2023 J2 第3節「ジュビロ磐田vsモンテディオ山形」超主観的振り返り|松本昌也が破った山形の壁
2023年3月4日、ジュビロ磐田はヤマハスタジアムでモンテディオ山形を迎え撃ち、2-1で勝利を収めました。
私はヤマハスタジアムで観戦。
長かった。本当に勝利まで長かったですね。
ヤマハスタジアムでの勝利は、昨年2022年7月30日の湘南ベルマーレ戦まで遡ります。
勝つことは本当に大変なことなんだと、改めて思い知りました。
スターティングメンバー
前節山口戦をベースとし、山田大記がベンチ外となり金子翔太がスタメンに入りました。私も山形戦前の見どころで記事にしましたが、山口戦での負傷の影響と考えられます。
静岡新聞運動部の記事でも様子を見ながら練習していたことが報道されていました。
そしてお待たせしました。古川陽介がついにベンチ入り。昨年終盤ブレイクを果たした古川の活躍が早く見たいものです。
ゲームキャプテンは、山田大記に代わって鈴木雄斗が務めます。
前半はジュビロペース
ジュビロは、岡山戦、山口戦と試合をこなしていく毎に、守備の修正・安定感が増していったように感じました。
特に前半のジュビロは敵陣でボールを回す時間が多く、山形にはチャンスを作らせませんでした。
試合後に前半のSTATsを確認しましたが、山形のシュートを0に抑えていたのは素晴らしかったですね。
開幕戦もヤマハスタジアムで観戦しましたが、見違えるように安心して見られる試合展開でした。
ただ、もう少し決定機をものにして、早い時間に先制できるようになればさらに優位に試合を進められそうです。
ジャーメイン良が先制PK
今節のジャーメイン良は、果敢に山形ゴールをおびやかしました。
前半38分には、山形GKの後藤雅明選手と交錯しPKを獲得。
ただ、私はゴールから遠い方のスタンドで観戦していて、細かくは見え難い状況ではあったものの、ボールがゴールに入っていく様子は見えたので、
「PK?入ったんじゃないの?」
と現地では感じました。
帰宅してからDAZNで観たのですが、ジュビロ磐田の公式Twitterにもその様子がアップされています。
交錯後のボールを山形の西村選手が蹴っており、そのボールがゴールに入ったんですね。
流してればオウンゴールじゃないの?と素人ながらに思ってしまいました。
ジャーメイン良がPK決めたから結果オーライのようにも思え、万が一PK外していたらモヤモヤ案件になりそうです。
とはいえ、先制したことは今のジュビロにとって非常に大きかったですね。
針谷岳晃の成長と安定感
開幕戦から3戦連続でスタメンに名を連ねた針谷岳晃。山口戦に続き遠藤保仁とボランチコンビを組みます。
ヤット&岳ちゃんのコンビは山口戦でもその連携の良さが光ったのですが、今節もこの2人にボールが渡って前線に安定してボールを配球する姿は安心して見ていられました。
そして、岳ちゃんは3試合目でついにフル出場を果たしました。岳ちゃんの世代が力を発揮する姿は将来のジュビロにとって希望です。
中川創が今季初出場
後半5分、ペナルティエリア内での伊藤槙人のシュートがブロックされた時に槙人が倒れ込みます。その後一旦はプレーを続けますが再び立てない状況になり、担架で運ばれ交代となってしまいました。
CBは既に森岡陸が負傷で長期離脱中であり、手薄なポジションだけに非常に心配です。大事に至っていない事を祈るばかりです。
スクランブルで出場となったのは中川創。ジュビロ帰還後初出場となりました。
このシチュエーション。以前にも同じような状況があったと思い出した方もいませんでしたか?
2020年11月1日 J2 第30節 アビスパ福岡戦。試合開始早々に大武峻が負傷し、このときも中川創が緊急出場しました。
あの福岡戦は、中川創が先制ゴールを決めるなどの大活躍だったので、つい、あの活躍の再来を期待してしまいましたね。
さすがに得点は有りませんでしたが、後半11分にFWデラトーレ選手が前を向こうとするプレーを止めるなどスクランブル出場ながらも守備での貢献が光りました。
山形が反撃開始
前半はジュビロペースでしたが、山形は後半14分に小西雄大選手、河合秀人選手、チアゴ アウベス選手を投入する3枚替えで局面の打開を図りました。
特にチアゴアウベス選手は、第1節、第2節といずれも途中出場ながら連続で得点を決めているだけに、非常に嫌な感じが漂いましたね。
実際、後半のジュビロは、前半とは打って変わって自陣での攻防が多くなったので、1点だけでは厳しいなあと思っていました。
そんな中、後半17分松原后が途中から入った河合秀人選手をペナルティエリア右肩辺りで倒してしまい、FKを与えてしまいます。
それにしても山形のセットプレーは、2人立って、どちらかが蹴ろうとする方法を取るので、見ていて非常に嫌な作戦ですね。
このFKも小西選手とイサカ選手がニ人構えをとって、どっちが蹴る?と見せかけて、小西選手がキック。野田選手が上手く頭で合わせて同点ゴール。
「ううう・・・。やっぱり山形はそう簡単には勝たせてくれんか。」
1-0でこのまま勝利するのは非常に厳しいとは思っていましたが、残り時間約15分の状況で追いつかれた状況に、正直心が折れかけました。
なぜなら、相手は何度も辛酸をなめさせられた山形でしたから。
松本昌也 気持ちで蹴り込んだゴール
その後も、山形ペース。
ジュビロは自陣での攻防を余儀なくされます。
しかし、ジュビロの選手達は下を向きませんでした。
後半33分、リカルドグラッサと松原后が相手をかわしながら左サイドを駆け上がります。
リカルドグラッサがペナルティエリアに入り、背後から走り込んで来た松本昌也にパス。
昌也はバランスを崩しながらもボールを蹴り込んで見事勝ち越しゴール!!
