNSにアップされました。
その中には、ジュビロの多くの選手が笑顔で彰さんと握手したり、ハグをしたり久しぶりの再会を喜び合う姿がありました。
そして、彰さんはユアスタに集ったジュビロサポ-ターにも挨拶してくれたそうです。
昨年、彰さんと渋谷さんの下で戦ったジュビロの選手達は、2022年のJ1では結果が出ませんでした。そして、シーズン途中の彰さんの解任で、選手もサポーターも突然の悲しい別れを経験しました。
そんな選手・ジュビロサポーターと彰さんの再会は、あの厳しい2022年の戦いを労うかのような景色に見えました。涙無くしてその写真を見ることはできませんでした。
アウェイで仙台に勝利を収めたジュビロ。
次に仙台と戦うのは、8月6日ホームエコパスタジアム。この試合は「Jリーグ昇格30周年記念オールホームタウンマッチ」と冠したメモリアルゲーム。
そして、8月のエコパスタジアムの試合と言えば、昨年0-6で浦和に大敗し彰さん解任に繋がってしまった因縁の場所でもあります。
今回の試合以上に並々ならぬ想いで挑んでくるでしょう。
私はこの記事で彰さんと渋谷さんを慕い、応援する書きました。
しかし私はジュビロサポーターでありますから、もちろん8月6日のエコパスタジアムの戦いもジュビロ磐田を100%応援することは言うまでもありません。
いまの私たちのボスは、横内昭展監督です。
J2に降格し、選手補強もできないというジュビロ史上最大の危機と言って良い2023年に監督を引き受けてくれた横内監督。
年始に「基盤づくり」「成長」を目標に掲げ、ゼロからのスタートを切ったジュビロ。横内監督のマネジメントの下で少しずつではありますが実力を積み上げ、ようやく5位まで順位を上げました。
まだまだ満足できる順位ではありませんが、若手からベテランまで熾烈な競争を促し、ポジション奪取を求めるその横内監督の姿勢。そして果敢に挑戦するジュビロの選手達を私は応援しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。