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ジュビロ磐田に八田直樹がいるということ
ヤマハスタジアムでの試合前。
フィールドプレーヤーより先にゴールキーパーの練習は終わる。
そのゴールキーパーは、いつも満面の笑顔で両手で手を振りながら、ジュビロサポーターの拍手に応え、一旦控え室に下がる。
サポーターへの優しい想いが滲み出るその姿が私は大好きだ。
その選手とは、ジュビロ磐田のGK八田直樹。
八田直樹の2023年ジュビロ磐田との契約更新が発表されました。
【契約更新選手のお知らせ】#八田直樹 選手につきまして、来季(2023シーズン)の契約を更新しましたので、お知らせいたします。https://t.co/pL93nsgIzT pic.twitter.com/9Jhc2ttXlm
— ジュビロ磐田 (@Jubiloiwata_YFC) December 17, 2022
年齢的には遠藤保仁に次いでチームで2番目となりました。2023年でジュビロ一筋19年目になります。
今季は、大井健太郎が契約満了で退団となったため、ベテラン陣には厳しいオフになるのではないかと感じていました。そのため、八田直樹の去就が非常に気掛かりでした。
12月19日時点で梶川裕嗣とアレクセイ・コシェレフの去就が未発表のため確定ではありませんが、既に契約更新が発表されている三浦龍輝を含めた4名で2023年の正GKの座を争うことになります。
昨年から正GKは三浦龍輝が務めており、ここ最近は八田直樹が試合に出場する機会は少ないのが実状です。
今年2022年はリーグ戦の出場は無く、ルヴァンカップ1試合出場に留まりました。
でも、2019年からジュビロを応援している私としては、八田直樹には思い入れもあるわけでして。
2019年の抜擢
2019年のジュビロ磐田もJ1残留争いに巻き込まれました。
この年は成績不振により名波浩監督が辞任し、その後は鈴木秀人さん、小林 稔さん(暫定)、フェルナンドフベロさんと4人が監督を務めるという極めて異例な事態となりました。
この年の正GKは カミンスキー。
しかし、シーズン後半に就任したフェルナンド フベロ監督が就任して4試合目、第27節アウェイ大分トリニータ戦からは、八田直樹が正GKに抜擢されました。
絶対的守護神だったカミンスキーからの交代には、当時かなり話題になったと記憶しています。
結果は、8試合振りの勝利。
試合後の八田のインタビューは以下のようなものでした。
カミック(カミンスキー)が素晴らしいキーパーなので、僕が今日出ても頼りない部分があると思いますし、心配な部分もあると思いますけど、僕なりに精一杯やりたいと思います。カミックはやっぱり素晴らしいゴールキーパーなので、追いつけるように頑張りたいと思いますし、日々勉強しながら頑張っていきたいと思います。
謙虚。
八田直樹はカミンスキーより年上ですが、これまでのカミンスキーの功績や実力を十分リスペクトし、今後の残留争いに向けての正に謙虚な姿勢が八田直樹の人柄を表しているようなコメントでした。
その後も2019年は最終節まで八田直樹が正GKを務め、ホーム最終節まで残留可能性を残す粘りに粘った戦いをみせてくれました。
その間カミンスキーに負けず劣らずのファインセーブを炸裂し続けた八田直樹。
その中でも私が大好きなのは、第32節アウェイ札幌戦のミドルシュートをファインセーブしたシーン。この試合敗戦ならば、J2降格となる極めて厳しい状況での値千金のプレーが忘れられません。
11/23 vs 札幌戦 #ピックアップシーン
— ジュビロ磐田 (@Jubiloiwata_YFC) November 23, 2019
相手の強烈なミドルシュートを防ぐ八田選手#ジュビロ磐田 #jubilo #ジュビロ #札幌対磐田 pic.twitter.com/NouxRXmKME
精神的支柱として
2021年の途中から今季最後に至るまで、正GKは三浦龍輝が務めました。
今季のリーグ戦では梶川裕嗣やアレクセイ・コシェレフがサブに入ったため、八田直樹はGKの順番的には4番目だったと思われます。
再び試合出場から遠ざかった八田。
しかし、常にチームメイトからは練習熱心であると評される選手であり、その姿勢は後輩達の成長にも大きく寄与していると思われます。
先日公開されたジュビロ磐田公式YouTubeチャンネルで公開された【DREAMS】#7 古川陽介でその様子をうかがうことができます。
今季古川は4月2日の第6節柏戦でJ1デビューを果たしますが、ホーム札幌戦で2分間の出場はあったものの、その後9月まではリーグ戦に出場する事は出来ませんでした。
一年目でプロの壁にぶつかり、試合に出られない日々。
毎日ジムに通って練習に励む古川の傍には八田直樹の姿があったそうです。
今季の終盤の残留争いには再びリーグ戦メンバーに加わって、マリノス戦では値千金の決勝ゴールを決めるなど、試合に出られない日々の努力が結果となって実を結びました。
心が折れずに最後まで頑張れた、
今シーズン試合に絡めるようになれたのも、
その人達(八田直樹たち)のおかげでもあると思います。
試合に出られない日々の厳しさ。
それを身をもって知っている八田直樹。
同じ境遇でトレーニングする後輩たちと一緒に自らの姿勢をみせ、共に日々の練習に取り組む姿は若手達の模範であり、頼りになる存在なのでしょう。
まさに、精神的支柱として期待されている選手が八田直樹なのでしょう。
しかし、2023年契約更新したからには、ギラギラと正GKを奪えるように他のゴールキーパーズと切磋琢磨して欲しいものです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田と八田直樹のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。