悔しさを乗り越えた男|ジュビロ磐田 背番号33 ドゥドゥ
ブラジルからやってきたサックスブルーの選手は、アウェイ水戸の地で遂にその実力を爆発させ、選手達の手荒い祝福を受けていました。
ジュビロ磐田 背番号33 ドゥドゥ。
2023年4月8日、J2リーグ第8節 アウェイ水戸ホーリーホック戦。
ドゥドゥは試合開始早々の前半8分にJリーグ初ゴール。
その直後の前半16分には2点目を決め、この試合5-1と大勝したきっかけとなる活躍を果たしました。
しかし、来日初年の2022年は、ドゥドゥにとって不遇の一年間でした。
遅れてきた男ドゥドゥ
2022年3月下旬 新外国籍選手としてドゥドゥは来日しました。
新型コロナウイルス感染症の対策で来日が延びた影響でキャンプには参加できず、シーズン途中からの加入となりました。
しかし、2022年J1リーグ出場実績は、たったの2試合。
出場時間合計は17分。
その内10分はアウェイ札幌戦だったので、ホームヤマハスタジアムでのJ1出場は横浜F・マリノス戦のたった7分のみでした。
4月14日にYouTubeにアップされたジュビロTV#534では、やはり昨年は悔しい1年だったことを吐露しています。
日本にチャンスを見出し、覚悟をもって遠くブラジルからやって来てくれたにもかかわらず、思うようにいかない日々。
縁もゆかりもない日本で厳しい時期を過ごしていた日々。
本当によく耐え忍んだと思います。
2022年天皇杯での活躍
ただ、2022年の天皇杯ではその実力の高さを見せる活躍をしていました。
そのため、個人的にはドゥドゥに非常に期待していましたし、昨年ドゥドゥの事をnote記事にしたこともありました。
しかし、結局J1リーグで殆ど出場機会を得ることができず、不完全燃焼に終わりました。
昨年ドゥドゥが起用されなかった理由は知り得ません。
あくまで推測ですが、来日が遅れ、鹿児島キャンプから参加できなかったことが大きかったのかもしれません。伊藤彰監督や渋谷洋樹監督の目指すサッカーにフィットするのに時間を要した可能性があります。
2023年スタメンの座を掴む
J2に降格し、監督も横内昭展さんに替わった2023年。
ジュビロは「基盤づくり」と「成長」の年と位置付け、新たなスタートを切りました。昨年不遇だったドゥドゥも今季に懸ける思いは大きかったと思います。
2023年J2リーグ開幕戦。ドゥドゥはベンチに入り後半から出場。
そして2月26日、第2節レノファ山口FC戦でドゥドゥはリーグ戦初のスタメンの座を掴みました。
リーグ戦初スタメンのドゥドゥ。セレモニージャケットを着て選手入場の時を待つドゥドゥの顔は緊張と意欲に満ちた面持ちでした。
その後は清水戦を除き、直近の4月12日の町田戦までスタメン出場を続けており、主力の座をがっちりと掴んでいます。
ボランチからサイドハーフへ
ボランチが主戦場だったドゥドゥですが、2023年は左サイドハーフでプレーしています。
大活躍したアウェイ水戸戦直前の4月7日にYouTubeにアップされたジュビロTV#533。守備的MFの経験を踏まえ、サイドハーフで自分の強みが生かされている事を自覚した発言しています。
約2か月程度の短期間で、サイドハーフにドゥドゥの活路を見出した横内監督の慧眼に感心します。同じくジュビロTVで横内監督はドゥドゥの強みを語ってくれています。
ドゥドゥ日本に順応中!
一方でドゥドゥは一生懸命日本語を覚えようとしています。その様子がジュビロ磐田公式YouTubeチャンネルに公開されました。
たどたどしいながらも、自己紹介をする姿。やり直す時「モイッカイ、モイッカイ(もう一回、もう一回)」と話す様子は微笑ましい。
そして、私もあまり気づいていなかったのですが、選手交代の際に深々とお辞儀をしているんですよね。その理由が
という所なんて、泣かせるコメント。
日本の文化や日本語の環境に触れて、馴染んでくれたことが何よりうれしい。時間がかかったけれど、ようやく花開いたドゥドゥの実力。
外国籍選手は助っ人なので当然即戦力として期待されますが、ドゥドゥのように時間をかけて順応する選手もいます。
ある程度長い目で見る必要性を感じると共に、ドゥドゥのようにポジションのコンバートなどで活路を見出す場合もあるので監督の眼力も必要になりますね。
日本が大好き
ここまで日本とジュビロのことを気に入ってくれたドゥドゥ。
日本語も一生懸命覚えてチームや日本に馴染もうとしてくれるドゥドゥ。
ルヴァンカップとJ2リーグを戦うジュビロは長期の連戦が続きますが、豊富な運動量でピッチを駆けるドゥドゥは本当に頼もしい存在です。
時間はかかりましたが、ファビアンゴンザレスの二重契約問題で補強ができないジュビロにとって、ドゥドゥの実力が開花したことはJ1復帰に向けてきっと大きな活躍をしてくれると思います。
ドゥドゥが言うように、私も長くジュビロでプレーして欲しいと心から願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田とドゥドゥのファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。