このシーンを改めて見ると、松本昌也だけでなく後藤啓介、金子翔太、ジャーメイン良とたくさんの枚数で駆けこんでいるんですよね。
まさにキャプテン山田大記が目標に掲げる一丸となった攻撃。
松本昌也は開幕の岡山戦ににスタメン出場しましたが、左サイドバックで出場し敗戦。第2節山口戦はベンチ入りしたものの出場無しでした。
今試合もスタメンから外れ、悔しい想いもあったと思います。
まさに意地と気持ちで押し込んだゴール。難敵山形を突き放す非常に大きな仕事をやってのけました。
松本昌也は昨年J1リーグでは得点をあげることができませんした。リーグ戦で無得点に終わったシーズンは、大分からジュビロに移籍した初年の2018年以来でした。
それだけに、今回2年振りとなったゴールと選手達からの手荒い祝福はスタンドで観ていてとても嬉しかったですね。
ただ、松原后が松本昌也を地面に倒して両肩をガンガン揺さぶるような祝福は「手荒過ぎないかな?」と若干心配になりました(笑)
それにしても、リカルドグラッサの最前線まで走り込む働きは、本当に頼もしかったですね。
山形 渾身の直接FKは・・・
しかし、これで終わらないのが山形戦。
山形はさらに猛攻を仕掛け、ジュビロのペナルティエリア付近での攻防が続きます。
そして後半アディショナルタイムに入った48分、金子翔太が南秀仁選手を倒してしまい直接FKを与えてしまいました。
この時、ジュビロのゴール裏コールリーダーはトラメガで
「この試合、最も大きな声で!!!!」(という掛け声だったと思います。)の発声のもと、
ジュビーロ磐田!
ジュビーロ磐田!
ジュビーロ磐田!
何とか守り切ってくれというジュビロサポーターの大きな気持ちがヤマハスタジアムを包み込みます。
私も祈る思いでジュビロの選手達がゴール前に作った壁を見つめていました。
長く感じたキックまでの時間、小西選手が左足で蹴り込んだボールは
右ゴールポストの左側に直撃!!
あと数センチ左にずれていればゴールになっていたかもしれません。
しかしまだ笛は鳴らない。再びジュビロゴール前での攻防が続く。
「頼む!早く終わってくれ!」
ようやくレフェリーの試合終了を告げる長いホイッスル!
ジュビロは、難敵モンテディオ山形に2020年開幕戦以来3年振りに勝利を収めました。
開幕3試合のヤマ場を終えて
本当に疲れる試合でしたね。
でもそれを上回る満足感がありました。
何より、早く横内昭展監督が勝利を掴んで欲しかったので、ホッとしたというのが正直な所です。
今年はジュビロにとって基盤づくりの年ではありますが、それでも長く勝利から遠ざかれば、選手も人間ですので、不安が生じたり自信が無くなることへの心配がありました。
実際、横内監督の試合終了後のインタビューでは以下のようにホッとしたことを語っています。
私自身、岡山・山口・山形というジュビロにとって難敵が続く開幕3試合をヤマ場と考えてました。
そのヤマ場を1勝1分1敗で乗り切ったのは、ポジティブに考えてます。
更に相手は違うものの、開幕敗戦から勝利という上昇の流れであり、また、それぞれの試合で修正が見えました。もちろん課題も多くあるので、次節以降も一つ一つ着実に修正を図り前へ進んで欲しいです。
試合後、横内監督や金子翔太からサポーターへの声出し応援への感謝のコメントが寄せられました。
2021年夏に金子翔太は清水エスパルスからジュビロに移籍しました。いわゆる「禁断の移籍」です。相当の覚悟をもってジュビロに来てくれました。
しかし、コロナ禍のためスタジアムでチャントを歌うことができませんでした。ようやく金子翔太のチャントがつくられたのは今年2023年でした。
金子翔太単独のチャントができたことは、翔太への覚悟に応えるためにも本当に良かったことだと思うし、翔太もそれに応えるプレーとTwitterで発信してくれたことは、サポーターとして喜び以外の何物でもありません。
また、この3試合ボランチとしてスタメン定着を果たした岳ちゃんは、山形戦でマンオブザマッチを獲得しました。
岳ちゃんも厳しいポジション争いを覚悟で3年振りにジュビロに帰還しました。ホームでの勝利とマンオブザマッチという結果を得たことは今後プレーに更に自信が出てくることと思います。期待しましょう。
勝つっていいね!
久々の勝利だったので長くなりました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。
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