あの辞退から1年|磐田東高校サッカー部の再出発
2022年7月24日。
静岡県だけでなく、全国でも衝撃をもって伝えられたニュースでした。
昨年、全国高校総体出場のキップを手に入れながら、一試合も戦うことができず大会を辞退しなければならなかった高校を覚えていますか?
磐田東高校男子サッカー部。
全国大会初戦の前日、1人の選手が発熱。コロナ陽性と判定。
大会出場辞退に追い込まれました。
たった一人の陽性者で辞退しなければならない事に、
と思ったのは、私だけではなかったと思います。
今でもあの大会辞退のルールに納得がいかないんですよね。特に当時の三年生に対してはあまりに気の毒な結末でした。
全国大会直前の7月6日、ヤマハスタジアムで行われた「ジュビロ磐田 対 アビスパ福岡」のハーフタイムには磐田東高校の壮行会が行われました。
私も当時この試合を現地で観戦していたため、この壮行会でのキャプテン港聖頼選手の力強い言葉が印象的だったのを覚えています。
それだけに、全国大会辞退に至ったことについて、本当にやるせない思いで一杯でした。
そんな非情な結果を受け入れざるを得なかった磐田東高校サッカー部に対し、ジュビロ磐田はトップチームとの対戦による「フレンドリーマッチ」を開催しエールを送りました。
当時のフレンドリーマッチについてはnote記事にしてあるので、もしよかったら読んで頂けると嬉しいです。
少しでも前を向いて進んで欲しい。そう願っていました。
あれから約一年。
2023年6月8日、再出発に掛ける磐田東高校サッカー部の密着動画がテレビ静岡のYouTubeチャンネルで公開されました。
2022年当時2年生で守護神として活躍したGK岡村虹輝選手。全国大会初戦に向け大会地である徳島に入ってから発熱。
コロナ陽性反応。
その後、チーム内9人の陽性が判明したそうです。
岡村選手は筆舌に尽くしがたい辛さを味わったと思います。
コロナ罹患したことでチームが出場辞退に追い込まれた事実。そして、チームメイトと以前のように共に再び戦えるのか?という将来の不安。
でもチームメイトは普段通り岡村選手を迎え入れたそうです。非常に聡明で仲間想いの選手達。きっと岡村選手は救われたと思います。
その岡村選手を支え、同じGKのポジションを争うライバル鈴木天結選手は、コロナ罹患した岡村選手に対し次のように語っています。
当時コロナ禍真っ只中であったため、私も含め本当に誰が罹患してもおかしくない時期でした。そんな中で、温かく迎え入れたチームメイトや鈴木選手の存在は大きかったと思います。
また、同学年の岡村選手と鈴木選手は、中学時代、ジュビロ磐田の下部組織にいたそうです。こういう分かり合える選手がいる人生は幸せですよ。
ますます親近感がわきました。もうめっちゃ応援する(笑)
しかし、3年生と再び全国を目指すチャンスだった2022年の冬の選手権は、ベスト16で浜名高校に敗れ、その夢は途切れました。
悔しさで大粒の涙を流した岡村選手を慰めたのは、試合に出られなかった鈴木選手。
観ているこちらも辛くて、言葉が出ません。
2023年、再出発を切った磐田東高校サッカー部。最上級生となった岡村選手と鈴木選手は切磋琢磨しつつチームを引っ張ります。
自分ではどうにもならなかった、昨年の出場辞退の悔しさを胸に戦う姿。
残念ながら、磐田東高校は準々決勝で清水桜が丘高校にPK戦の末に破れインターハイ連覇とはなりませんでした。
しかし、冬の選手権などまだまだ戦いが続きます。
岡村選手と鈴木選手、そして磐田東高校の健闘を願って止みません。
そうそう、岡村選手と鈴木選手はジュビロ磐田の三浦龍輝と交流があったんですよね。去年のフレンドリーマッチの試合後、このような写真がTwitterにアップされました。
三浦龍輝はインターハイ出場祝いにゴールキーパーズにグローブをプレゼントしているんです。
鈴木選手と岡村選手が三浦龍輝と一緒に映るこの写真。
いつの日かプロとして再び出会う日が来るのかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
磐田東高校サッカー部に歓喜が訪れることを願って。
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