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2023 J2 第10節「ジュビロ磐田vsロアッソ熊本」超主観的振り返り

磐田 1-1 熊本
【得点者】

磐田:金子翔太(後半8分)
熊本:松岡瑠夢(前半12分)

夕日に染まるヤマハスタジアム。

金子翔太は試合終了後のインタビューを終え、健闘を称えるジュビロサポーターのチャントに拍手で応えていました。

2023年4月16日、J2リーグ第10節。

ジュビロ磐田はホームヤマハスタジアムでロアッソ熊本を迎え撃ちましたが、前節町田戦に続くホーム2試合連続のドロー決着。

私は、勝敗数で並んでいた熊本に対し「絶対に負けられない戦い」と思ってヤマハスタジアムへ向かいました。それだけに本当に悔しい結果でした。

しかし、ヤマハスタジアムに集結した多くのジュビロサポーターは前を向いていました。

試合終了後、悔しい表情でゴール裏のサポーターに挨拶する選手達に対し、

「力の限り戦え磐田!」

のチャントで送り出しました。

ジュビロサポーターのチャントと声援に、沈みそうだった私も背中を押された気がしました。

スターティングメンバー

ヤットさんと力也がスタメンにいない!

今回のスタメンは率直に驚きました。確かに遠藤保仁は連戦が続いてましたのでどこかで休ませるかと思いましたが、上原力也に至ってはベンチにも入っていませんでした。

替わりにダブルボランチに入ったのは山本康裕と藤原健介。ルヴァンカップ鳥栖戦のコンビです。

この意図について、横内監督は試合後のインタビューで語っています。

――今日はルヴァンカップ鳥栖戦と同じ、山本康裕選手と藤原選手のダブルボランチでした。鳥栖戦での評価もあって起用を決めたのでしょうか?
そこも一つ決めるポイントにはなりました。ルヴァンでしっかりあの2人は、負けはしましたが非常に良いプレーをしていましたし、トレーニングでも2人とも凄く良かったので、どこかで必ずチャンスが彼らにも来ると言いますか、与えると言いますか、そういうことを僕自身も思っていました。それを信じて、彼らもメンバー外であったとしても良いトレーニングをしていたので、今日は迷い無く起用しようと決めました。

ジュビロ磐田公式ホームページより

普段からいいプレーを見せていた康裕&健介をリーグ戦で使うチャンスを伺っていたことが判ります。

それが熊本戦であった理由は憶測の域を出ませんが、ヤットさんを一度休ませるタイミングを計っていたのかもしれません。

またもや開始早々の失点

試合開始から熊本ペース。熊本は高い位置でプレスをかけ続けます。

前半11分、金子翔太のディフェンスでこぼれたボールを鈴木雄斗がドリブルで運びます。しかし、ボールが長く離れたところを上村周平選手に奪われ、松岡瑠夢選手がボックス左ギリギリの所からのシュートがゴールとなってしまいました。

またもジュビロは試合開始早々の失点。

前節の町田戦もほぼ同時間帯で失点し、追いかける試合展開になりました。2試合連続での難しい試合展開になってなったことが本当に悔やまれます。

「反撃の歌」と金子翔太

ジュビロが劣勢に立たされた時に歌う「反撃の歌」

この試合、前半では追いつけなかったジュビロ。

0-1で折り返した後半開始から、ゴール裏サポーターは早くも「反撃の歌」をエンドレスで歌い出しました。

ジュビロが何としても追いつき、追い越して欲しいというジュビロサポーターの今日の試合に懸ける思いが伝わるシーンでした。

その想いに応えるかのように後半6分、ボックス内でドゥドゥと上村周平選手の競り合いからのセカンドボールに向かった松原后が倒されPK獲得!

「誰が蹴る?」「後藤啓介か?」「そのまま松原が蹴るか?」

そんな会話がスタンドの至る所から聴こえる中、スタンバイしたのは金子翔太でした。

現地で観ていた時は、この時間がすごく長く感じたんですが、DAZNで見返すと結構すぐ金子がスタンバイしてましたね。

キッカーが金子翔太に決まった経緯は、試合後のインタビューで話してくれていました。

(後藤)啓介も蹴りたそうだったので、僕が「じゃんけんするか」と言ったのですが、「后君が決めた方にしましょう」と彼が言って。松原に聞いたら僕でしょと。止められましたけど結果的に入って良かったですし、次は啓介に蹴らせてあげようかなと思います

金子翔太:ジュビロ磐田公式ホームページより

―PKのシーンですが、蹴りたい気持ちもあったのでは?
蹴って1点取れたら自分の得点になりますし、それはありました。でも(松原)后君が取ったPKだったので、后君に自分か(金子)翔太君どっちが蹴るかを聞いたら、翔太君でとなったので、そこは「はい」と。

後藤啓介:ジュビロ磐田公式ホームページより

やはり後藤啓介の可能性もあったようですが、PK獲得した松原后が金子翔太を指名したようです。

ここで点を決めれば、後半まだ時間が残っているだけに勝機が近づく。何としても決めて欲しい。

金子翔太がゆっくりとした助走から右足を大きく振り込む!

