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ワンクラブマン小川大貴、ジェフユナイテッド千葉へ期限付き移籍

【バンディエラ】
一つのクラブに長く所属し、クラブの歴史を象徴する存在であることを意味する言葉

Jリーグ公式ホームページより

11年目のワンクラブマン。

ジュビロ磐田のバンディエラが磐田を離れることになりました。

2024年7月8日。

ジュビロ磐田の小川大貴が、ジェフ千葉へ期限付き移籍することが発表されました。


2024シーズン途中の移籍は、石田雅俊藤原健介に続いて三人目。

昨年八田直樹が引退し、小川大貴がワンクラブマンとしてこれからも磐田を支えていくものと考えていました。


サイドバックとして左右どちらも対応できる貴重な選手。
そしてその持ち前のスピード。

在籍11年の間に何度も磐田を救ってくれた選手でした。

現在J1で厳しい戦を強いられている磐田。「勝ち点の最低目標40」を掲げたものの、なんとかギリギリのラインで踏ん張っている状況。下手をすれば残留争いに巻き込まれてしまう順位にいます。

現在、左のサイドバックには松原后、右のサイドバックには植村洋斗がスタメンを張っています。西久保駿介がサブで控えていますが、今後のスタメン選手のコンディションよっては、小川大貴にもきっと出番が回って来ると思っていただけに残念でなりません。

痛かったのは、ルヴァンカップと天皇杯を初戦で落としてしまったこと。

残りはリーグ戦のみの状況では、どうしても公式戦の出場機会に恵まれない選手も出てきてしまいます。

小川大貴もそんな選手の一人でした。今季のリーグ戦出場は3試合75分。5月11日のホーム鳥栖戦を最後に、約2か月出場がありません。

しかし、今季初出場となった4月27日ホーム町田戦では、途中出場して2-0の勝利に貢献しています。

2024.04.27 vs町田 @ヤマハスタジアム

ゆえに、小川大貴は試合に出場すれば結果を残してくれる選手。

この試合は「川島永嗣の指先セーブ」が大きく注目されましたが、そのこぼれ球をしっかり掻き出してクリアしていたのが小川大貴だったことを忘れてはなりません。

バックスタントでこのプレーを見ていた私でしたが、遠目だったため川島永嗣のセーブよりも、むしろ搔き出してくれた小川大貴に大きな拍手を送っていたことを憶えてます。




私は2019年からのジュビロサポーターになので、11年在籍の小川大貴を語るには歴が浅いのですが、その中でも印象に残るプレーを挙げるとするならば、やっぱりこれ。

2021年3月21日。
アウェイ京都戦の魂のゴール。

前年2020年に京都にはダブルを食らっていた磐田。J1昇格の為には何としても倒さねばならなかった相手。

ドリブルでボールを運ぶ大森晃太郎に対し、後方から全速力で駆け上がって来たのが小川大貴。そこへ絶妙なスルーパスを蹴り込んだ大森。小川大貴はスピードを緩めることなくボールへ向かいますが、シュートの直前やや足を痛めた感じ。

しかしそれでも脚を振り抜いてゴールにぶち込みました。

シュートの直後、脚は肉離れしているのが明白な動きをしていました。このプレーを最後に長期離脱となってしまいました。

自分の脚と引き換えにゴールを奪ったシーン。

DAZNでリアルタイム観戦していた私。痺れた瞬間だったのは言うまでもありません。

小川大貴を語る上で絶対に欠かせない場面だと思います。




そして、誰よりもオフザピッチで社会貢献に励んでいたのが小川大貴でした。

Re:Frameという一般社団法人を山田大記と共に立ち上げ、金子翔太も参画し子ども食堂の開設を目指して活動しています。

私も何度かそのイベントに参加させていただきました。

普段なかなか会えない山田大記、小川大貴、金子翔太にファンサポーターが触れ合うことができるメチャ楽しいイベント。これらを通して、こども達が抱えている課題を改めて知る機会を得ることができ、私にとっていい経験になりました。

そんな社会貢献を率先して行う選手が、ジュビロ磐田に所属していることが嬉しかったし、誇りでもありました。




そんな小川大貴も今年の10月で33歳になります。

以前磐田に在籍していた袴田裕太郎は、期限付き移籍で大宮に移籍する際、

「サッカー選手としての時間は決して長くはない」

と語っていました。

この時にも引用させてもらいましたが、元サッカー選手の阿部博一さんの調査によると「25~26歳」が契約満了となる選手の平均年齢だそうです。実際には、その後リーグを落としながらプレーをする選手が多いので平均引退年齢は「30歳前後」と言えます。

小川大貴の33歳という年齢を考えた場合、一日一日が大切になっているんだと思います。

残された長くはない現役の時間。

プレーできるチャンスがあるならば、他チームであってもピッチに立ちたいと思うのが素直な気持ちだと思います。


ジュビロサポーターとして、小川大貴ようなバンディエラに相応しい選手は出て行って欲しくはないです。しかし、現状なかなか出場機会が無いのならば、他チームでプレーする選択肢を止める権利は無いし、その選手の決断を尊重したい。

そして、ジェフユナイテッド千葉には、かつてサックスブルーのユニフォームを来て共に戦った田口泰士ドゥドゥ(現エドゥアルド)がいます。その戦友たちと再び戦う姿を見るのも楽しみに感じています。


小川大貴の移籍に当たってのコメントです。

この度、ジェフユナイテッド千葉に期限付き移籍をすることになりました。
いま伝えるべきことではないかもしれませんが、僕はジュビロ磐田というクラブが大好きです。
そしてこれからもその気持ちは変わりません。
「ジュビロ磐田の選手になる」という幼少期の夢を叶え続けることができたこの11年間は、僕にとってかけがえのない時間でした。
チームは変わりますが、ジェフユナイテッド千葉に行ってもチームの為に全力で戦いたいと思います。
行ってきます!

ジュビロ磐田公式ホームページより

今回は期限付き移籍。

きっとまた磐田に帰ってくるはず。
その時を待っています。

さよならは言いません。

「行ってらっしゃい!」


最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田と小川大貴のファンサポーターに歓喜が訪れることを願って。

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