金子翔太のPKの瞬間

ボールはゴール左側へ。

しかし、熊本のGK田代琉我選手は完全に読み切り、両手で防いでボールは前に弾かれました。

「まずい!押し込め!」

そこへ跳ね返されたボールにしっかりと走り込んでいた金子翔太。頭で合わせてゴールに押し込み同点!

こんなヒヤヒヤするPKは久しぶりでした。もし外していたらジュビロにとって精神的にも大ダメージになっただけに本当に良かった。

それにしても、このPKはあの後半開始早々からの「反撃の歌」が呼び込んだ感じがして仕方ないんですよね。

ジュビロサポーターと金子翔太の気持ちが乗り移ったかのようなPK劇でした。

熊本の激しいプレスと堅い守備

この試合は、終始熊本の激しいプレスに苦しめられました。同点に追い付いた後、一進一退が続きます。むしろジュビロが押し返される場面が多かったとように感じました。

ジュビロも負けずに決定機やCKのチャンスを得るのですが、何せ熊本の守備が堅い。まったくゴールを割らせません。


大津祐樹 渾身のシュートは・・・

両軍ゴールを決めることができず、時計の針は進みます。

そして試合終了間際の87分、鈴木雄斗がカウンタードリブル発動。中央から駆け抜けていきます。

金子翔太を経由して左サイドの松原后へボールが渡ります。

松原后は熊本のDFの背後に渡る絶妙なクロス。そこへ大津祐樹が抜けてシュート!

「行った!!!」

と思ったと同時に

「バーーーン」

と乾いた音ともにボールは無情にもゴールポストに跳ね返されて前に転がっていきました。

この瞬間、私は何と言ったか覚えていないくらい、ヤマハスタジアムのバックスタンドで叫んでしまい、頭を抱えてしまいました。

最後の最後で勝利の女神は微笑まず、ゴールポストは味方してくれませんでした。

その後決定機は訪れず、ドロー決着を告げるホイッスルが鳴り響きました。

膝をつく選手、崩れ落ちる選手。懸命に走り切った先に残念ながら勝利はありませんでした。

田代琉我選手のフェアプレー

84分、ドゥドゥのシュートのこぼれ球に後藤啓介は走り込んだ際にゴール前で足をつってしまい起き上がれなくなりました。

そこへすかさずケアしてくれたのが熊本のGK田代琉我選手でした。

う~む。田代選手のファンになってしまいそうだ。

前節の町田戦は両軍乱闘になるなど遺恨が残る結果でした。Jリーグ界隈でも話題になりました。

それだけに田代選手の振る舞いは染みました。

厳しい戦いとなった今節。田代選手にはジュビロサポーターから大きな拍手が沸き起こりました。

ありがとう田代選手。

称えるべきゴール裏

ここ最近特に思うのですが、ゴール裏サポーターの熱烈応援が素晴らしいと感じています。

この試合は7,780人の入場者数。日曜開催のリーグ戦としてはかなり寂しい数字です。

しかし、満員のヤマハスタジアムに負けないくらいの声出し応援かと思えるほど気持ちが伝わってきました。それはバックスタンドやメインスタンドの観客も一体になっての応援に繋がりました。

肩を落とし、悔しい表情を浮かべゴール裏サポーターを見つめるジュビロの選手達。

しかしゴール裏中心にジュビロサポーターは選手達を鼓舞するべくチャントで送り出しました。

まだシーズンは長い。ここから更に積み上げるジュビロに期待してヤマハスタジアムを後にしました。

次節に向けて

怒涛の9連戦も残り2試合となりました。

次の試合は、4月19日ルヴァンカップGS第4節横浜F・マリノスをホームヤマハスタジアムに迎え撃ちます。

中3日で戦うルヴァンカップには、恐らく出番が無かった古川陽介、吉長真優、藤川虎太朗あたりの出場が予想されます。

王者マリノス相手に非常に厳しい戦いが予想されますが、出番に飢えている選手達の奮起に期待してます。

最後までお読み頂きありがとうございました。
ジュビロ磐田のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。


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